10回目の節目
チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン(100k)、連続出場10回目です。
よく、つづきました。
いただいた完走メダルも、9個となりました。
はい、これまで何とか走りきってきました。
コロナ中断が2年あるので、12年の歳月です。
初めてのウルトラ(100k)挑戦が、この大会でした。
富士山のふもとの大会かあ。
河口湖なら、なじみもある。
富士急ハイランドは、こわくて入ったことはありませんが。
車でも、なんとかゆける(片道180k)。
フルマラソンに挑戦して、数年がたっていました。
ただし、フル以上の距離を走ったことはありません。
おそるおそるの初挑戦。
ヘロヘロになりながら、13時間33分でゴール。
(制限時間は14時間)
おもえば、最初から制限時間とのタタカイであったなあ。
それから12年の歳月が流れたということです。
わたくしの場合、正真正銘の「老化」の12年です。
50代から60代も半ばへの変化というのは、思った以上にシビアです。
30代から40代への変化、なんてもんじゃない。
富士五湖では、後半、もどってくるランナーと対面交通する区間があります。
早々と帰路をかけめざすランナーたちの、力強さよ。
まさに輝かしい走り。
わたくしと次元がまったくちがいます。
躍動しています。
そんななか、なんとか10回目の挑戦です。
エラいんだか、おバカなんだか。
たぶん、後者でしょう。
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まさに富士山をめざしてゆくんだぞ、という気持ちをおこさせる大会です。
いざスタート
天気予報は、かんばしくありませんでした。
前日に現地入りしましたが、終日の雨模様。
つめたい雨です。
たぶん、レース前半は雨かな。
昨年はレース中ふりつづくお天気で、一度も富士山をおがめませんでした。
そしてレース当日の朝。
ホテルの前の路面は、街灯が反射して光っています。
ところが、雨はあがっています。
空を見上げると、星もいくつか確認できます。
午前3時すぎ。
今回100キロコースには、2,000名弱の参加があったそうです。
たくさんなので、4時半、4時45分、5時の3チームの時差スタートです。
もちろん、わたくしは最終組。
しかし、途中関門時間が3組とも同じ時間、といのは何だか解せないなあ。
はやいランナーにやさしい大会。
レインコートは、念のためザックにしのばせてあります。
この大会は、途中で自分の荷物を受けとる場所は用意されていません。
必要なものは、最初からもって走る。
さあ、午前5時、スタートです。
夜も明けてきて、足もとはしっかり見えます。
最初はコースもせまく、ランナーの流れにのるだけ。
にしても、みなさん、はやいです。
あきらかに、昔よりはやい。
それだけ実力者が増えている、ということでしょうか。
といって、最初の飛び出しが、どう響いてくるでしょうか。
まだまだ、先は長い。
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午前5時、いよいよレースの幕はおとされました。
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路面はまだ濡れていますが、雨はあがって、明るくなっています。
ごほうび
最初は、山中湖をめざして東へ向かいます。
しばらくはせまい歩道が延々とつづきます。
10キロほどで、空間がひろがりはじめます。
山中湖がひらけてきました。
湖面のむこうから、太陽光線がさしこんでいます。
キラキラキラキラ、まばゆいばかりです。
もう、それだけで感動。
道路上に、気温計が設置されています。
たぶん、冬季の凍結注意の喚起目的なんでしょう。
それが早朝にもかかわらず、15℃をしめしています。
これまでの最高値。
かつては、0℃なんてときもありました。
どしゃぶりのミゾレのときです。
もしかして、きょうは暑くなるかも。
山中湖の一周旅は、前半は富士山を背にすすみます。
そのつきあたりがコース上の最大の関門、とみなす第一関門です。
なかなかシビアーな時間設定になっています。
しかも、はやすぎる関門です。
まだ17,5キロなんですよ。
ここをなんとか制限時間20分前に通過。
そしてコースはグルリとめぐり、富士山をめざす方向をとってゆきます。
富士山にむけて進路をとれ。
うわあ。
大きな湖面。
そのむこうに、朝日をあびる霊宝富士。
パンパン、おもわず手をあわせちゃいます。
もう、この景色を見られたら悔いはない。
なんてことはありません。
桜の花もさくロードの下を、たんたんと走りぬけます。
まだまだ。
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山中湖いうたら、アヒルさんでしょ、という固定観念が。
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今年は、どど〜んと霊峰富士が全貌をあらわしてきました。
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富士山に桜がマッチして、もういうことありません。
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山中湖を1周して、さて次は忍野八海をめざします。
のぼり、くだり
山中湖をすぎれば、いざ忍野八海へ。
そしてじつは、そこまで基本「くだり」コースです。
くだって、くだって、とわたくしの人生模様のような設定。
しかし忍野八海をこえれば、くだったぶんの「のぼり」がまっています。
前半戦、つまりまだ体力があるうちののぼり戦略。
けっして「歩かない」。
ゆっくり、ゆっくりでいいから、ひたすら走る。
歩いているランナーに抜かれてもいいから、走る。
リズムと気持ちの問題ですね。
とくに、気持ち。
そして、おもしろい現象。
のぼり道の、ゆっくりランなので、スピードはない。
まわりは、同じレベルのランナーさんたちです。
ですが、少しずつ、抜かしてゆく。
これが反対に、くだりとなるとどうなるか。
まわりのランナーは、バンバンと激坂をかけおりてゆく。
わたくしは、くだりもユルユル。
どんどん抜かされてゆきます。
今回は、あし元は、ゴム製ワラーチです。
たぶん、ワラーチの特性もあるのいかもしれません。
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まだ静かな水の里、道路もすっかり乾いてきました。
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さあ、しばらくはのぼりを味わってゆきます。
ここまでは
長い激坂の途中、42キロ地点をこえます。
そして坂がおえると、河口湖町に入ってゆきます。
広い道路と歩道。
ゆるりとくだる傾斜。
背中からは、さしこんでくる太陽光線。
足もとにうつる自分の影が濃い。
暑くなっています。
河口湖が視界にはいってくると、河口湖大橋がまっています。
ここをわたれば、河口湖北岸。
湖面がキラキラ、その先の富士山もキラキラ。
桜の花も風にのって、キラキラ。
キラキラしてないのは、バテはじめたわたくしだけです。
湖畔沿いを走れるのは、うれしいです。
いちばんの理由は、坂じゃないから。
疲れてくると、坂が壁にみえてきます。
河口湖畔沿いを、たんたんと走ります。
ついに50キロ地点に到達しました。
時計を見ると、ちょうど6時間が経過しています。
あと半分。
なんていう甘い展開を、人生は決して許しません。
これから本格的な坂がまちかまえています。
精も根も尽きはててからが、ウルトラの地獄の醍醐味。
なんて因果な遊びなんでしょう。
さあ、がーんとつき合ってゆきますよ。
(つづく)
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河口湖町役場前のエイドは、たくさんのくつろぐランナーが。
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河口湖大橋を振り返れば、富士山が見守っていてくれています。
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はなやかな歩道を、だんだん華やかさが消えつつあるランナーたちが走ります。
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河口湖から見上げる富士も、ほっとなごませてくれます。
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