2021東京ウルトラマラソン、関門の悲哀

70キロは、ギリギリ

 

ヨレヨレ走行。
まったく、スピードにのれません。
お散歩中の方に、ぬかれそうです。

いくつもの橋の下をくぐって、また土手コースにのぼります。
すると、先にテントの姿。

たぶん、あそこが70キロポイントだ。
時計をみます。
午後3時30分が、関門のはずです。
あと、数分。

このときばかりは、ダッシュで、ぎりぎりチェックイン。
でもって、ここでフン切りがつきました。

つぎの80キロ地点の関門が、1時間後の4時半。
とても無理です。

「ここで、力つきました、もう次は間に合いません」
「いや、関門時間延長になっているよ」
こんな返答をいただきましたが、くわしくは聞き直しませんでした。
気力的にも、降参しました。

「ああ、ここはオニギリがあるんですね」
そうか、エイド中、ゆいいつ帰りに1人に1個のオニギリ提供場所、とあったのを思い出しました。
「ひとつ、いただきます」
ひさしぶりの、お米をモグモグ。
「おいしい」
こういう場面での、塩オニギリは、ごちそうです。

ここで勝敗は、決しました。
とはいえ、これで終了ではありません。
さあ、さいごの力、ゆくぞ。

 



こういう状況下のオニギリは、輝いてみえます。

 

80キロは、まだまだ

 

スタート地点が、ゴール会場です。
もってきた荷物を置いてあるのは、スタート会場です。

そして、そこは100キロ組の80キロ地点になっています。
そこまで、もどって80キロ。
さらに下流に10キロくだって、Uターンして戻れば100キロ完走となります。

おもしろいコース設定だな。
さいしょは、そう思っていました。
そして、実際に走ってみて、その意味がわかってきました。

80キロを走れば、とりあえず、荷物が受けとれる。
収容車がまわっていないこの大会は、荷物の回収も自己責任です。
とりにもどれなければ、後日、宅配便で送ってくれますが。

なので、なんとか80キロ地点までは、自力でたどりつきたい。
さいわい、まだ3時半をまわって、10分ほど。
はい、70キロエイドの停車時間は、10分間。

が、いきなり石ころゴロゴロのコースが、お出迎え。
うーん、もはや、この上を走ってはゆけませぬ。

 



もはやワラジで、この上を駆け抜ける気力はありません。

 



完全なるコースアウト、わたしは何処へゆく?

 



すっかり生活路になってるじゃん、ランナーの姿は皆無。

 



公園の中も、突っ切ってゆきます。道もなくなる。ここは何処?

 

東京絶景

 

多摩川沿いを、走るだけ。
なので、東京気分は、味わえません。

ところで、石ころコースは、もうアシ裏がネをあげています。
そして、コースはどこをとってもいいルールになっています。

そこで河原コースからはずれて、路地なかへ入ってみました。
住宅街
東京の町の中。
さすがに、ジャリ道はなくなります。
ところが、川に沿ってのストレートな道は、そうそうありません。

あっちに向かい、こっちに曲がり、ときに立ち往生
こりゃ、明らかに川から離れる一方じゃん。
そんなドタバタ劇をおりまぜながらの、帰り道中。

地名も、続々かわってゆきます。
折り返しからみても、昭島市、立川市、府中市、調布市、狛江市、世田谷区、そして大田区などでしょうか。

おもしろい発見もしました。
世田谷区に入ると、家のつくりが、ちがってくるのです。
庭にとまる自家用車が、やけに高級車ぞろいになっています。
外車も、ドーンとめだってきます。
そういうお国柄なのでしょうか。
単なる、印象ですが。

 



あとは、どれだけ楽しんですすめるか、です。

 

ゴールの気づかい

 

ヘロヘロになりながら、80キロ地点に、たどりつきました。
なつかしの、スタート地点でもあります。
アシ裏は、もはや限界です。

反対方向からもどってくるのは、完走ランナー
ま、まぶしい。

「80キロです、時間切れです、コウサンです」
ピッと、タイムの集計をして、申しでました。

「もう、走りませんか?」
予期せぬ質問を、受けました。
「ははは、すんごい制限時間切れですから」
「いや、いってもいいんですよ」
「いえ、もう走れません」

「じゃあ、ご苦労さん。それでは、80キロ完走としましょう」
「はい???」
「80キロの完走者に認定しますから、完走メダル完走タオルを受け取ってください」
「はい?????」
「じゃあ、あそこで」

おずおずと進むと、バスタオルと完走メダルを差し出されました。
「カアー」
ちびまるこちゃんが、おじいさんから、お小遣いをもらったときの顔になってます。

冷えた肩に、バスタオルがあたたかい。
それより、ひとの情けが、あたたかい。

 



さよなら、あんよを痛めてくれた道さん。

 



この狭い道をぬければ、80キロ地点だ。

 

まちがってます

 

河原のほとりで、ホカホカ気分にひたりながら、帰り支度
うれしさで、あたたかな涙が流れ落ちます。

すると突然の大粒の雨の襲来、ヒョウまでまざっています。
もー、どーにでもなれ。
さいわい、雨はすぐに通り過ぎてくれました。

それにしても、完走メダルをいただいちゃって、よろしかったんでしょうか。
後日、大会規約を読みなおしてみました。

「100キロ選手で、10時間以内に80キロに到達した場合、80キロ種目の完走者とする」
だめじゃん。

きちんと、書かれていました。
堂々たる、10時間オーバー。
しかしなぜか、後日、記録証も送られてきました。

80キロ完走、記録、11時間37分19秒。
ぜんぜん、該当してないじゃん。
どうしましょう、タオルは返送でしょうか。

でも、そういえば、当初の「決まり」が相当変わったと聞きました。
コースが、いろいろ寸断されていたりしていたからだと。

たとえば、70キロ地点の関門時間も、変更されていたな。
あとの変更点は、聞いていませんでした。
そういう一環かな。
ま、よいように解釈させていただきます。
(わたしの基本習性)

GPS時計での、おおまかな20キロごとの結果です。

20キロ  2:14:58
40キロ  2:33:38
60キロ  3:05:42
80キロ  3:43:01

まあ、関門アウト、というときは、こんなものです。
生きて生還できたからよし、とします。

 

 



関門アウト、ドシャ降り、すべてが終わって、日が暮れる。

 

たーさん
ヒタヒタと 身にしみるなり 関門の壁

 

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