秋は山だ
さあさあ、走りましょう。
絶好のお天気を、用意しましたよ。
そんな天の声が聞こえてきそう。
グーンと冷えこんではきましたが、太陽光線はやさしい。
標高700m、ここは長野県麻績村(おみむら)。
聖高原、といいます。
ぜんぜん「聖」じゃないわたしですが、これから聖山をめざします。
信州聖山天空スカイランの開催。
2020年10月25日、快晴。
午前9時30分、小グループごとに、スタート。
先頭グループは、はなから、ガンガンに走って出ます。
これから山登り、だっちゅうのに、先を考えていないのでしょうか?
ぼくは、それをながめてパチリ。
だんだんと、ランナーがまばらになってきました。
今日は、9時半から10時までの、お好きな時間にスタートできるのです。
ランナーが少なくなって、のんびりラインを超えました。
さあ、始まりです。
どんな世界が、待っているのでしょうか。
はじめての参加となります。
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わくわくと、スタートを待つランナーたち。
里山のノンビリ
最初は、畑の中です。
やがて、たわわに実ったリンゴ畑。
ゆるやかな傾斜の地に、家々が、ポツリポツリと建っています。
くらしが坂の中。
はなから、歩きが入ってしまっています。
約23キロの行程で、制限時間は5時間。
なんだか、山歩きです。
今日はリュックを背負っているので、よけいそう感じます。
道々で応援してくださる沿道の方も、ちらほら。
舗装された道、土の道、がれ場、さまざま。
のぼりがあって、くだって。
少しずつ、バリエーションにとむ道になってゆきます。
やがて、長い長いのぼりの舗装道路。
ふと見ると、右手に「佳好砥の滝」とかかれた案内図を発見。
なんて読むのでしょうか。
息も苦しいので、ちょっとコースアウト。
が、いってみると、崖にそって下ってゆかないと出られないみたい。
所用15分とあるけど、そこまではなあ。
なごり惜しいが、Uターンして、レースにもどります。
やっぱ、山歩きになってしまっている。
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思わずかぶりつきたくなるような、沿道のリンゴちゃんたち。
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ゆっくりスタート組は、進むのもユックリ。
先は長いし、最終目的地は前にそびえる山頂。
山の中へ
山の中の立派な舗装道路の先にあるものは何か?
だいたい、ダムです。
案の定、ダム発見。
あとで調べたら、「北山ダム」だそうです。
ためる水が、「かたくりの湖」だそうで。
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かわいらしいダム湖、かたくりの湖。
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ダムからふり返った、のぼってきた道。
ダムをのぼりつめて、さらにゆくと、けもの道のようなコースが始まりました。
ああ、山に入ったな。
木々の中の、サクサクと落ち葉をを踏みしめる感覚。
前日に雨でもあったのか、湿っています。
でも、気持ちいい。
なんて感傷にふけっていられるのは、最初のうちだけ。
なんだか、けわしい傾斜の道があらわれてきました。
うわあ、ここでコケたら、一気に下まですべり落ちそう。
気分的には、「振り出しに戻れ」の坂。
一歩、一歩を、慎重にすすみます。
けっこう、長い。
バラけていたランナーが、坂で、集まりはじめます。
ゆっくりランナーのうしろで、列ができてゆく。
抜きたそうだけど、抜けるほどの道幅がない。
抜こうとしても、息がきれて、スピードもあがらない。
それにしても、みんな仲良く、ツルツル。
あ、わたくし、いがいと足もとだけは軽やか。
地下タビ式のランシューです。
というか、地下タビ。
こういうところにこそ、のハキモノ。
荒地、まかせなさい。
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気持ちのいい、山道に入ってきました。
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とはいえ、急坂では、そう余裕をこけるものではありません。
いよいよ、テッペンへ
長い急坂をのぼりあげる。
と、思ったら。
うん?
まだ、先があるジャン。
少し広い場所に出てくる。
山道も通っている。
ここに、簡易テントの姿。
コース上、ゆいいつの給水ポイントでした。
ペットボトルがたくさん。
わたしの後に、こんなに多くのランナーが来るとは思えませんが。
聖峠、だそうです。
ふうっと、ひと息つきながら、道筋をたずねます。
「頂上は、すぐですか?」
「これから本番です。きつくなりますよ」
ウソではない、というのが、すぐにわかります。
前にもまして、半端ない急傾斜の山肌。
ここまでくると、もう笑うしかありません。
完全な、山登りです。
そういえば、レースの累積標高というのが出ていたな。
1,100メートル分を、のぼって、おりる。
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ボクのうしろに、こんなにいるとは思えません。
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長い、長い、長い、急な坂道、いつまで続く?
それでも、一歩足を出せば、一歩進む。
やがて、ホルンの響きがとどいてきます。
ん?
そして、聖山の頂上。
待っていたのは、ホルンをかなでる集団。
いったい、どうやって持ち上げたんじゃい。
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山頂で待っていたホルン隊。
頂上裏手に、車が乗り入れられるヒミツの山道があるみたいです。
富士山みたいなシクミじゃないですか。
たしかに、担いでなんて無理です。
かなでる方の年齢もふまえて(失礼)。
ああ、重力
聖山(標高1,447m)のテッペンは、独立峰です。
360度、さえぎるものが、ありません。
すんだ空気は、視界をさえぎりません。
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頂上征服、ついはしゃいじゃいます。
ああ、なんていい気分。
征服感を、満喫させてくれる場所。
とくに西方に雪をまとった北アプルスの山肌。
ダイナミックに、せまっています。
風もないで、寒くもありません。
名残惜しいな。
でも、レース中だからな。
頂上に別れをつげると、帰路は南面を一気にくだります。
グルリと、反時計回りに進む周回コースです。
こちらは、午前中の日差しで、足もとも乾燥しています。
踏みしめる落ち葉が、快い。
爽快に、転げ落ちてゆく気分。
重力の偉大さ、ここに極まれり。
木漏れ日をあびてくだる道は、はじめてスピードが出せる道。
急な坂道を、バンバンと駆けおりるのは、爽快。
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下りは、一気に攻めたてます、というか、止まらない。
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あの上を走ってきたんだな、よくやったもんだパチパチ。
やがて、登ってきた道に合流してゆきました。
あとは、ゴールを目指すだけ。
最後くらいは、走りぬけよう。
ドタバタ道中でしたが、気持ちのよいゴールへ。
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ゴールライン、もうお仲間は少ないな。
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会場で、ご近所さんのリンゴを買いました、1個100円。
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今日は、地下タビシューズ、走りやすかったです。
時間 3時間44分7秒
完走 491人中388位
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聖山 のぼれば誰もが 変態聖人
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