勝田全国マラソン2020、後半戦 ミッションポシブル

こんな自分でも

 

何かあったら、ランナーの救護
今回のレースは、ボランティアランナー参加です。

まっ先に自分の心配をせにゃナラん身の上ですが、まあ、そういうミッションをおびています。

ところで、ボランティアって何?
できることを、させていただくもの。

あれもしなくちゃ、これもしなくちゃ、では荷が重すぎます。
あんたがいてくれて、よかったよ
そう思ってもらえれば、いいんじゃないか。

不可能(impossible)なミッションでは、ありません。
可能(possible)なトコロを。

レース前に会議室で、レース中の対応の段取りの確認。
あとは、仲間は、散り散りになって、ランナーの列に加わります。

本日の天気は、くもり、寒い。
ちゃんと保温対策さえしていれば、何事もおこりにくいレースになるでしょう。

そして実際に何事もなく、レースは30キロ地点をこえてゆきました。
わたし的にいう、後半戦に突入。

 



勝田の30キロ地点。レンズまで、疲れがみえてきてしまいました。

 

天に向かって、いうことなし

 

30キロ地点をまわると、コースの雰囲気もガラリとかわってきます。
勝田マラソンの特徴でしょうか。
多少は、自分の中の疲労感も、それを後押しします。

30キロを少し回った路上。
コースからはずれた道の上に、中年男性ランナーが、あおむけに「寝て」います。

こりゃ、スルーでいいかな。

ひと口に、路上で倒れているランナーといっても、さまざまです。

不自然な姿勢で、動いていない。
これは、緊急事態です。
心臓が動いているのか、まっ先に確認が必要となることがあります。

力が入って、うなっている方。
大半は、大きなこむら返り中です。
あるいは、周期的に、オエオエあえいでいる方。
オナカの痛みが感じられます。
どちらも、大変な状況です。
大変ですが、すぐに命にかかわる事態ではありません。
じっくり、寄り添う。

で、このランナー。
大の字で、路上に寝ている格好。
しかも、「ヒザ」を立てている、笑。
ひと目みて、単なる戦力ソーシツ状態、なだけでしょう。

 



まだ大量に残るガレキを見ながら。ビミョーな高低差もきつくなってゆきます。

 

ツラくても

 

マラソンの後半戦は、楽じゃありません。
でも、それを知ってて走っているわけです。
楽じゃないけど、それ以上の「何か」があるから。

そもそも、マラソンは、カラダによくない遊び(スポーツ)です。
健康のためなら、マラソンレースは、考えないほうがいいかも。

でも、走ってみたくなる。
なれば、あとは自己責任でしょう。

勝田マラソンの場合、何かあったら救護本部へ連絡。

あるいは、コースを周回しているAED隊に声かけ。
AED隊は、コースを分担して、自転車で回っていただいています。

救急の場合は、直接119番へ通報してください、ともいわれています。

で、この横になっているランナーさん。
声をかけても、なかなか返事をいただけません。
でも、わかっているようです。

次の給水所まで歩いて行って、回収車を待つことができますよ。
歩けないなら、自転車で救護の人がとおるので、助けを求めてください。
いいですか。

あとは、おまかせしましょう。
レースに、もどります。

 



空が、だんだんと明るくなってきました。

 

足のツレ

 

うー。
うなって、立ち往生の男性ランナーに遭遇です。

つっているのは、両足のようです。
気持ちは、しっかりしています。
ただ、動けないで、痛みの声がでる。

芍薬甘草湯」を飲んでみますか?
筋肉痛と脱水をやわらげるこの漢方薬は、有名になっています。
名前だけで、通用します。

コース上なので、水はありません。
でも、この漢方は、飲みこむより、口の中でモグモグ溶かしてゆく方が効果発現が早い。

ラン中のこむらがえりは、脱水状態に比例するようです。
強い脱水状態のときは、なかなか回復しません。
脱水が強くなければ、カラダの循環が、自然になおしてくれます。

「しょっぱい燻製チーズがありますけど、食べてみますか?」
「はい」
ここまで、沿道のチョコはたくさん食べたけど、しょっぱいものはとっていなかったと。
たしかに、チョコの差し入れは多かった。
しょっぱい系は、あまり見かけなかった。

わたしの地域は、梅の産地なので、自家製梅干しの差し入れがすごいのに。
地域性ですね。

燻製チーズは、本来は、お酒のお供
でもレース中でも、案外、おいしい。
何気に、気に入っています(個人的意見)。

やがて、少しずつ、落ちついてきたようです。
「歩けそうなので、がんばってみます」

それじゃ、無理せずにね。
といって、わたしはレースに復帰してゆきます。
と、いいたいところですが、しばらくしゃがみこんでいると、そうはいきません。

いっしょに歩き出しつつ、少しずつ走り始める。

 



いつも力をいただく小学生の力強い演奏。うれしいです。いつの間にか、青空へ。

 

 

スッテンコロリン

 

「だれか、救護の人を呼んでください」
女性の声が、前方から、聞こえてきました。

前方に倒れている方が見えました。
数十メートルを、ダッシュで駆けつける。
ここだけ、どうしてダッシュができるのか、不思議です。

道の脇に、男性ランナーがうなって、倒れています。
それを女性ランナーが、足をももうとしています。

足がつって、もうろうとなったところで、転がったようです。

こういう場合、最初は、打ちどころの確認です。
どう、ころんだか。
打撲は、どのくらいか。
出血していないか。

骨折をふくめた打撲や、はげしい出血がないようならば、ひと呼吸。

あとは、下半身の強いツレですね。
これは、もんでもらった方がいいのか、痛みのひく姿勢で嵐が去るのをまつ方がいいのか。
本人の希望でよい、のかなと考えています。

女性ランナーが、心配そうに、のぞきこんでいます。
「あとはみますから、レースにもどってください」
「じゃあ、おねがいします」
ニコッとして、レースにもどられました。

本人の希望で、少し強めのマッサージ
やがて、落ちついてきます。
またの流れで「しょっぱいチーズ食べますか?」

モグモグ食べてもらって、その方もレースに復帰してゆきました。

 



ゴールに向かう直線路にもどってきました。あと少し。

 



4時間を超え、コースが歩道に切り替わりました。以後、信号厳守。

 

サンザンだけど、サンサン

 

レース中に、止まる。
しゃがみこんで話。

こうしているうちに、疲れもドッと出て、もはやペースはボロボロになります。

うーん、あと4キロか。
歩いたら、1時間かな。
そんな弱気が、アタマの中を去来します。

気がつくと、いつの間にか、青空が顔をのぞかせています。
太陽の光が、キラキラとまぶしい。
なんとか、走ろう。

そして、ついに40キロ地点
コースは、歩道に代えられました。
勝田マラソンは、4時間を超えると、コースが広い車道から歩道へ。
そして信号厳守へ。

しかし、ここからなんですね。
急に、沿道の声援が熱をおびてきます。
ゴールまで、バトンを渡すように、エールが続きはじめるのです。
「あきらめるな」
「もう少しだ」
「いいぞ、いいぞ」
あつい声が、途切れません。
この声に押されて、あるいは、引かれて、足がでます。

やはりフルマラソン、やめられないかも。
ヘロヘロでしたが、うれしいゴール。
いちおう、時間の計測もしていただけます。
4時間17分10秒(ラップ)。

 



今回、いがいと好評だった燻製チーズ。受けました。おいしい!

 



ウエストバック内の備品。今回は、使用機会はありませんでした。

 



ど派手なコスチュームで、レース前。大会長、ひたちなか市長さんと固い握手って。

 

たーさん
ヨロヨロと ゴールをめざす 歩道かな

 

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