新たな一歩へ
コロナ騒動が席巻する中、次々と中止になるマラソン大会。
その中で、再開のノロシをあげる大会は、なかなかみられません。
そういう流れの中で、工夫と情熱で開催にむかう大会の関係者には、アタマが下がります。
赤城の森トレイルラン大会も、そのひとつ。
まず一歩。
医療にも100%はないのですから、こういう一歩が、ほかの大会にも芽ばえて欲しいものです。
失敗したら、そこから、また立ちあがればいいんですから。
そういうものじゃ、ないのですかね。
駐車場入り口では、まず車の中から体温チェック。
レース会場内では、サーモカメラと再度の体温チェック。
問題がなければ、そのまま手洗いに直行。
もちろん、その前に、各自の健康管理が前提です。
不安ならば、出場しない。
各自が協力しあって、運営がなされるわけです。
さすがに、そのあと滝に打たれて、ココロも清めてから、という工程は入っていません。
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会場に入るためには、まずはこのミッションを通り越さねばなりませぬ。
相変わらずの、出鼻
今回は、30キロのトレイルランニング。
そのため、出場者は「水分」と「手ぶくろ」の携帯が義務づけられています。
水分ね。
ムフフ。
リュックに入れたハイドレーションパックシステム。
これで万全だよ。
なにしろ、走りながら、チューブを使って水をチューチュー吸えるのですから。
車の中で、ハイドレーションパックに水を注ぎはじめました。
500mlくらい入れて、フト考える。
あれ、このあと、上をしめるストッパーが必要だったはず。
おおきな水の注ぎ口を最後に密閉して、リュックにタテ型に収納させるためのストッパー。
ああ、そういうのがありました。
しかし、です。
いま、この車の中には、ない。
用意した覚えもありません。
自宅のドコカに、眠っているはず。
上をしめなくても、使えないものかな。
どうも無理のようです。
フタのないヤカン以上に、無理です。
で、急遽予定を変更。
リュックの中には、2リットルのペットボトルをそのまま入れてゆこう。
そうなると、いちいちリュックをおろして荷の出し入れとなりますが、その手間がナンボのもんじゃい。
走りながらのチューチューには未練が残りましたが、相変わらずの出鼻です。
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用意したのに使えなかったハイドレーションパック。結局、ペットボトルを背負うことに。
スイスイ
スタートは、9時半から10時までの間の自由選択。
ずいぶんと、鷹揚です。
それでも人情からすれば、早い方が気持ちいい。
じっさい、会場には9時前から走れる格好のランナーが集結してきています。
うーん、じゃあスタート10分後くらいがいいかな。
数百メートルくだった先にある駐車場にもどって、少しのんびり。
そして再度モチベーションをあげて、9時半すぎに再登場。
チラホラとランナーが残っているだけの、サッパリした光景。
あとは、適当にスタートラインをふめばレースが始まります。
これは、おもしろい。
スタートすると、すぐに開けた直線の林道に入ります。
前方には、数人のランナーが視界に入るだけ。
うしろを振り返ると、だれも続いてこない。
まったくの自分ペースで、レースが始まりました。
楽です。
楽なんですが、プレッシャーなさすぎ。
これでは、ひとつのレース効力が発揮できません。
それは「見栄力」です。
すぐに始まるのぼり坂を、ハッハッと歩かずにスタートダッシュを続ける。
その力は、多分にまわりのランナーにイイカッコを見せるため、というのもあります。
ひとりだけ、早々と歩いているのはカッコ悪い。
あるいは、まわりの流れに乗るともいう。
ひとりじゃなあ。
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今回は、前面をヒモでしばれる、おニューの「スポーツジョグ」丸五製という地下タビで出走。
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この速そうなお兄さんたちが出発したら、スタートとしよう。
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スタートから、この密度です。道に迷いそうで、逆に不安感もでてきそう。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2020/08/P1050515-1024x768.jpg)
ランナーの姿をみると、ホッとします。
アクシデント
3キロほどでしょうか。
のぼった先が急にひらけて、明るくなる空間があります。
その先に、人の集団。
何か、おおきな声が聞こえてきます。
えっ、こんなところで応援団?
いえ、いえ、近づくにつれて声が聞き取れるようになりました。
「ハチに気をつけてください」
最初のランナー集団の足音で、どこかのハチがビックリして攻撃した模様です。
かなりのランナーが、ハチに刺されたようすです。
痛々しそうな表情の方もみられます。
ハチに刺されたら、まずは針の残存のチェックです。
カギ構造があって、折れた針の先が残っていることもあるからです。
もっとも、カギがあるのはミツバチだけですが。
なければ、次のステップ。
ハチの毒素は、2つにわけて考えられています。
ひとつは「刺された」ことでスタートする即時型とよばれるアレルギー反応。
このひどいのが、アナフィラキシーですね。
もうひとつが「毒素成分」であるヒスタミン、セロトニン、プロテアーゼなどが入ったことによるジリジリ痛みを生じる反応。
とりあえず、現場での救急対応は、アナフィラキシー対策。
でるとしたら、刺されてから数分から1時間以内がふつうです。
(まれに、6時間以内にでる遅延型アナフィラキシーもありますけど)。
どうやら、そういう風のランナーは見られません。
でも、刺し口を見せてもらうと、けっこう腫れています。
足が多い。
痛い、痛いと。
ぼくも、おもに野良仕事で何度もアシナガバチに刺されているので、わかります。
ここのハチの種類は、わかりません。
このあとのレースの復帰は、自分で決めていただくことです。
少し滞在したあと、ぼくはレースにもどりました。
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痛々しいハチ事件現場をふり返る。他にもまだ、ぼくの後ろ側にランナーがいます。
コースの変化
山などの自然は、できるだけ人の手を加えずに。
そーしてゆくと、荒れてゆくのが里山です。
ひととの共存が、この国の文化です。
痛めつけるのは論外ですが。
コース上の山道も、整備される区間が増えているようです。
明らかに、人の手が入っています。
そのぶん、走りやすさが、昨年よりは増しています。
今日は、調子いい。
いえ、のぼり坂は、相変わらず息が苦しくなります。
でも曇天模様がもたらす気温の涼しさが、明らかに猛暑とちがってきています。
このあと午後の天気予報は、雨にカミナリになっていますが。
前半の3分の2ほどで、早々と対面のランナー出現。
行って戻る往復コースですから、Uターン組です。
早すぎます。
こんな時期だから、声を出すのもはばかれる雰囲気があります。
でも、ニコッと笑って「ナイスラン」というと、相手もニコッ。
そうそう、声を掛けあったって、いいじゃん。
なんとかグルリと1周してスタート地点にもどりました。
ここからUターンして、もう1周。
いける、いけるって。
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スタート地点に降りて半分。さてとUターンにします。
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赤城から ふつうに走れる 日を願う
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