チャレンジ富士五胡ウルトラマラソン(100k)2023、あと5分

めげない

 

ウルトラマラソンは、後半戦が醍醐味。
中間点をすぎて、スピードは落ちてきています。
体力は、正直です、ウソつかない。
でもまだ走っています。

河口湖をぬけると、西湖にのぼりあげる坂道が待っています。
そののぼり始めに、大きなエイドがあります。
かつては、自分の荷物もおけた場所。

いろんなたべものも、用意されています。
信玄餅でおなじみの、桔梗屋セットもお楽しみ。
ふーふーのぼりあげて、さて一休み。

うん?
広場の右手には、水分補給のコーナー。
左手には、テントが並んでいます。

ただしテント下の長テーブルは、きれいさっぱり。
スタッフの数もまばら。
残っているひとは、掃除中です。

「あれ、何もないんですか?」
「すいません、みんな売り切れです」

みごとにスッからカン。
これまでの小さなエイド以上に、何もなし

今年も、でした。
昨年もそうでした。
教訓というものが、まったく生かされていません。
参加者数が、わかっていないんでしょう。
ここ提供のメーカーのお土産はないな。

 



賑わいがあるはずのエイドも、なぜか涼しい風が。

 



テーブルは、スッからカンで、もうしまう勢いです。

 

吉田のうどんという味方

 

トボトボと、西湖をめざす坂道に出てゆきます。
もう、ここは水分補給場所、とだけの認識の方がいいかもね。
気落ちもあって、のぼりあげるまで歩き。

トンネルをくぐって、ふたたび気をとりなおして走りだします。
西湖の北岸は、コース上でいちばん路面がザラザラです。
ですが、きょうはゴム性ワラーチなので大丈夫です。
ワラジのときは、けっこう痛かった。

長い西湖畔をトボトボと走り、ひとのぼりして小広場。
そこに待つのは、吉田うどんエイドとして有名場所です。

ああ、はじめてエイドで、オナカにたまるものに出会いました。
しんみりと、極太のメンをすすります。
しょっぱい汁まで、ぜんぶおいしい。
ここだけは、裏切らないでいてくれる。

オレンジもありました。
さっぱりします。

ウルトラでは、後半戦になればなるほど、オナカも疲労します。
たべものを受け付けにくくなります。
ですから、早めにこういうエイドがあればなあ。

といっても、くつろいでいる余裕はありません。
ふたたび、ゆるゆると足を運びます。
これからは、樹海のわきを通りぬけてゆきます。



西湖は裏切らない、だけど、しんどい。

 



西湖からの富士山をながめながら、ひたすらすすみます。

 



うって変わって、吉田のうどんエイドのにぎわい、ここは変わりません。

 



しみじみと生き返ってくる空間です。

 



今回は、タヌキうどん風にして、いただきました。おいしい。

 



暑さに耐えきれずに、ついにかぶり水コーナーも出現しています。

 



こんな樹海の真横を走りぬけてゆける快感。

 

にもかかわらずの、あたたかさ

 

なんとか精進湖までたどりつきました。
いつもここは、風の谷間です。
まわりをかこむ山から、風が落ちてくる。

ところが、この日は風がありませんでした。
強い日ざしがさしこんでくるだけ。

もう、とにかくタンタンとゆくだけです。
ペースとか、考えられません。
歩かない」のみ。

旧精進湖小学校エイドに入ると、いよいよ帰路になります。
少しだけ、ほっとする気分。
あと30キロあまり。
ですが、のぼり道がたくさんひかえています。

ほとんど無心で走ります。
ときおり意識にのぼることは、2つ。

歩幅は、せまくせまく。
肩甲骨は、背中から開放。

脚をもち上げる負担。
重い肩から腕。
この2つの負荷から解放してゆく工夫です。

帰路の吉田うどんエイド。
ここは水だけいただいて通過です。
オナカも疲労困憊です。

のぼり以外は歩かない
そう誓っていますが、はたして走れているのか。
はたから見れば、歩くのより遅いペースです。
自分のカラダの状態も、痛いんだか、疲れているんだか、もうわかりません。
ブザマです。

にもかかわらず、コース上に立つひとからの声がけがうれしい。
ナイスラン
ぜんぜんナイスじゃないのは、わかっています。
ですが、その声がけがココロに染み込みます。
まだ、あきらめない。



精進湖に入ってきました、きょうは真正面からの風がない。

 



精進湖からのぞむ富士山もしんみりいいもんです。

 



帰路にはじまる坂道第一弾。ここでへこたれるか。

 



もう走っているんだか、歩いているんだかのペースです。

 

耐え難きを

 

わたくしの場合、どうしても制限時間ギリギリの攻防から抜け出せません。
富士五胡の場合、朝5時から夕7時までがレース認定時間。
単純にみても、1日3食分がレース中です。

それをみこして、ウルトラエイドは、たべものの提供もあります。
ここも、おにぎりエイドが複数。
イチゴエイドも。
地域の特産品エイドも。
パンフレットを見るかぎり、決して貧相ではありません。

ところが、です。
わたくしの通過時。
それらは、すべて消えていました。
おにぎりには、一度も出会えず。
イチゴなんて、あったんだ。
特産品て、なーに?

よく見かけたのは、「ピーナッツ袋」。
ピーナッツと柿の種の詰め合わせです。
ただウルトラの最中に、コレ、たべられますか?
オナカだって疲れてくるんです。
これには、一度も手がのびませんでした。

結局レース中、吉田のうどん以外、ほとんどオナカにたまるものに会えませんでした。
最後尾組ランナーに、この大会は冷たい。
参加ランナーの数を把握しようとしない。
これは、最近、つよく感じることです。

対応策は、自分で用意してゆくのみです。
そして、いざとなったら、コンビニに駆け込む。
コンビニ作戦は、河口湖町だけで可能ですけど。

このレース持参の主食料は2種類を用意しました。
飛脚玉(ミソ、梅酢、蜂蜜、ニガリをまぜたもの)。
今回、ミソは硬めの八丁味噌で、ラップで丸めてみました。

そしてチューブ形式の蜂蜜
ミツバチハッチになった気分でチューチュー。
両者が、わたくしを救ってくれました。

そしてエイドでいただく水分は、8割方が「」でした。
ポカリやコカコーラには、なかなか手がのびない。
ずいぶんと枯れてきたなあ、と自分でも思います。



秘伝、自家製「飛脚玉」。となりの七味は、大きさの比較のためにいれました。

 



命綱ともなってくれた蜂蜜です。これを持っていてよかった。

 

あと5分

 

西湖の南岸。
そして河口湖の南岸。
もう景色は、はんぶん目に入ってきません。

気になるのは、日の傾き方とのこり時間です。
少しずつ、夕やみがせまってきます。

腹をくくるのは、95キロからの3キロつづくのぼり坂です。
ちょっと走って、歩く。
またちょっと走って、歩く。
そしていよいよ歩きづくめ。

明るいうちにゴールしたい。
今回も、その願いはかなわず、闇がおおってきます。
背中のバッグにライトは入れてありますが、もうとり出す気力もない。
暗くなった足もとを気づかいながら1歩1歩。

いよいよゴール会場の灯が確認できるようになりました。
アナウンスの声も聞こえます。
ゴールに入るランナーの名を読みあげています。

最後の力。
「制限時間まで、あと5分を切ってきました」
そういうアナウンスを聞きながら、スタジアムに足を運び入れます。
ああ、なんとかゴールしました。
100キロの先に見ることのできるゴールは、格別です。
もう、タイムは問いません。
13時間55分29秒。
12万6858歩の軌跡。

同じ距離を10回目の参加で、10回目の完走。
そのなかでも、いちばん危なくなってきています。
もう、あとはない。

今回、100キロの部を走ったランナーは、1,755名でした。
そのうち、完走者は1,143名。
完走率は、65,1%だったとのことです。

この大会は、10キロごとのタイムを測定してくれます。
お恥ずかしいですが、わたくしのタイムです。
見事なジリ貧。

10キロ 1:08:28
20キロ 1:08:14
30キロ 1:07:12
40キロ 1:09:50
50キロ 1:17:32
60キロ 1:28:50
70キロ 1:28:44
80キロ 1:31:01
90キロ 1:33:43
100キロ 1:51:55

途中のどこかで、もうちょっと歩いていたら、間に合いませんでした。
歩かない」という重さよ。

最後にひとつ、大会開催者にお願いがあります。
ゴール後、完走メダルをいただきましたが、ソレだけです。
飲み物も、タオルもなくなりました。

遅組は、カラダ冷え冷え状態でもどってきます。
気温も、グンと下がる時間帯です。
そしてゴール場所から荷物置き場までの距離はかなりあります。

健康上の理由からも、タオルの復活は検討していただきたいです。
低体温症は、思う以上にアブない状態です。

 



長い、長い西湖南岸は、もうガマンの道筋。

 



いよいよ眼下に河口湖の登場となりました。

 



河口湖町の街中を、富士山めがけてのぼります。

 



あと5キロ、これから3キロつづく正念場の坂道のはじまり。

 



すっかり夕闇がおおってきてしまいました。

 



そしていよいよ光の先に、ゴールのスタジアムが見えてきました。

 



ついにゴールラインへ。明るかったら、その先に富士山がドどーんと見えるんですが。

 



ゴールラインを超えた幸せ感は、言葉にならない。

 

たーさん
あと5分 休んでいたら アウトなり

 

↓ よろしければ、清き1票をお願いします(1日ワンクリック有効)
にほんブログ村 その他スポーツブログ マラソンへ