ヒッチコックをご存知ですか
サスペンス映画の神様、ともいわれるヒッチコック監督をご存知ですか?
ヒッチコックは、サスペンスと、スリルと、ショックについて、次のように説明しています。
サスペンスとは、目的の電車に間にあうか、必死に駅にむかうシーンをさします。
スリルとは、発車のベルがなる中を、ホームにかけおりて列車に飛びのる瞬間です。
ショックとは、やれやれと乗りこんだデッキから席に腰かけたところ、目的の電車でなかったのがわかったときをいいます。
なにせ昔の話で、出典も、くわしい記述もうろ覚えなんですが、こんな内容だったと思います。
で、松本マラソンの田んぼ道のなかの中間点、21,1キロメートル。
ここまで、あまり時計を見てこなかったのですが、2時間3分でした。
うーん、ビミョー。
後半ガンバレば、きりのよいサブホーに届くタイム。
でも、それをねらっちゃうと、多分つぶれる。
しかも、これから待ちかまえるコースは、のぼりが増えてくるらしい。
それにしても、広々とした田園風景。
太陽も顔をみせ、さわやかな高原気分。
よし、いっちゃおうか。
よおし、いっちょやったるぜえ。
なんだ坂、こんな坂。
サスペンス劇場の開幕
体調は、とくに問題はない。
ハーフを走って、疲れはたまってきたけど、まだダイジョーブ。
キロ5分まではあげられないけど、なんとかアップはできそうだ。
ギリギリ、4時間をねらってみよう。
ちょっと、ココロがドキドキしてきました。
場面は、サスペンス走りになってゆきます。
ほらほら、いがいに走れるじゃん。
走りが、軽くなってきませんか。
腕時計をみると、キロ5分半をきっている。
この1キロ区間は、最低限の目標をクリア。
それをあと20本だ。
走りにスリルが生まれてきました。
松本マラソンは、Uターンコースが多いです。
折り返しの巨大コーンを回ると、きたコースに戻ってゆきます。
そこではじめて、コースがのぼりになっていることに気がつきます。
そうか、きたとき調子がよかったのは、くだってきたためでした。
一気に、キロ6分をすぎてゆく。
ああ、ショック。
サスペンス→スリル→ショック。
オチは、これですか。
なんとも、しょぼいサスペンス劇場です。
これじゃ、ヒッチコックにはなれません。
世の中、甘くはないってことでした、テヘヘ。
折り返しのコーンを回って、いままでくだってきたことに気づく。
ゴールは近くて遠い
なにやら、アナウンスの声が聞こえてきます。
走りながら耳をすますと、ゴールランナーをたたえる声のようです。
えっ、もうゴール会場までやってきたの、早くね?
そういえば、思い出しました。
マラソンコースは、ゴール会場のすぐわきを通ります。
本当に、わきです。
わきだけれど、そのままゴールに飛びこめるというわけではありません。
こんどは、ゴール会場を背にして、いったん離れてゆくのです。
あとで調べたら27キロ地点。
そこからまだ15キロがあるのでした、トホホ。
ということは、いまゴールしているランナーは、もう15キロも先に行っていたんですね。
恐れいります。
日ざしが強まってきました。
気温も上がっています。
もう、苦笑いしかありません。
気力が、ヘナヘナと抜けてゆきます。
収穫期をむかえたリンゴ畑の横のコース、おいしそう。
ここの太鼓のリズムは、じつによくピッチにあって力になりました。
松本民は、じつに熱いです。
すてきなチアガール集団。同じ衣装のオヤジも混じっていましたが。
田舎道の回廊
後半ルートは、行ってもどるパターンが、ふえてゆきます。
すでに戻っているランナーたちも、暑そうです。
この大会では、メディカルランナーというボランティアを募集しています。
わたしも、一応、手をあげておきました。
すると、レース前に、丸いワッペンが送られてきます。
それを左肩にはっておく。
コース脇に、計2名の足がつって動けなくなっているランナーに声かけをさせていただきました。
まずは、こちらから名のって、話をさせていただく。
アヤシイ者ではありません、カクカクシカジカ。
どうみたって、あやしいオッサンですが。
話しながら、緊急性だけチェックさせていただきます。
大丈夫そうなら、次にボクシングのレフェリーに変身します。
試合を続行しますか、助けをよびますか?
今回は、どちらのランナーも、レース続行を選ばれました。
ファイティングポーズを確認できたら、「じゃあお気をつけて」と肩をたたいて、わたしはレースに復帰。
とんでもな巨大な旗を振っている方々。聞いたら松本山雅FCサポーターの応援旗とのこと。山雅が「やまが」と初めて知りました。「さんが」とばかり思っていました。
あとは、ゴールに飛び込むだけ、のはずが、まだまだ長い、暑い。
広大なゴール会場
多分、あそこがゴールだ。
巨大な競技場に、こんどは本当に近づいてゆきます。
なのに、なかなか中に入れてもらえません。
立派な信州スカイパーク競技場にたどりつくも、さらに外周を4分の3周。
ようやく入れたトラックで感じた違和感。
なんなのだろう。
その理由は、走りながらわかってきました。
立派な陸上競技場は、最後の最後に入れて、ゴールラインを踏むだけ。
踏んだら、すぐに外に出されるという動線。
1万人近いランナーと、その関係者が最後につどうゴール会場なのですが、競技場内はスカスカだったのです。
キレイに使いたい、ということでしょうか。
さすがに、カタイ大会。
早々に競技場を出されたところ、イチロー選手風のニッチロー選手さんに遭遇。
さっそく記念写真をとらせていただきました(ミーハー)。
おおきなタオル、記念メダル、お水やオニギリといただくと、再入場禁止の一般区画へ。
アレアレ、記録証はもらってないけど。
聞くところによると、あとから出されるらしいようです。
そういえば、EPSONの地元なのに、プリンターの列を見なかったなあ。
競技場の外は広い。
なにしろ、そのまま信州まつもと空港までつながっています。
案内板が少ないので、ウロウロ。
荷物を受けとり、前日ごいっしょした関西のドン、東海のアネゴと転倒、いえもとい健闘をたたえあったのち、1キロ余先のシャトルバス乗り場までテクテク。
あとで調べたら、4時間23分36秒(ネット)。
ちなみに2282位(男子5544名中)でした。
いろんなサスペンスを味わえた大会でした。
あと少し、もう少し。
スカスカ競技場の静寂さのなかのゴールシーン、ちょっとシュール。
ニッチローさんと、記念のポーズ、しかしよく似ています。
台風で中止になってしまった前回大会と合わせて2個の完走メダル。
競技場外はにぎやかでした。いい香りがただよってます。
サスペンス スリルとつづき 最後はショック
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