皮算用
マラソンの醍醐味は、後半戦でしょうか。
だてに、42,195キロもありません。
前半20キロは、快調ペース。
横からの川風にも、負けていません。
はい、わたくしの場合、20キロを中間点と心得ています。
21,ナンチャラ、という半端な数字の地点で、アタマは使いません。
エネルギーの無駄使い。
そもそも、21,ナンチャラの何が中間なのでしょうか。
単に、レースの距離の半分、というだけです。
体力の中間点、ではありません。
モチベーションの中間点、でもありません。
ここを「2倍」すれば、ゴールが待っている。
昔は、こんな単純アタマのときもありました。
でも、そんなことが起こったか?
いいえ、です。
なぜなら、体力が尽きてゆくからです。
気力も、そがれてゆく。
結果、後半戦は、ナニモカモがじりじり、やがてドスンと落ちてゆく。
それはまさしく、夏休みの計画と同じじゃん。
人生も終盤にさしかかって、ようやく自覚してきたことです。
ならば、中間点でアタマを使うのは、無駄。
そこは、無になって通りすぎればよいだけ。
あくまで、10キロおきの単純計算だけ、してゆきます。
それが、ソロバン7級のわたしに、できること。
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初冬の河原コースは、最高ですね。
異変
30キロまでは、おさえる。
だんだんと学んできた、自分のフルマラソンの走り方のペースです。
おさえるって、どゆこと?
欲をかかない、につきます。
具体的にいうと、ハアハア、とならないこと。
まわりの景色をたのしむ。
空の色を目に焼き付けてゆく。
レースの間だけでも、空の色は変化してゆきます。
もちろん、雲も。
空の色に注目できる、というのは視線が上むきが条件です。
この方が、ハアハアなりにくい。
アゴをひいたら、苦しくなる。
しかし、です。
何の変調もなく、たんたんと距離をかせぐ。
そんなことが、できるわけないじゃないですか。
必ず、何かが変わってゆく。
そのとき、どんなアドリブを演じられるか。
これこそが、ワクワク感です。
今回の小さな異変は、30キロをこえて出現してきました。
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3周目、30キロ経過、遠くの煙は、まだ横に流れています。
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気持ちのいいコースですが、足裏は確実に変化が。
スルリ感
30キロをこえて、河川敷ロードに入ってゆきます。
すると、右足にかすかな変化が。
ユルミはじめている。
ワラジのことです。
ワラジは、ハナオから左右2本のヒモがでています。
ゾーリと同じです。
その外側のヒモが、明らかにゆるみだした。
ユルんだ結果は、ワラジが足から離れだすことです。
地面を踏むとき、ペタペタ感がでてきます。
ワラジのハナオは、おもしろい編み方になっています。
1本は、足裏本体から引いてくるヒモ。
なので、これは、ゆるむことはありません。
もう1本は、足裏に差しこんで、引いてくるだけ。
なので、だんだんと、抜けてくることがあります。
今回のワラジは、2回目のレース使用。
1月のハイテクハーフではいたものです。
キレイだし、大丈夫だろう。
でも、大ジョーブではありませんでした。
レースではくと、消耗が激しいんです。
オー、マイゴー。
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右のワラジがほつれ始めています。わかりにくいかも。
決断
上流部に向かいながら、ないアタマで考えます。
ワラジの底が、ペッタンペッタン、足裏から離れだしています。
ウルトラマラソンでは、よく起こります。
残念ながら、まだ100キロをユルませずに、はきこなせていません。
ウルトラマラソンでは、その都度しばりなおして、進みます。
とはいえ、足への装着性は、低下します。
いがいと、手間もかかります。
フルマラソンでは、初めてです。
といっても、フルマラソンでのワラジ走りは、まだ10レースくらいですけど。
しばり直しても、今の感覚は意地できない。
それは、ペースの低下を意味します。
うーむ。
35キロの折り返し点まで、もたせました。
そして、ここを回って、決断。
よし、あとは「ハダシ」でいいじゃん。
右のワラジをぬいで、計測用のチップを左にくくり直します。
路面の冷たさ。
もう、わかりません。
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タグを付け替えて、キッラリと、右は「ハダシ」となりました、気分イイ。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2020/12/P1050881-1024x768.jpg)
残りは、7キロ、いざゆかん。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2020/12/P1050883-1024x768.jpg)
最後最後の、2,195キロをきざむUターン標識。
風の中で
左足ワラジ、右足ハダシ。
なんとも、間の抜けた格好となりました。
いっそ、両方ハダシでもよかったのですが、そうなると計測チップの扱いが困ります。
手に持って、では計測されないのですね。
あと、7キロ。
タイムロスもでているな。
よし、突っ込んじゃえ。
ここで新しい発見をしました。
「気持ちいいじゃん」
ハダシ走りが、実に爽快なんです。
小学校時代の、運動会のノリです。
走りはじめて、だんだんとお調子に乗ってきました。
あとで調べたら、39キロ台の1キロが、このレース最速。
ま、わたしにとっての、ですけど。
キロ5分4秒。
後半戦は、風向きが川の流れにのってきました。
上流向きになると、ときにあおられるような感覚。
そんな中を、笑われながら、ヘンなオジさんがゴール。
いえ、志村けんじゃ、ないってば。
スタート〜10キロ:54分12秒
10〜20キロ:55分52秒
20〜30キロ:54分55秒
30〜40キロ:57分36秒
ゴール:3時間55分44秒(ネット)
大満足の結果となりました。
レース後の強風のなかでの着替えは、寒かったですが。
ココロは、ポカポカ。
いい学びがありました。
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両方、ハダシでも良かったのですが。計測タグの問題だけです。
最後は、ハダカになってゴールすると、ハッピー。
いえ、もとい、ハダシになってゴールがグー。
こんな教訓を得て、島田駅に向かって歩き始めました。
乗り換えの静岡駅直結の書店では、おもしろ郷土本も3冊入手。
ココロ豊かに、すてきな旅となりました。
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静岡駅構内で発見した立ち食いソバ屋さん、ボクの好きなスタイル。
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ここは、熱いのをイッパイ。オイシューございました。
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旅先の本屋さんの楽しみは、郷土本コーナー突撃。
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大井川 昔も今も ワラジが命?
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