かんちがい
時代は、つねに変化しています。
流れる川のごとし。
家庭環境。
職場環境。
地球環境。
人間関係。
すべてにおいて、例外なし。
そう、わかっているハズなんですが。
なのに、これは変わらぬ真実って、なぜ思うのでしょうか。
ウルトラマラソン完走の秘訣。
これは、確立していました。
あきらめない。
歩かない。
(ただし、のぼり坂をのぞく)
たった、ふたつ。
この2点のみです。
このふたつさえ守りつづけられれば、必ずゴールは待っている。
なんだ、簡単じゃないか。
フルマラソンみたいに、フウフウしなくても、大丈夫。
ルンルン気分で、さあスタートだ。
今年も、チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン。
4月21日。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100083-1024x768.jpg)
レース前日の川口湖畔、さあすべてを忘れてレースにむかおう。
おいおい
レース前日は、河口湖湖畔のホテル泊。
朝の5時スタートですので、2時起床予定です。
前日の夕食会場。
となりには、いかにもランナー風のオヂサンがひとり。
つい、声をかけちゃいました。
予想通り、同じレースに出場予定です。
わたしと同じの、100キロコースの挑戦。
わたしと同じの、朝5時スタート組。
コレは、いちばん遅いヒトたちの集団です。
そして、はじめてのウルトラ挑戦ということでした。
「最後の坂が、キツイみたいですね」
「いやいや、1番キツイのは、1番目の関門ですよ」
「17キロ地点の、第1関門ですよ」
「そこを甘く見ていると、早朝7時半にはレース終了です」
「そしたら、山中湖で、白鳥ボート遊びに変更ですよ、はは」
自戒をこめて、知ったかぶりを披露。
100キロ組は、参加人数が多いので、3グループにわけて時差スタートです。
4時半から、15分きざみで、3つのグループ。
特筆は、関門時間が、全グループで同じ、という矛盾。
おそいランナーに、冷たい仕打ちです。
そして、レース当日の朝。
明るさが、出現してきました。
でも、霊宝富士は姿が見えません。
曇っています。
ただし、雨は落ちてはこない。
冷え込みもありません。
午前5時、スタートします。
まずは、第1関門の無事突破です。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100092-1024x768.jpg)
さあ、いよいよスタートです。ことしは、あたたかい。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100094-1024x768.jpg)
午前5時、みんな元気です、このパワーを保ちたい。
コツコツ、コツコツ
チャレンジ富士五湖100キロの部も、11回目の挑戦となりました。
過去10回は、なんとか完走。
この間に、コースはビミォーに変化しています。
前半の変化は、のぼり、くだりが増えたことです。
富士急ハイランドのとなりをスタスタ走れたころが、なつかしいです。
あのコースは、もっと平らでした。
人生と同じなんでしょうか。
平坦な道が、だんだんとなくなっています。
のぼったり、くだったり。
第1の湖、山中湖にむかう過程は、せまい歩道が特徴です。
山中湖までむかう過程の、3分の1くらいは、そういう道でしょうか。
この部分は、前後の流れにのってゆくしかありません。
昨年は、制限時間を5分を切るヒヤヒヤゴールでした。
なので、前半は少し無理をしようか。
ということで、集団の半ばに入って、すすみます。
1歩、また1歩。
いっぺんに、2歩はすすめません。
たかが1歩。
ですが、これも13万歩をこえれば、ゴールです。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100096-1024x768.jpg)
山中湖に入ってきました、曇ってはいますが明るい。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100099-1024x768.jpg)
ウルトラでは、あたたかな飲み物が何よりのご馳走です。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100100-1024x768.jpg)
今年は、おにぎりに出会えました。コレで終わりそうですけど。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100103-1024x768.jpg)
山中湖から、富士は望めませんが、桜にはご対面。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100105-1024x768.jpg)
忍野八海も、ホントはゆっくり散策したいところです。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100106-1024x768.jpg)
長いのぼり坂、も前半ならなんとか歩かずにすすめます。
経年変化
のぼって、長いくだり道。
そこで、フルの距離を超えてゆきます。
ここまでは、順調、計画通り。
ですが、少しずつ、確実にペースは落ちています。
これも、想定通りです。
フルをこえて、ふつうに走りつづけるなんて無理です。
やがて河口湖畔へ入ってゆきます。
ことしは、桜の木はすっかり葉桜模様です。
どんよりとした天気はかわらず、富士は姿をあらわしません。
50キロ地点を通過。
距離でいえば、半分ですが、まだそんなこといえません。
6時間を少しこえています。
このレースの実質上の中間点は、56キロの足和田出張所です。
おおきなエイド、といわれています。
食べものも、たくさん、豪華といわれています。
ただし、それは早いランナー特典ですね。
わたしのようなドンジリランナーが着くころには、バッタの大群が去った麦畑。
そういう経験をしていますので、最初から、心構えはできています。
そこは、水飲み場。
たべものを期待するな。
単なる通過点。
ここで心が折れると、その直後からの急坂がこたえてきます。
ま、心構えはできてましたが、やはりこたえました。
これはもっぱら体力的な問題。
あと6キロ先には、吉田のうどんが待っている。
吉田のうどんは、裏切りません。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100108-1024x768.jpg)
けっこうなくだり坂、そろそろ42キロのフルだったらゴールです。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100109-1024x768.jpg)
暑くなってきて、富士の霊水で、アタマを清めるランナーが増えてきました。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100112-1024x768.jpg)
にぎやかなエイド、ちょっとしたお祭り会場みたいです。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100115-1024x768.jpg)
河口湖畔をタラタラと走りつづける。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100116-1024x768.jpg)
今年は、河口湖にはえる富士山を望むことはかないませんでした。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100117-1024x768.jpg)
50キロ地点、といっても、もう半分という気分にはなれません。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100119-1024x768.jpg)
こういうのが出されますと、スナオにうれしいです。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100121-1024x768.jpg)
西湖にむかう坂道へ入ります。この途中に、大きいけれど、食べ尽くされたエイドが待ちます。
醍醐味
西湖畔までめぐってきました。
60キロになろうとしています。
わたしにとって、いちばんキツく感じる区間です。
なぜか、路面がザラザラに荒れている。
距離的には、ここからフルマラソンのはじまり。
疲れも、たまってきています。
足も、だんだんと出なくなる。
この「足の出ない」感覚。
正直、キツイです。
この出ない感覚のなかで、どのように次の一歩を出すか。
歩かずに、走りつづけるか。
このヘンタイ的身体感覚が、じつは、あとになってワクワクしてきます。
走れなくなってからどう走るか、がウルトラの醍醐味。
ジョーシキある方には、理解しかねるでしょうけど。
なんとか、走りつづけます。
歩かず。
ですが、スピードがガクンと落ち始めているのがわかります。
これまでは、スピードが落ちる。
しばらくすると、なぜかスピードが回復。
このサイクルがありました。
それが、今回は回復行程が出現できずに、落ちる一方。
それでも、前にはすすもう。
62キロの吉田のうどんエイドで気分一新。
精進湖にむかいます。
うーん、スピード無理。
どこが不調、というのではありません。
ですが、走れません。
のれない。
時計は、刻々とときをきざみます。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100124-1024x768.jpg)
西湖に入ってきました。いちばん疲労感を味わう時間帯、なのに味わい深い。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100125-1024x768.jpg)
タンタンと走ってゆきます、なにせ湖畔なので高低差はありません。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100126-1024x768.jpg)
吉田のうどんエイドは、いつも心の支えとなっています。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100127-1024x768.jpg)
どっかりと腰をおろして味わううどんのありがたさ。ただし、次が立てない。
撃沈
精進湖をまわりながら、時計が気になります。
次の71キロの関門、きついかも。
前後のランナーも、まばらです。
しかし、ここでまいってこーする。
自分にムチうち、ピッチをあげます。
そう、スピードをあげようではなく、ピッチで勝負。
ランナーはまばらになってきていますが、うしろから追ってくる足音がきこえます。
そう、おたがい、走れ。
ふっと、うしろの足音が止まります。
思わず、ふり返ります。
「ここで歩いたら、間にあわないよー」
走ろう、走ろう。
そのランナーに向けたコトバは、半分は自分にむけています。
しばらく前後になって並走。
ですが、だんだんとうしろの足音が離れてゆきます。
なんとか、71,7キロの関門を通過しました。
さあ、これから待つ長いユルのぼり。
フラフラとすすみます。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100128-1024x768.jpg)
樹海をながめながらのコースは、何となく吸い込まれそうな雰囲気ももっています。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100131-1024x768.jpg)
足もとは、まだ何とかもっていますが。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100132-1024x768.jpg)
精進湖に入り、だんだんと次の関門時間がせまってきました。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100134-1024x768.jpg)
71,7km関門、制限時間は14時50分で、通過ができなくなります。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100136-1024x768.jpg)
旧精進小学校では、二宮金次郎さんが、歩き読書をしていました。
走っています。
走っているはず、です。
ですが、うしろから淡々とくるランナーに抜かれてゆきます。
がんばろうね。
お互い、声をかけあいますが、実際はガンバレていません。
抜けるのは、歩いているランナーだけです。
77キロ過ぎ。
ふたたび、吉田のうどんエイドにもどってきました。
ふう。
一杯のうどんを、丸イスにすわっていただく。
この先、80,3キロの関門まで、もう時間がありません。
どうみても、相当な時間オーバーです。
「車空いてますよ」
ふいに、うしろからオニーさんの声。
バンが止まっていて、後部ドアが開いています。
回収車でした。
うーん。
奈良からきて運営を手伝っている、というこのオニーさんの声に負けてしまいました。
ここで、腕時計のタイムを終了。
車の人となりました。
「こんど奈良でウルトラの計画立てていますから来てくださいね」と。
あきらめない。
歩かない(のぼりを除く)
この2大鉄則がくずれた瞬間です。
少しずつ、あきらめ心が芽生えていましたか。
課題の多いレースとなりました。
ということで、78,2kmでレースは終了。
10時間43分34秒。
100キロ走れませんでした。
予定よりはやくホテルに帰ってこられました。
そこには、昨夕のオヂサンとふたたびご対面。
「第1関門で、ひっかかっちゃいました」と。
そう、甘くはないチャレ富士。
いつまで挑戦のモチベーションが湧いてくるでしょうか。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100139-1024x768.jpg)
うーん、ついに車中のヒトになってしまいました。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100140-1024x768.jpg)
もう、何も言うまい、言えない。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2024/05/P1100144-1024x768.jpg)
ホテルに早めにもどって汗を流したあとは、ひとりお清め反省会。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2018/11/76f3e759415ad1690bfae003ac05144c-e1542443258483.jpg)
走っても 届かぬゴール いかんせん
↓ よろしければ、清き1票をお願いします(1日ワンクリック有効)
![にほんブログ村 その他スポーツブログ マラソンへ](https://b.blogmura.com/sports/marathon/88_31.gif)