謙信公にいどむ
どこまでマラソンレースをたのしむことができるか。
これはランナーのみの目線ではありません。
主催者スタッフ側もふくめて、巨大地球規模的観点からの懸案事項です。
そんな回答のひとつを見つけました。
それがこれ「越後謙信きき酒マラソン」です。
ここが、何をかなえてくれるのか。
わたくしの独断的解釈になりますが、結論からのべさせていただきます。
「欲望に忠実になれ」
いろいろと、抑えてゆかねば生きにくい世の中です。
世間体が大事。
ヒトの目線を意識せよ。
さもないと、わたしのような老人世代は「ボーソー老人」のレッテルが貼られます。
若いひとは、「イジメ」のターゲット。
いつの間にか、人間の根っこにはえている「欲望」は抹殺されたまま。
欲望に、ドンカンになっています。
これが「人生に疲れる」一因になっているのに。
今日は、オノレの欲望をさがし、みたすレース(苦笑)。
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トレイルレース前の、のびのびヨガ。さあ、くつろごう(景色が違和感?)
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曲芸ですか、人間のする格好じゃありませんけど。
主催者の欲望
まずは、主催者側の欲望です。
せっかく大会を開催してやんだから、レースを目一杯たのしめ。
コレです。
ですから、たのしむための企画が盛り沢山です。
しかし、です。
そういった親心を無視するヤカラがいるのも事実です。
そこで考えたのでしょう。
制限時間の設定です。
えっ、制限時間なんて、どの大会でもあるでしょ?
中身が、ちょっとちがうんです。
24キロのトレランレースです、一応は。
そして、ゴールラインは、スタートしてから「2時間」しないと開けてやらないよ。
そう、ゴール会場の開門制限時間です。
1時間半なんて短い時間でかえってきたって、入れてやらないから。
なんで、途中を、そんなにぶっ飛ばすのさ。
われわれのコース企画を、もっとちゃんと味わいなさい。
こういう制限時間をもうける大会を、わたくしはほかに知りません。
いちおう、終わりの時間の設定もあります、5時間です。
そのため「少しは走らないと、もどって来られません」という注意書きがあります。
ただし、じっさいには、5時間すぎてもいっこうに平気でした。
そもそも、ランナーに「計測タグ」は支給されません。
だって個人タイムは、はからない大会ですから。
トーゼン、順位なんて、ありません。
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いまも戦国時代だなあ。
ランナーの欲望
ランナーだって、欲望をもっていいじゃないか。
昨今の、都市型マラソンの「かた苦しさ」よ。
ボクは、今年はいくつかの抽選型の都市マラソンに申しこんでみました。
そして、なぜかみな「当選」通知がきました。
そこで、あらためて募集要項をみてみます。
ルール、ルール、ルール、ルールのオンパレード。
参加してみたいか?
いや、してみたくはないな、こういう世界は望まない。
なんて考えているうちにすべて、パスとなってしまいました。
だって、何のために走っているんでしょう。
楽しむためじゃないですか。
走る途中のゼイハア苦しさも、やがてたのしさにかわる。
この屈折した快感こそが、ランの醍醐味。
それだけで、十分です。
そして、もっとも根っこにある欲望のかたち。
それが「自分だけ、特別扱いしてほしい」。
この大会、かなえてくれます。
チャンピオン制度(17名限定)。
ここに入ると、レース前から、レース中、そして走りおえても、特別扱いしてもらえます。
さらに上にゆくのが、レジェンド制度(定員3名、今年は2名が応募)。
何から何まで、特別扱い。
この日は、お殿様か、お姫様か、という待遇です。
ホテル宿泊ならば、ホテルまで、専用車でお迎え、とか。
参加料は、前者が15,00円、後者は50,000円。
下々の一般ランナーは、7,000円。
そうさ、世の中は、「金」で欲望がかなうのさ。
あからさまな格差社会。
わたくしは初参戦ですし、おとなしく下々グループです。
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オヂサンの主張、越後バージョン。
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楽しんだモン勝ちです。
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きき酒のために、札幌からやって来ちゃったヒト。
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トレランのTPOをわきまえないヒト。
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きき酒の友、こーゆーセンセがいれば安全。
長い開会式
あやしそうな大会長からの、競技説明。
実際は「競技じゃないけど、競技説明します」とただし書き。
トレランだから、キホン自己責任。
ただしコースは入りくんでいるので、ショートカットはたくさんできます。
(じっさい、そういうランナーもいました)。
とはいえ、ショートカットしないで走れば、その先には素敵なエイドがまつ。
こういう、心にくい設計。
ついで、仮装コレクション。
ひとりひとり、トラックの荷台にのってのファッションショー。
わたくしは、ディズニーからやってきた白雪姫で参上。
今年の白雪姫シリーズのシメとなります。
ヒラヒラのスカートは、トレランにはあまり向かないのですが。
つづいて、長い長いヨガ。
うう、カラダボキボキで、ついてゆけない。
ヨガをするヒトは、ヘンタイだあ。
(個人的感想です)。
さて、いよいよランナーがスタートラインに結集してきました。
そこで、やおらアナウンスが流れます。
「みなのもの、真ん中を開けーい」
モーセの出エジプト記もこうであったか。
海が割れるように、群衆が左右に割れてゆきます。
すると、奥の特別席でくつろいでおられたレジェンド様2名の御成い。
先頭をきるのは、レジェンド様の権利です。
陸連関係者?関係ありません。
そして謙信公のホラ貝のもと、スタートが切っておとされました。
トレランとは思えぬ派手派手さ。
まずは、謙信公の山城、春日山城にわけ入ってゆきます。
あれあれ、本当に坂がある。
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さあさあ、スタートの気運が高まってきました、ちょっとだけ。
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ここで、モーセの海割りのごとく、ランナーが割れてゆきます。
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そして、特別席でくつろいでいらっしゃったレジェンド様の登場。
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スタートは、とうぜん特別ゼッケンのレジェンド様からゴーゴー。
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レースの緊張感ゼロ、がたのしい。
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レースなんですが、どうも高校文化祭の仮装行列の香りがぬぐえません。
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でも、いちおう、お山に分け入ってゆきます。
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謙信公のお城は、天然の城砦。
地形をいかす神の里
けわしい。
切り立った断崖。
まさに、自然のつくる天然の城壁。
これじゃあ、容易には攻めこめません。
のぼって、くだって、最初のエイドが待っています。
この大会、24キロのコース上に、8カ所ものエイドがお待ちしています。
地元なめこ農家さん協賛の、なめこ汁エイドです。
アツアツ。
きき酒マラソンだからって、最初からきき酒ではありません。
そして信仰の地、越後。
じつにたくさんの神社仏閣が鎮座しています。
それらの中を、あるいは横を、走り抜ける。
神社といったら「石の階段」。
神サマは、高いところがお好きなんでしょうか。
まだまだスタートしたばかり。
一応、走っています。
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はやくも第一エイドは、あつあつの、きのこ汁。
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神社の町、越後。
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まだまだゆるい石段。
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とりあえず、お祈りします。
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エイドだって、チャンピオン様、レジェンド様は、特別待遇。
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スカートじゃ、降りにくいんですけど。
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第三エイドは、妙高高原ビール提供の、モルト(そのまま食べられます)とビールの仕込み水。
オナカの中で発酵させれば、ビールとなります。
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春日山神社の石段は、なかなかワクワクだあ。
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やはり、神妙にお祈り。
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さて、いよいよ春日山城の本丸へ突入だああ。
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