カン
もしかしたら、今年はじめてのフルマラソン。
例年参加させていただくレースは、ことごとく中止へ。
フルマラソンは、どこへいった。
そればかりでは、ありません。
ハーフマラソンも、同じ状況。
走れたのは、かろうじて探した、2月の赤羽ハーフだけでした。
それ以外の、いわゆる「ドッピューン系」のレースは皆無。
つまり、カタギの土地での、カタギのレースから離れた生活。
見つけだしたのは、別世界観のただようレースたち。
100キロウルトラが3レース。
お山のトレランが3レース。
ウルトラとトレランの共通点。
ともあれ、完走をめざす。
記録は、度外視。
ま、わたくしの場合ですけど。
ですから、最初から後方につけての、ゆっくりスタート。
決して、いそがず(いそげず)。
決して、きそわず(きそえず)。
縁あれば、たのしくおしゃべり。
つまり、「追い込んで走る」世界からは、すっかりご無沙汰でした。
日常ランも、ひとりでテクテク走っているだけでしたし。
フルマラソンの「カン」は、完全に枯渇していました。
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厳重チェック関門をとおって、会場入りへ。
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続々とランナーの歩みは、いつものレース光景。
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晴天の下、準備会場はにぎわいをみせています、ほっ。
スタート皮算用
スタートしたら、集団の流れについてゆく。
なぜか、みなさん、最初は速いです。
ぐんまマラソンも、例外じゃありません。
ちゃんと、ペースを考えているんですか、と問いかけたいくらいです。
それは、めったにない刺激です。
ひとりじゃ、決してこんな走りはしないし、できない。
どこまでついてゆけるか、久しぶりにためしてみよう。
なにしろ、レースは非日常の世界です。
しばしば、「ハレ」の場ともいわれます。
わたしにとっては、ハレよりも、アメの場になる方が圧倒的ではありますけど。
その緊張感が、神経をビンビンに刺激します。
その勢いを借りて、いつも以上の力が出てくれたらいいな。
(あくまで、希望的観測)。
いや、それは考えちがいも、はなはだしい。
マラソンに、奇跡はない。
実力以上のものは、出ませんよ。
まあ、そういう夢のないはなしは、さておきましょう。
夢でも、妄想だっても、いいじゃありませんか。
よおし、きょうは最初からとばすぞ。
わたくしペースですけど。
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さあ、いよいよスタート。
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こちらも準備万端。って、これにはお世話にならないようにね。
ポカポカ
日ごろ、スピード練習のたぐいとは、無縁です。
自分を追い込む、というのができない性格。
なのに、根拠のない楽観論が先行してバカをみる。
いつまでたっても、学べません。
しかし、現実というのは、この逆をゆくもの。
たとえば、月は丸い天体です。
いつだって、まん丸です。
ところが、今日ながめる月は三日月。
今日の月は、半月。
こよいは、見事な満月。
日々、形がかわれば、よび名もかわってゆきます。
でもよく目をこらして見てみましょう。
じつは、いつだって、まん丸でした。
欠けて見えないと思っている部分は、影でうすくなっているだけです。
見ようとしていないだけです。
だからといって、今日の月は影の部分が70%で、なんて考えなくてもいいじゃありませんか。
今日の、お月さんは、三日月。
ふつうに、楽しむ。
実力だって、ホントは、いつも同じかもしれません。
まん丸。
それ以上でも、それ以下でもありません。
ところが、今日の実力は、三日月のこともある。
半月だって、ある。
といって、まん丸より大きくなることはない。
うーん、この論法でゆくと、やはり120%は、ありませんか。
減ることはあっても(苦笑)。
奇跡はないのかな。
せめて今日は、実力の三日月にはならないように。
いや、つべこべ考えまい。
今日は、つっこむ。
お天気も、味方してくれているじゃありませんか。
まれにみる、ポカポカな朝。
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5キロをすぎて、最初の折り返し地点。
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最初の給水所では、「あの」ぐんまちゃんが、追い抜いてゆきました。
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今回の水分は、きほんフタをかぶって登場。
なので、マイカップは使用できません。
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大渡橋をわたって10キロ地点へ、向かいには浅間山と榛名山。
いい気分
いつ、「今日は満足」というレースを走りましたか。
ぼくは自分には甘いので、満足マラソンはいがいにあります。
そういうときの共通項。
「いい感覚」で、走りきったときです。
感覚です。
記録という、数値ではありません。
具体的にいうと、景色と一体化できたときです。
ご近所の日常ランとは、ちがう道。
ちがう景色。
その中を、新鮮な気持ちで走れる幸せ。
もちろん、とくに後半戦では、つらさも増してきます。
きつい。
でもなぜか、移りゆく景色が、映画のように刷りこまれてゆく。
映像の中を走っている気分。
決して快感がまさっているわけではないけれど、まだ耐えてゆける。
ランナーの気持ちって、走らないひとには、理解はむつかしいでしょうか。
この複雑な感覚が、やがて「いい感覚」へと昇華してしまう。
忘れがたい記憶を、つむいでくれる。
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沿道の声援自粛レースですが、イオンモール脇では、歓迎。
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15キロをまわって、県庁を正面にみて、東へ進路。
やっぱり、計算違い
ちょっと無理をしているな。
自分のペース感覚が、なんとなくわかります。
少しずつ、負荷がつみ重なっている。
で、どうする。
かしこいアタマなら、ここで自重します。
なにしろ、まだ半分もいってない。
かしこくないわたくしは、しかしここで自重ができない。
今日は、ゆけるところまで、突っ切ってゆくのだから。
その後は、どうするか。
その後で、考えればいいさ。
みごとな、問題先送り議案です。
いまの日本と、同じ歩調をとっています。
20キロ地点。
時計を確認するのを、忘れました。
そして、ハーフのラインを超える。
ハーフの通過時間、1時間56分40秒。
カラダのキレが落ちて、スピードが落ちてきたのがわかります。
やれやれ、半分。
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もうちょっとゆけば半分、歩くランナーも出没。
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久しぶり 甘くはなかった フルマラソン
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