まずは、マイ儀式
いちばんいい場所で、ひと息つく。
ずっと、ひと息つきっぱなしじゃないか、いいんです。
ぼくの、トレイルの流儀。
いや、トレイルとはいってはいけません、遠足です。
本日の最高峰。
すこしガスってきましたが、片品の遠望がたのしめます。
ここまで、のぼってきたのだな。
これを味あわずに、くだってどうする。
斜面に腰をおろして、まずは背中のリュックをはずします。
とり出したのは、小さな水筒。
アツアツのコーヒーをいれてきました。
天に向かって、カンパーい。
うーん、幸せだなあ。
疲れも、すっとひいてゆきます。
ひいてゆきます。
うん、ひいてくれるはず、です。
と思いましたが、現実はそうはいきません。
足腰くんは、そうとうにガタがきているようです。
でも、あとはくだる一方だと聞きました。
距離にして、5キロ弱。
わが人生に、重ねてしまいます。
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いちばん高いところで、コーヒーを一杯。
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ついでに、朝リンゴをジュルジュル。
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最後尾を守ってくれている、おにーさん、余裕の表情。
ピーピーくだる
くだる、というのは下に向かうことです。
たしかに、いわれた通りに、くだる一方になってきました。
しかし、くだり方にも、いろいろあります。
オナカがくだる、というのを考えてみます。
やわらかな便が、ニョロ、となっても、くだるといいます。
オシッコみたいな、一気のくだりもあります。
本日、最後に待ち構えていたのは、オシッコ並のくだり坂でした。
アハハハハ。
先頭のランナーは、こんなところも、駆けくだったのでしょうか。
わたしのレベルで、そんな真似はできません。
うわうわ。
半分、横向きになりながら、ザーザーすべり落ちます。
おりていません、すべっています。
普段の会話と同じですか。
やがて舗装路にでると、傾斜はやわらぎます。
会場の声が、耳にとどくようになってきました。
おお、ゴールが待っている。
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ザーザー、すべり落ちてゆきます。
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でも、気分は最高です。
突然のアナウンス
ゴールシーン。
これだけ遅いと、何となくそっと入りたくなります。
でも、何だ、あの赤いものは。
ゴールラインに向かって、赤い絨毯が敷きつめられています。
スタート時にもあった、ようでしたが、気にとめていませんでした。
さすがに、踏めない。
シルバー世代としては、走ってきた足で、汚しては失礼な気分です。
でも、のらないのも、好意を無にするみたいだし。
こんなところで、心の葛藤が生まれるとは、思いもよりませんでした。
せめて、真ん中じゃなく、ハシをゆこうか。
神社じゃ、ないんだってば。
前後にランナーがいませんでしたが、ゴールの先は、ちゃんとスタッフがおで向かいです。
無事、ゴール。
記録は、どうでもいいです。
(正式には、5時間15分36秒でした)。
ゼッケンのチップをお返しし、お礼をいって引き揚げです。
グランドのわきの水道で、手と顔を清めてさっぱり。
少し、会場をウロウロ。
そうしたところ、とつぜん名前を呼ばれました。
「レジェンドの部の3位が確定しました」
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この赤いジュータンの向こうに、栄光のゴールが待っています。
こっちに来てください
名前をよばれて、受け付けに向かいます。
「おめでとうございます、3位入賞です」
「はい?」
年代別の表彰があるのだそうです。
わたしの所属は、60代以上の「レジェンド部門」なんだそうです。
そこの3位に入りました、というのです。
ウソでしょ。
はっきりと、いいます。
最初から、最後まで、ほとんどシンガリを走るレースでした。
そもそも、歩きの時間の方が、長かった。
それなのに、なぜ3位。
ははー。
だんだんと理由が読めてきました。
そういえば、参加ランナー、みんな若かったね。
オジイ世代は、合計3名だったのだね。
完走すれば、入賞。
こんなことが、おこるんだ。
人生、長く生きてきたご褒美でしょうか。
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帰路にあった神社に、お祈りしたおかげなんでしょうか?
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山なので、地下タビシューズで、ゆきました。
もう、笑いだけ
アハハ、3位入賞ですよ。
わがラン人生において、初の着順入賞です。
これまでいただいた賞は、すべて「仮装部門」でしたから。
3人でも3位。
文句、ありますか。
あとで調べたら、「スカイレース部門」は、4名の60代以上がゴールしたようでした。
ぼくの前を走っていた、あのオヂサン。
頂上でくつろいでいるときに「お先に」おりていった方かも。
そのオヂサンが、ぼくより1分半はやくゴールをしていて、レジェンド部門2位だと知りました。
そして、ぼくのあと、5分半ほどしてゴールしたオヂサンが、レジェンド4位なんだって。
いやはや、みな、つながっていました、最後尾のほうで。
わかっていたら、3人並んで、記念撮影の場面でしたのにね。
ちなみに、レジェンド部門1位は、4時間35分だとか。
4人でした。
キャンディーズじゃなかったんですね。
ゴールデンハーフでした、訂正します。
そして、総合1位は、40代ベテラン部門の、2時間19分ゴールだとか。
すごいお方が、いるものです。
レースの疲れは、帰路「望郷の湯」で、ザップーン。
お肌、ツルツルになるお湯で、ジーンとくつろがせていただきました。
たのしい思い出のレースとなりました。
って、レースになってませんか、やっぱり。
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ここで、ゆっくりと疲れを癒させていただきました。
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湯上りの、ごほうび。
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たのしみも いろいろあっての 中高年の山
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