これからが本番ですか
車道を心配しながらくだること、しばらく。
そのしばらくが、意外に長い。
ゆるく弧を描く道筋には、前後のランナーの姿なし。
ほどなく、くだりきった地点。
あとで地図で見返したら、ちょうど13キロ走ったところ。
標高は、900メートル。
道わきに、自動車が2台、停車しています。
スタッフ、とかかれたシャツが目に入ってきました。
「ここから、山に入ります」
おお、ホッとしました。
あとは、20キロ地点まで、のぼりになります。
のぼる高さは、900メートルほど。
本日の最高峰、標高1800メートルが待っています。
いよいよ、山のレースっぽくなってきました。
ワクワク。
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静かな山道を堪能。
2番目の山
恋も2度目なら
少しは上手に
愛のメッセージ
伝えたい
かつて、明菜ちゃんは、「セカンドラブ」で、こんなささやきを歌っていました。
本日、1番目のお山は、恥ずかしい場面の連続でした。
いいことなし。
山も2度目なら
少しは上手に
坂のメーセージ
伝えたい
さあさあ、これからは、わたくしの「セカンドマウンテン」が開幕だ。
明菜ちゃんに負けるな。
異様な、ハイテンション。
意外なことに、まだ、体力は残っています。
そして、自然感覚満点の、ゆるやかなのぼり。
ほくの、ふだん走るような道、といってもいいくらいです。
こうでなくっちゃ。
しかも、今度の山道コースには、一定間隔でスポンサーの「SALOMON」のテープが、一旦木綿のようにマーキングされています。
ここまで、手配がされている。
もう、ひとりでも安心。
熊さんとさえ出会わなければ、大丈夫。
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まさに一反木綿の標識、ありがとう。
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静寂の世界に、どっぷり堪能。
水あるところ、うるおいあり
山に入ると、一層の静寂感につつまれてきました。
ふと、気がつくと、水の音。
こっちから、そして、あっちからも。
山道をのぼっても、途切れません。
いっしょに走っています。
ときどき、その水の流れの上を横切ります。
なんて水量の豊かな山なんでしょう。
冬は豪雪地帯ということですから、雪の名残の水かもしれません。
せせらぎとともに、走る。
はい、まだ斜面はゆったりですので、一応走っています。
走っているので、やはり、少々暑くなってきます。
うーん、やはり味わおう。
ちょっとコースアウトして、流れに吸い寄せられてゆきます。
水に手を入れると、想像したとおりのヒエヒエ感。
たぶん、1分間もつかってはいられません。
その水をすくって、顔を洗ってみます。
ヒャー冷たい、でも、気持ちいい。
そして、少し口に含んでみます。
ノドに流れてゆく爽快感。
片品の水、ってか。
おいしい。
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水量は豊富です。
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ウヒャア、冷たい。じんじんに冷えています。
そして、絶頂
水音が遠くなるにつれて、足もとの険しさを感じるようになりました。
道がなくなってきました。
視界に入るのは、山の急斜面。
道でなく、山肌をのぼる、という状況になってきました。
山肌だから、どこをのぼってでも可。
一応、この辺りからは離れすぎないでね、というマーキングはされています。
ザザザザザ。
足も、けっこうすべり落ちます。
雨じゃなくて、よかった。
ザーザー降りだったら、おそらくのぼれなかったかも。
くぼみを見つけて足をおき、木のねっこに狙いをさだめて手をだす。
ときには、木の枝や幹を抱きかかえて。
一歩一歩、高度をかせいでゆきます。
超スロー再生登山状態。
なにしろ、息もたえだえ。
あとで見直したら、この区間、1キロに30分かかっています。
すすまないのに、なぜか気分は高揚。
ヤブレカブレハイ、といってもいい幸せ感。
おやおや。
一番あぶなそうな斜面に、スタッフが待機して注意を呼びかけています。
なんとも、親切なご接待。
「先頭のヒトは、どうやってのぼってきましたか?」
「小走りに、かけのぼってきましたよ」
「ウヒャー」
もう、笑うしかありませんね。
異次元の人たち。
「ああ、そっちじゃないですよ」
つい、水平方向へよたってしまうのは、体力の問題でしょうか。
ここは、真上に進まねばならない場面のようです。
「がんばってください」
ジーンとしみるお言葉を背に、ヨタヨタすすみます。
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道がなくなってきました。
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どこをよじのぼっても、自由。
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さすが、のところには、ロープの用意もしていただいてあります。
いざ、最高点
小さなピークをすぎると、明るい空間にでてきました。
森をぬけた、という感じです。
そこに車が止まっていました。
エイドが、もうけられていました。
車が入ってこられる、ということは、向こう側には道がある。
どうやら、新しいスキー場の横にでたようです。
ちょっとおしゃべりをして、英気をやしないます。
そして気分一心、こんどはスキー場の斜面に挑戦です。
はっきりいって、少々タイクツな風景に切りかわりました。
傾斜はあいかわらずキツイけど、ワクワク感はしぼみます。
ところで、スキー場に入ってからは、足もとの低木に注目していました。
どうも、わが知ったる「浅間ブドウ」の木に似ているんです。
もしそうなら、時期になれば、ブルーベリーに似た実をつけるのですが。
よく観察してみました。
いくつかは、葉っぱを裏返してみました。
実をつけているものは、ありません。
似ているだけなのか、まだ時期がきていないだけなのか。
走行中、いやもとい、ハアハア歩行中の、観察記録です。
おりてくるランナーから、「最後の急斜面ですよ」といわれたのぼりに挑戦します。
お互いがはげましあって、進む。
元気づけられます。
そしてついに本日の最高峰、1900メートルの折り返し地点。
あとは、5キロをくだるだけ、といわれました。
ようやく、目処がつきはじめました。
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こんなところに、エイドを開設していただいています。
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冬季は、スキー場になるようです。
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最後ののぼりだ。
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手作り感満杯の最高峰のUターン地点。
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2番目の ピークに向かいて セカンドラブ
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