松本マラソン2022、ネクストワン

上を向いて

 

永六輔さん作詞、坂本九さん歌唱の名曲。
上を向いて歩こう

世の中は、ますますコンメイさを深めています。
舗装された道も、ビミョーな凹凸がつくられています。

足もとに気をつけてゆかないと、あぶないよ。
ちょっとした油断や不注意で、足をとられかねません。

足もとのワラジが、バラバラ化してきました。
1歩1歩を、できるだけバラさないようにすすむ。

なんて考えていると、どうしても視線は足もとにいってしまいます。
でも、こんなときだからこそ、上を向くのを忘れたくない。

足もとしか見ないのだったら、どこを走っても同じですし。
せっかく、信州まで来ているんだから。

しかも、新しいコースです。
まったく見ず知らずの、まっさらなコース上にいます。

見上げれば、空は黒い雲におおわれています。
だからといって、景色がすべて隠されているわけでもありません。

こんなときこそ、上を向こう。
何を心配しているんだ、カラダが動かなくなっているわけじゃないんだし。



こういうときこそ、上をむいて歩こう、いや走りたい。

 

決心

 

上を向いて、息をすう。
これで、マヨイがふっ切れました。

バラけたワラジに、ふり回されなくってもいいじゃないか。
もう、サッパリしよう。

両足のワラジをぬぎました。
問題は、シューズにつけるタイプの計測チップです。
ハダシだと、あしにつきません。

次の救護所でハサミを貸してもらって、ワラジのヒモだけちょん切ろう。
そのヒモを足くびにまいて、計測チップをつければいいや。
それまでは、手にもってゆこう。

ぬいだワラジをフトコロに押しこんで、気分一新の再スタート。
ちょうど32キロ地点。
あと10キロだ。

大ジョーブ、いける、いけるって。
ところが、思わぬ松本事情があらわれてきました。

アスファルトが、穴ボコ状。
ガリガリ状ともいいます。
劣化というより、冬のスリップ対策なのかもしれません。
この上は、ハダシで走ろうとすると痛い

 



32キロまでつきあってくれたワラジちゃん、ありがとう。

 



こういう路面が、いがいとアンヨに突き刺さります。

 

足ウラのクンレン

 

足ウラは、きたえられるものでしょうか。
わたくしの場合は、「無理」といわせていただきます。

足のウラと、手のヒラは、同じような感触です。
柔らかいから、感覚が生きる。
柔らかいから、クッション性がだせる。
ですから、きたえるという発想自体が、本来の目的を失わせてしまうことでもありますし。

ところが、ボコボコ、ザラザラのアスファルト面は、そういう性質をまったく考慮されていません。
つまり、ハダシで走る、という前提はゼロ。
わたしには、とても走れません、痛くて。
ぬき足さし足で、歩くのよりもおそくすすむ。

コースわきが草地とか、芝生のようなところがあります。
そういうところでは、ニヤリ、アスファルト面からぬけ出します。

残念ながら、そういう土の面が、なかなか見つからないことです。
土とアスファルト。
ぜんぜん違う性質です。



広い、広い公園にわけ入ってきました。

 



こういうコースは、ありがたいです。土がある。

 



草むらの上を走るぶんには、快適ソノモノです。

 



信州らしい応援、ありがとうございます、といえる余裕。

 

翼よ

 

ジェット機の離発着の音が、耳に入るようになりました。
信州松本空港が近づいてきている証拠です。
コースは、後半戦。

中型ジェット機が、おりたってきたようです。
おおきな翼をひろげています。

グンマーにいると、海も見られませんが、空港もありません。
飛行機も、じつにめずらしい。
見られるのは、晴れた日の飛行機雲くらいですから。

そういえば『翼をください』という名曲があったなあ。
わたしの願いがかなうなら、翼がほしい。
うーん、いまの心境にピッタリです。
空を飛んですすみたい。
いやいや。

ハダシになって、ハキモノの心配はなくなりました。
もうあとは、信州の初コースをたのしむだけです。

アスファルトをよけて、つまりコースからはずれる。
土の路面をさがしての道。
パラパラと、沿道には、声援をくださる方が立っています。
ときには、そういう方のうしろ側をいったり。

スピードがでないぶん、もう余裕です。
そういう沿道の方と、立ち話もしたり。
そう、ウルトラマラソンよりも、ゆっくり。

 



ジェット機を間近にみて、ルンルン気分。

 



風の中の応援に、感謝の連続です。

 



サクサク、サクサク、こういうところも気持ちがいい。

 

さむい、あたたかい

 

雨つぶが、ポツリ、ポツリ。
やがて、ポツポツ。

ふつう雨が落ちはじめると、風はやんでゆくものです。
ところが、風はいっこうにやむ気配をみせません。

雨の威力。
風の威力。
すばらしい、天からのおもてなしです。
うん、こういうところを走って、人間、強くなれるんです。

ゴールラインが、見えてきました。
最後の数百メートルは、路面のギザギザがなくなりました。
しかも、雨をすって、ツルツル。
ハダシが、気持ちいい。

ということで、ニコニコゴール。
タイムは、5時間21分33秒。
うーん、立派です。
次につなげられる(苦笑)。

というのも、後半戦32キロ以降は、ほとんど走れていません。
なので、疲労感さえも、出てこない。

ゴールをこえて、いよいよ雨脚は強まってきました。
空気も、雨も、冷たくなっています。
そのなかで、にこにこと誘導されているスタッフさん。
カッパもかぶらずに。

ありがとう。
風邪をひかないでね。
寒くはなりましたが、あたたかいヒトのココロに触れて、ホッコリした大会となりました。
次回は、ゴム底のワラーチの方がいいかな。
こりずに、工夫をつづけてゆきます。

 



いよいよゴールが視界に入ってきました。

 



最後の路面は、雨も混じってツルツルとしていて、気持ちよかったです。

 



うーん、記録はともかくね、ゴールできました。この体験、次にいかします。

 



雨脚が強まってきましたが、巨大ドームの中で、着替えることができました。

 

たーさん
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