飛脚走りと赤城の山

赤城の森トレイルラン 2018年8月19日(30キロ)

2番でした。

いやあ。
こういうこともあるんですね。実力ですか。

標高1000メートル前後の比較的なだらかな林道が主体のトレイルコース
湿度もひくく、やわらかな土壌のルートがアナタをお待ちしています。

うーん、待っているなら是非ゆこう、ゆきたい。
記録ずくめの猛暑の夏をぬけ出して、ついふらふらと8月真夏のレースを申しこんじゃいました。

関越道昭和インターをおりて、赤城山北面の裾野を走ってすぐ先に、本日のスタート・ゴール会場である横浜市少年自然の家「赤城林間学園」はありました。
あっけなく着きすぎる。時間は、まだ午前6時をまわったばかり。

草むらの、サッカーもできる広い臨時駐車場についたとき、先客は1台のみ。
1番目で入っていた千葉からのおじさんランナーと、しばしのオヤジ談義をしていても、なかなか3台目がみえない。
みんなゆっくりなんだ。

そうです、2番というのは、駐車場に入った順番でした。実際のレースじゃ絶対にありえない着順です。
天気は秋先取りの快晴、のちに薄曇り。カラッとさわやか。
絶好のコンディション。どうだ、まいったか。


一斉スタート、先頭集団は走っています(写真Kfctriathlon)

トンボ降臨

山の傾斜をうまく使って、おおきな宿泊施設、体育館、バーベキュー広場などが巧みに配置された赤城林間学園。
名前のとおり、林間学校利用もされているという雰囲気は、学生時代を思い出させます。
夏のキャンプファイヤー。好きじゃなかったけれど。

そこの体育館前の広場が、今回の大会会場。
すでに焼肉のいい香りがただよっていて、山の中なのにふつうの大会と遜色はありません。

ここから南方へ登り続ければ赤城山にいたる、らしいのですが、今日のレースは、その前にそびえる標高1136mの大峯山中腹の林道15キロをグルリとする周回コースで、一周15キロ組と、戻って逆走もう一周の30キロ組があります。
わたしは30キロ組を申しこみました。

午前9時半の出発にあわせ、徐々にランナーも集まってきます。

林道の中に2ヶ所の給水所はもうけていただいていますが、その他には人家、コンビニ、自販機など一切ないので、加えて山道であることから「水の携帯」と「手袋の着用」が義務付けられています。

夏に手袋、といわれてもカッコいい山用手袋など持っていませんから、わたしは冬用の100円ショップで買ったアッタカ手袋です。

ふだんは静かな草むらに大勢の人がめずらしいのか、会場の空にはたくさんのトンボが見学にきて、舞っています。
手をあげると、そっととまってくれました。

おし、今日はいいことがあるぞ。
はい、すべていいように解釈してしまう楽天的思考。


手の上の秋

登っても、くだっても山

スタートの合図とともに、一周、二週組あわせて約600名のランナーが同時に林道に突入してゆきます。

そうです、コースの多くが林道です。
小型ジープなら走れる道です。
ほどほど整地され、ジャリまで敷きつめられています。
林道、山道、ということで、今回わたしは「地下タビ」で参加しましたが、のちのち、この鋭利な砕石ジャリに苦しめられるとは思いもしませんでした。

2キロ弱は、とにかく登る。
といっても、ふだんわたしが走っている近所の山よりはゆるやか。

コースの大半は木立に囲まれているので、時おりさす木漏れ日をあびながら、カラリとした空気が肌に心地よい。
避暑地だなあ。

しかも山道といっても、すでに大勢のランナーが先をいっています。
クモの巣にからんだり、ヘビに出会ったり、がないぶん、いつもよりノンキに進めます。

5キロ地点の給水所、さらに登りつめて10キロ手前の第二給水所。
なんとそこには、まっ赤なスイカが並べられていました。
しかも、ちゃんと冷えています。

シャリシャリ甘い。
「ここから下りに入りますよ」
はげまされるコトバも甘い。

 


よく冷えた甘〜いスイカ(写真Ffctriathlon)

明るい南面

コースのほとんどは木立の中で、視界はそんなに開けてきません。
それでも山の南方に入ると明るさが増してゆくのがわかります。
林がきれると、遠景もみわたせる場所があらわれてきます。
ああ、気持ちいい。足が止まって、しばし風景に魅了されます。

コースは車は入れない山道になり、急な下りになってゆきます。
ピョンピョンと飛びおりるように走りぬける。
いえ、ガクガクと危なっかしく膝を折って進む。

やがて林道のジャリ道がつづくようになると、スタート地点に到着。
ここで、Uターンをして、逆まわりとなります。

レレレ。
公称、一周15キロの周回コース。
でも、GPS腕時計、どうみたって13キロちょいです。

いえ、コースをズルしたわけじゃあ、ありません、多分。
本当は、こんなモンらしいです。
アバウトですねえ。
うん、でもいいじゃないですか。

わたくし、アバウト、好きです。
アバウトな人生、歩んでいます。

今までくだってきたところが、登りになってゆきます。
コースの向きが反対になっただけで、場所は変わっていません。
それなのに、見える世界がパッとかわってみえます。不思議です。

Uターンコースなので、道中は次々とランナーと出会います。
互いに、声をかけあいます。
「ガンバ」「ファイト」「ナイスラン」
登山と同じですね。元気もらえます。

 


後ろ向きのランナーは、もう戻っている速い人たち(笑)(写真KFCtriathlon)

山の中の人工

 

20キロをこえたあたりから、足のウラ、とくに左足に違和感が出現してきました。
砕石の上を駆けてきたので、足ウラの痛み感です。

こういうのは、はじめてです。

地下タビで100キロマラソンを走ったときも、地下タビで富士山を登ったときにもなかった感覚です。
車のための人工砕石は、林道の維持には有用なんでしょうが、自然児のわたしには相性が悪いようです。
飛脚も経験のない路面、なんちゃって。

砂地の道だと大丈夫。
スピード落とせば大丈夫。

まあ、ゆっくりゆこう。
いや、そもそも、最初からゆっくりでした。

ゴール会場では、自分の名前を呼んでもらって到着。
3時間38分。

驚いたことに、男女別順位は205番でしたが、年代別順位は18位。
こういうところに、中高年はあまりこないのかな。
多分、18人くらいしか同年代世代は走らなかったのでしょう。

すぐに記録証をいただくと、その先の「かき氷」コーナーへ。
なんと無料
赤と緑のシロップは、かけ放題。
わたしは、欲張って両方の二色盛り。
シャリシャリ、ああ火照ったカラダに染みわたります。
キーーン。アイスクリーム頭痛

汗はかきましたが、かき氷をいただく間に風が冷たく感じてきます。
はやく車内で着替えよう。
うーん、避暑地だなあ。
参加賞でいただいたトウモロコシも、はじけるようなツブツブ感がとってもおいしかったです。

家庭的雰囲気バツグンの、ステキな大会でした。

 


走ったあとにおいしい氷(写真Kfctriathlon)

 

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