2020NIPPON地獄の夏マラソン、後半戦

3キロの周回

 

1周3キロちょっとの周回コース
最初、こう書かれていたとき、「飽きないかな」と思いました。

ところが、ゼンゼン、そんなことはありませんでした。
一番の原因は、このワタクシにあります。
すぐに忘れる
とくに最近、すぐに忘れる。

なんだか、毎回、初めてのコースみたいな新鮮な気分を味わえてしまう。
物忘れ、っていうのも、悪いばかりじゃありません。

くわえて、くまがやスポーツ文化公園の多様性です。
たんに広い土地、ではありません。

絶妙な起伏。
さまざまに趣向をこらした木立と、ゆるく曲がってゆく道。
池や芝生広場など、次々にかわってゆく景色。
おりおりで遊んでいる、ちびっ子や家族連れ。
ぜんぜん、飽きさせない場面がつづいてゆきます。

これが人工的につくられた公園だとしたら、設計者のセンスに感服です。
そして、うらやましい場所。

 



多分、夜に一人で走ったら、恐くなりそうな緑の深さ。

 

思わぬモチベーション

 

クルクル周回、のもうひとつの面も発見しました。
それは、コースの分岐点や給水所で立っていただいているスタッフの方々との交流です。

このクソ暑い中、コースの要所要所に、たくさんのスタッフの方が、レースの運用に参加されています。
まことアタマが下がります。
で、ついワタクシ、声をかけてしまうんです。

「お世話になります」
「ありがとー」

で、同じ場所に、同じ方が待っていてくれるのです。
ふつうにゆけば、フルを走った場合、14回、顔をあわせることになります。

アソコを曲がると、あのヒトがいてくれる。
ああ、やっぱり立っている。
毎回は声をかけなくても、ニコッと通りすぎます。

つまり顔見知りになってゆくんです。
場所によっては、というかスタッフの方によっては、ぼくのワラジに興味をもってくださる。
写真をとらせてくれ、なんて声をいただくこともある。
写真をとったさい、ゼッケンをチェックしていただくのでしょう。
次の周回では、ぼくの名前をよんで応援してくださる。

こりゃ、そこを通るときには、笑って力強く走らにゃカッコわるくなります。
つい見栄をはりたくなる。

 



このベンチの前を通るたびに、「座っていったら」という誘惑にかられてしまう

 

水三昧

 

コースの2カ所で、シャワーをかけてもらえる場所があります。
ホースの先にシャワーをつけて、サーっと雨を降らせる。
一人ひとりのランナーへ、文字通りの手作業です。

アタマから降りそそぐ水に、ひとときの涼を味わう。
とはいえ、午後にもなると、日差しにくわえてランナーも暑くなってくる。
ちょっと、物足りないかな。

ということを、シャワー係の方も考えておられたのか。
アタマからシャワーをかけていただき「どーもアリガト」と通りすぎた瞬間、背中にザーー
目一杯の水圧で、背中に水がバズーカ砲のように当たってきたのです。

うヒャー。
思わず、声がでてしまいました。
同時に、背筋がピンとのびてシャッキリ。
これは冷たい
背中の方が、感度が高いんですね。

なんという快感。
一気に、体感温度が急降下したような気分になりました。
新しい発見です。

くわえて、小さなバケツですが、かぶり水コーナーもあります。
やがて水だけではなく、おおきな氷入りの大サービス。
ヒシャクで、アタマから冷水をザブリ。
アタマを冷やせ、というコトバもありますが、たしかにスッキリします。

そのほか、水道場所で、顔を洗って、帽子に水をくんでかぶったり。
とにかく、水浸しの地獄の夏マラソン。
たのしい水遊び。
ポタポタ、ポタポタと、水をたらしながらの愉快なラン。

はたから見れば、単なる「失禁オヤジ」なんですが。

 



やる方は大変でしょう、シャワーおじさん。

 



水道でバシャバシャ顔を洗って、さいごに帽子に水を入れてかぶる。

 



おいしそうな、透明氷。

 

順応力

 

猛暑の街、熊谷。
そこで走る、暑い日中のフルマラソン。

良識派からみれば、バ○を通りこしています。
とはいえ、いまは地球が暑くなる周期に入っているのです。
こよみの流れが、そう示しています。
当面、暑い地球の上でくらすのです。
としたら、どう立ち向かっていったらよいでしょうか。

ときには、暑さと、真正面から向き合ってみる。
暑さの中に、あえて、跳びこんでみる。
思いきりかく汗。
人間には、「順応力」というのが、あるんですから。

そういえば、ランニングもそうでした。
40代、最初のランニングは、500メートルで止まりでした。
それが、数キロ走れるようになる。
10キロの大台で、自分でもたまげる(自分史上初!)。
ハーフで、ヨレヨレでも大感動。
フルでは、自分が信じられないほど。
そして100キロもギリギリ走れるようになり。

ほんと、順応力、おそるべし。
順応力とお友だちになる秘訣は、工夫力でしょうか。

で、いまはどんな順応力を養っているか、ですって?
もちろん、老人力です。

 



周回もすすむと、前後にランナーの姿が消えてゆく。

 



ほとんど、ぼっちラン。

 

さよなら地獄

 

スタート時には、13本あった腕の輪ゴム。
いよいよ最後の輪ゴムを入れて、14周目の残り1周に突入です。

「最後になります、お世話になりました」
コース上でお世話になったスタッフの方々に、お礼をいいながらのラストランです。

「最後は、いっしょに写真をとるべー」
ぼくを本名で応援してくださったオジサンスタッフからは、スマホを出されて記念のパチリ。

「よくガンバったな、もう少しだ」
「まだ大丈夫だ、ナイスラン」
「ラストスパートだ」
「カッコいいぞ」

いろんな言葉をいただきながら、ウルウルしてきそうなランになってゆきます。
周回マラソンって、こんな素敵な一面をもっていたんだ。

もうすぐゴールというウレシサと、これでお別れというサミシサ。
思い出深いレースとなりました。

暑い中、そしてさまざまな逆境の中、レースを支えてくださったすべての方にお礼を申し上げたいです。
本当にありがとうございました。
ぜんぜん、地獄じゃなかったよ。
むしろ、天国

フル 5時間22分37秒。
そして道草は喰わなかったはずですが、ぼくのガーミン腕時計での走行距離は「43,28km」。
ま、時間と距離のことは、おいといて(笑)。

 



駐車場のわきにあった食堂にさがっていた「氷」ののぼり。

 



今日の自分へのごほうび。1杯300円で、幸せの世界へ。

 

たーさん
あえてここ 地獄へ来たのに 天国気分

 

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