2020NIPPON地獄の夏マラソン、前半戦

一周で、力尽き

 

名は、体をあらわす、なんていいます。
レース名が「地獄の夏マラソン」です。

シャレっ気、あるじゃん。
遊びごころ満載。

小さい子が、浮き輪を胴にまいて、プールにかけ出してゆく気分です。
はい、そんなノリでの参加です。

ところがです。
走り出すと、ぼくをアッという間におい抜いてゆくランナーたち。
えっ、あなた方は、マジに走りにきているんですか?

しぼられたカラダ。
力強い足音。
ビュン、ビュン、ビュンです。
ハーフの部のランナーは、よけいにスタートダッシュが豪快かも。

まだ、先は長いんだよ。
アタマの上の、お天道様が見えていますか?
熊谷だよ。
真夏だよ。
この下を、これから走ってゆくんだよ。

長老様のご忠告も(わたしのことね)、まったく耳には届かないようです。
これじゃ、レースじゃないか(はい、レースでした)。

わたしとしましては、5時間切りを目ざしてトロトロスタート、という計画がつられてオーバーペース気味。
これで、もつかなあ。
その結果は、はやくも1周であらわれてきました。

 



熊谷路、そんなに走って、どこへゆく。

 



わずかな日影をもらえるコース。一瞬の冷涼感も、役に立ってくれてない

 

チグハグ

 

1周、というのは、まだ3キロです。
疲れのたまる距離ではありません、ふつうは。
そもそも、下見をかねた走りでしょ。

ああ、こういうコース設定になっているのだな。
いがいに、ゆるいのぼり、くだりもあるのかな。
まったく日差しをさえぎるものがない直線路。
おおきな木の枝がはりだして、ひとときの涼をもたらす日影道。
さまざまな表情が、つづいてゆきます。

なにせ、14周もグルグルするのですから、1周目は下見で十分なんです。
ちなみに、14周は、だれがカウントするのか。
1周くらい、インチキできないものか。

受付で渡されたのは、なんともアナログチックなアイディアでした。
太い輪ゴムが13本、の支給。

これをウデにまいて、スタートします。
1周して、スタート地点の陸上競技場にもどったら、所定の箱に、この1本を入れてつぎの周回にすすむ。
2周したら、2本目を投入。
13周まわったら、輪ゴムは終了。
フリーの腕で、最後の1周をまわってゴールだよ。

これなら、まず、まちがえませんって。

ところで、1本目をはずして、ふたたび外周へ。
このあたりから、何となくオカシイ。
ひとことでいうと、カラダのチグハグ感
波にのってこない。

 



腕にまかれた13本のゴム輪。これで、14周を数えてゆきます。

 



一周で一本のゴム輪をココに投入して、ふたたび外周に出発。

 

徐々に潜水開始

 

走っている感じが、いつもとちがいます。

疲れ、とは別物です。
疲労感は、長く走ればやってくる、いつものお友達ですから。

これをひとことでいうと、チグハグ感なんです。
しっくり、こない。
動きと呼吸が、あってこない。

こういうとき、ぼくは、よくオナカに手を当ててみます。
ときに、手は、耳よりもよく聴いてくれます。
手当てなんていいますもんね。

オナカが冷たい
汗で、冷えているのかもしれません。
べつに、オナカが痛いとか、吐き気とかの具体的なものではないんです。
ただ、さわってみると、冷たい。
こういうとき、カラダの動きはよくない
このままゆくと、だんだん沈没に向かいます。

 



容赦ない日差し。向こうには、走っているランナーの点。

 



ギンギンギラギラ、お天道様は元気です。

 

やがてズキズキ

 

2周目、3周目、チグハグ感は減りません。
すると、こんどはこめかみにズキズキ感もでてきました。

うーん、なんとなく、熱中症
でも、まだスタートしたてだぜ。

走りつつ、秘伝の飛脚玉をチューチュー。
口の中に、甘酸っぱさが広がります。
オ・イ・シ・イ。

とはいえ、状況は変わりません。
あいかわらず、こめかみズキズキ感はでたり、ひっこんだり。

陸上競技場にもどってくると、同じアナウンスが繰り返されます。
無理をしないように」。

いやあ、マラソンって、無理をするもんじゃないですか。
無理をするな、といわれれしなければ、永遠にゴールは来ませんよ、なんて。
(よくない発想です)。

同時に、ファイティングポーズを要求されます。
「大丈夫なら、OKサインをつくってください」。
はい、オーケーですよ。

なぜか、陸上競技場に入ると、元気がでてくるんですね。
ひとに見られている、というのは、元気付けの1大要因なのでしょう。
お調子モノ。

 



さてさて、陸上競技場にもどってきました。

 



トラックの逆走?広い競技場です。

 



ゲートをくぐって、1周。ここで、OKサインを求められます。

 

せめてハーフは

 

走りながら、思いをめぐらせます。

このチグハグ感とズキズキ感がつづくなら、いさぎよくリタイヤしよう。
その決断を、どこにおこうか。
とりあえず、7周。
ハーフの距離まで、ガンバレるか。

ゴールの目標から、中間点の小さな目標へ、予定の切りかえ。
その間も、2週に1回の割合で、飛脚玉をチューチュー。
今回、持参の食べものは、コレだけ。
腕時計は見ない(いつもですが)。

スピードが落ちているのはわかります。
でも、スピードが落ちて、何となく走りがスムースになってきたでしょうか。

このクソ暑い中、自分の力以上の走りすぎかな。
ゆっくりペースなら、まだゆけそう。

いつの間にか、チグハグ感やズキズキ感が消えてゆきました。
そして、ハーフの距離をこえてゆく。
陸上競技場の大時計を見上げると、そろそろ、お昼をむかえる時刻。

まだまだ、いける、いけるって。
だんだんと、無心になってきました。
レースの展開というのは、本当に、読めないものです。
(つづく)。

 



虫取りの少年にはげまされる。若いって、強い。

 



池のハスの花にはげまされる。気分は極楽?

 

たーさん
無理するな それでもしちゃう レースかな

 

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