飛脚走りで、2018ぐんまマラソン フル

地方競馬場ですか

 

11月3日、文化の日、ぐんまマラソン会場です。
「群馬」です。
ウマ、ウマ、ウマ、馬が、群れる。

文字通り、巨大な「ぐんまちゃん」をはじめ、ぐんまちゃん着ぐるみ、ぐんまちゃん被りもの多数が、パドック内をパッカパッカと闊歩しています。

天気は良好。
良馬場で、絶好のコンディション」です。

そのため、おおきな波乱は、おこらないでしょう。
大穴は、期待薄です。
オッズ通りの結果が予想されます。

午前9時、知事のピストルの合図で、まずはサラブレット級の陸連「馬番」をつけた本命わくの一団がダート内をいっせいにスタート。
そのあとを、馬齢さまざまな脚質馬が、大駆け、出負けみごとにバラバラとつづいてゆきます。
あわよくば、大穴、万馬券の願いを胸に。

いえ、すみません。
走り出したのは、みな「人間」です。
今日は、ダービーではありません、マラソン大会です。
またまた、出だしから、すべりまくりです。


 

出あし好調

 

ぐんまマラソンの特徴のひとつは、バツグンのスタート環境があります。
道は広い、基本下り基調、心やわらぐ紅葉の景色、川辺の静けさ。

スタートダッシュを狙いたければ、ジャマするものはありません。
9キロ過ぎまでは、思いっきり、つっ走ってゆけます。

コースは、前橋・高崎市内の広範囲を、反時計回りにグルリと一周するという豪華設定。
次々に切りかわる景色は、目には豪華ですが、多くの交通規制でご迷惑もおかけします。

しかも、給水所は多すぎないか、と心配したくなるほどの、コース上23ヶ所の設定。
平均2キロもゆかないうちに、次の給水所です。
最短700メートルで、次の給水所って、 JR山手線の駅並みの近さです。

加速する前に、もう次の給水所ということで、なかなかスピードにはのれません(ウソです、これは実力のなせるもの)。

くわえて、給水所は観光物産展ですか、といわんばかりのぐんまマラソン道の駅化していて、かりんとうまんじゅう、よもぎまんじゅう、ラスク、せんべい、プチ大福、からあげ、つけものまで、リュックを背負ってゴッソリ集めてまわりたい、と思わせるようなごうか接待がつづきます。
トマトジュースコーナーでは、ランニング中のトマトジュースって塩味もきいていけるね、と再認識させていただきました。

だけでなく、音楽隊、吹奏楽部、和太鼓、ダンス、チア、ハワイアン、よさこい、八木節(群馬民謡)、バトントワリング、天女羽衣隊と42,195キロの中に、これでもかという応援団にふれてゆくことができます。
なかには、走っているわたしたちより体力使ってんじゃねえの、と心配したくなるような大演舞。
これで力が出ない、といったらウソになります。


 

人生はマラソンだ

 

しばしばマラソンにたとえられる人生。
それは、実際にマラソンを走ってみればわかります、ねえ増田明美さん。

レースのすべてに、順風満帆なんてことはありえない。

山があれば、谷もある。
楽あれば、苦もある。

前半は下り基調、おい風コースのぐんまマラソンの真価は、太陽が頭上にさしかかる後半、とくに30キロをこえるとジワリと馬脚をあらわしてきます。

少しずつ、コースがのぼりになりはじめます。
広い直線コースが、走った感を弱めてゆきます。
風のある日は、真っ向から空っ風を受けるようになります(今回は静かでしたが)。

くわえて、個人的には31キロ地点で、いきなり止められ「これより2分間の遮断です」と唐突に宣言されました。
車を通すためでしたが、車がなくなっても「2分間は止めます」という融通のきかない答弁に「国会中継かここは」と周囲一同がどよめきます。

空気を読んで、とは申しませんが、流れくらいはみて機転をきかせていただきたい場面です。
自分で休んだ10分より、強制的に止められた2分間のほうが、長くかんじるものです。

単調になった(ようにみえる)広い直線路を、ひたすら北に向かいます。
ありがたいのは、沿道からの声援です。
「ナイスラン、がんばって」
ナイスじゃないのはわかっていますが、お気持ち、心に染みわたってきます。

 

マラソンは、力つきてからだ

 

魔の36キロ地点。
本当は、マイナス思考を生む負の命名法はしたくないのですが、どうしても思わずにはいられません。

広い幹線道路が、一変して、利根川沿いのせまいサイクリングロードに切りかわります。
河川沿いを走るこのコースは、大きな橋の下をくぐり抜けてゆきます。
そのため、その都度、コブをすべるスキーのようなデコボコにつきあわねばならなくなります。
ダダダダダッと駆けおりると、ヨボヨボヨボと結構な傾斜ののぼり道。

カ、カラダがついてゆかない。
さすがに、アシが張ってきます。
まわりのランナーも、一斉にスピードが落ちてゆきます。
わたしとて、例外じゃありません。

せめて足拍数(ピッチ)だけでも保ちたい、と考えると、一歩が数十センチのピヨピヨ走り。
駄馬から、ピヨ子に変身の一場面です。
ああ、飛脚走りが。

ヒヨコのまま中央大橋をわたると、再び下って群馬県庁前を折りかえし、いよいよ40キロ地点にかかります。
あとは、利根川沿いを、ゴールに向かうだけです。
だけですが、だけではすまないのがマラソンです。

ここからは「あきらめない」という意志だけがカラダを引っ張ります。
がんばれ、意志アタマ!
理屈はいりませんし、通用しません。
止まるな、歩くな、笑え。

そしてついに正田醤油スタジアム群馬内にひかれたゴールラインに到着。
なんだか、急にチカラが復活してきたみたいで、手をあげてゴール。
3時間57分。

首にガラス製のぐんまちゃんメダルをかけていただき、ニヤニヤ。
いくつになっても、完走メダルって、お年玉みたいにうれしい。


ゴール会場は、ご当地ゆるキャラも勢ぞろいしてのお出迎え

 

巨大な笑い声のこだまする会場

 

メイン会場のスタジアム周辺は、さんさんと輝く陽に照らされて、なにもかもが光っています。
ああ、まぶしい。
やれやれ、いよいよ白内障が入ってきたかな。

フル、10キロ、ベビーカーやちびっ子もいっしょのリバーサイドジョギングあわせて16,000名ほどのランナーが集結しているのです。
くわえて、応援や家族同伴の方々も大勢いらっしゃいます。
いま、ここに、群馬県人口の100分の1が集まっている計算です。

会場周辺は、松をはじめとした木立がかこんでいます。
その合間に、たくさんの飲食ブースが立ちならんでいます。
定番ものから、ご当地ものまで、もう、迷うほどの盛りだくさんメニュー。
わいわい、がやがや、ちびっ子からお年よりまで、みんなニコニコ舌づつみをうっています。

ランナーへの無料サービス、ぐんまの郷土料理「おっきりこみ」コーナーには、とんでもなく長い行列ができています。

あらためて会場を散策すると、ぐんまちゃん帽が、ここかしこにパカパカ歩いています。
地方競馬場は、元気です。


 


今日もワラジのお世話になりました。

 

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