道はひらける?
「道」はある。
みつけようとすれば。
もちろん、整備された道を通っていれば、そういう不安はいりません。
安心して、通れます。
ただ、ときに「道」がみえなくなってしまうことって、ありませんか。
本当に、道がないのか。
むかしはあったのに、通るヒトがいなくなって、わからなくなってしまったからなのか。
じつは、そういう道が、いがいに少なくありません。
わたくし、そういう道をさがすのが好きです。
新しく、きり開くというわけじゃありません。
そんな才覚はないです。
サラシとハカマとワラジですすむ道。
かつては、ふつうに通っていたはず。
ぐんまマラソンで、それをみつけたい。
国道17号に出てきました、空は快晴。
そう、ここはニューイヤー駅伝のコース。その3倍くらいのスピードでゆく?
グンマーといえば、八木節でしょ、というのが個人的意見。
感覚の変化
サラシ。
ハカマ。
この2つが、走りの感覚を、かえてきています。
走りにくい。
といって、これは「走らせない」力ではありません。
サラシとハカマの動きが、まだできていないから。
わたくしの、楽観的考察です。
はい、いつも基本は、楽観的。
そして、ありがたいことに、マラソンレース中の感覚です。
ひとりだったら、「いち抜けた」とへたっていたかもしれません。
42キロを走り終えないと、おわらないよ。
そういう状況が、なかば強制的についてきてくれる場です。
なので、とことん、この感覚を味わおう。
すると、少しずつ「感覚」が変化をはじめます。
まず気づいてきたのが、よりマッスグな姿勢感。
前傾なんか、とてもとれません。
確かに、前傾は不要です、慣性が生じていますから。
モモが上がらなくても、後方へは送れます。
小マタといっても、そうそうな制限ではない。
もちろん、スピードは出せません。
でも、いまはそれは問いません。
気持ちよく前にすすめるか、が大事ですから。
カラダの反応を、イロイロと確認してゆく。
おもしろいレース実験。
とりあえず、ぐんまちゃんで元気をつける。
グンマーといえば、おいしいトマトでも有名なんですが。
梅だって、有名なんですが。
荒れるかも
走りはじめて、「今日はあつくなる」と感じていました。
とくに、南に向かうコース上に入ってから。
陽射しが、いがいに強い。
これは心配です。
わたくし、なぜか「メディカルランナー」に手をあげていたんでした。
救護のボランティアランナー。
さむくなった季節の、陽射しの強まったレース。
こういう日は、熱中症や筋のツレるランナーが増えてきます。
いちおう、自分の中で、基準をもっています。
コースアウトして、苦しそうにへたりこんでいるランナー。
意識もうろう系の、フラついているランナー。
そういうランナーに出会ったら、声をかけさせていただく。
レース後半に入ると、そういう光景が増えてきました。
とくに、両足のケイレンで、うなってコースアウトしているランナーが目立ちます。
とりあえず、お声かけ。
もちろん、お声かけくらいでは、治りません。
本当はここで「芍薬甘草湯」「五苓散」「麻杏薏甘湯」の3剤セットを水分と一緒にとっていただく。
その反応を、共有させていただきたい。
でも、まだそういう用意はありません。
しかも、快方に向かうまで付き添っていては、進めません。
大丈夫です、という声をいただいたら、離れさせていただく。
あるいは、沿道待機の救護班へひきつぐ。
重症の「もうきびしい」というランナーおひとりは、救急車のお世話に。
ほんとうは、その後の収容先の医療機関をさがすのが大変なんですが。
計8名のランナーさんに関わらせていただきました。
日差しが強いなあ、と感じながらの走行。
路面の温度も、あがっている感じです。
お世話になります、バトンタッチ。
気がつけば、5時間ペーサーに抜かれてしまいました、いやはや。
38キロのプチッ
30キロをすぎて、左のワラジのヒモが1本切れました。
2本あるので、なんとか修繕。
35キロをこえて、両足のカカト部分の違和感の出現。
あきらかに、バラけはじめています。
こういう感触は、はじめてです。
走りながら、だんだんとワラジのホツレ感が強まってきます。
うーむ、より静かに走らにゃか。
それも、38キロ地点で、決心がつきました。
もう、無理そう。
そして、ゴールまではもう4キロ。
ここで、ワラジとはサヨナラしよう。
給水所もあったので、そこのゴミ入れにワラジを納めさせていただきます。
やはり、走り方の変化が、ワラジに如実にあらわれたようです。
なに、バラけたのは、ワラジだけです。
アシはまだあるじゃないか。
たかが、ハダシになっただけです。
おまけに、ぐんまマラソンの計測チップはゼッケンにつくやつ。
アシは、フリー。
サラシ、ハカマ走法って、おもしろいんだな。
ワラジの変化に、興味津々です。
ものすごい収穫。
そう、梅だ、梅、梅。
そして、かりんとう饅頭だ、カリカリ。
路肩で休むランナーが目立ってはいます。
そんななか、リズムにのったオネーサン方は軽やかです。
ようやく利根川の香りが感じられるようになってきました。
利根川、そして向こうには無駄に豪華な県庁。
ここまでいわれて、ガンバレないわけはありませんが。
その直後に、オヂサンはワラジとさよーならへ。
そしてゴール
利根川の散歩道から、ハダシとなりました。
すぐに利根川をわたり、県庁前に向かいます。
いやあ、気持ちがいいです。
羽織ハカマと、ハダシは、実に好マッチングじゃないか。
もちろん、スピードはでませんけれど。
走りの感覚が、気持ちよくって、たのしい。
もはや、マラソンレースにはなっていません。
ふだんの、ジョグそのものです。
ぜんぜん、ゼーハーしない。
もっと必死に走ってみろ。
そういう声がまったく出てこないのが、わたくしの根性そのものです。
わああ、と気持ちよくゴールラインを踏みました。
タイムは、5時間27分01秒。
いやはや、立派です。
日本新記録をねらいましたが、まったくの正反対。
だからこそ、次がうまれる。
衣装は、まったくゆるんでいませんでした。
サラシも、しっかり巻きついていました。
そして、おもしろい後日談があります。
翌日も、翌々日も、脚に疲れや痛みがでてこない。
そりゃ、多少はありますけど。
たぶん、サラシ・ハカマの足さばきが、脚を使わせなかったのでしょう。
体幹で動いている感が、ばっちりありました。
体幹って、そうそう疲れませんし。
脱ヒモ症候群から、少々脱線してきましたが、あらたな発見。
検証課題は、続々でてきます。
ハダシのほうが、気持ちいいじゃん。
県庁前の、最後の折り返し点、あと3キロほどかな。
あとは利根川をさかのぼってゆくだけです。
がんばります。
そしてゴールラインへ、ふと横をみると5時間半ペーサーさんが(笑)。
順々と ペーサーにぬかれ ヘロヘロ路
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