後半戦の悦楽
折り返し点。
このレースでは、はっきりしています。
半分走ったら、折り返す。
ゆきと、かえりが同じ距離。
人生となると、そう簡単ではありません。
が、もう折り返し点をすぎているのは、わかっています。
折り返し点、どころじゃありません。
ゴールが近いかも。
いえ、こんなことで、ココロ折っていても仕方ありません。
ハイテクハーフマラソン中です。
この折り返し点は、安堵の通過点。
というのも、これまで上流部にむかって走ってきたのです。
かえりは、くだりです。
天神様の道は、ゆきはよいよい、かえりはこわい。
ここは、かえりはくだり。
なので、かえりはよいよい。
な、はずですが、なぜかくだっている感がもてません。
これを「疲労」といっていいでしょうか。
ゆきの方が、楽だったような気がする。
だから、気分転換。
Uターンしたら、あとはスカイツリーを目指してかえろう。
して、スカイツリーは、どこにある。
キョロキョロしてみるも、視界にない。
もしかしたら、ここはスカイツリーが見えない場所なのかしら。
この川をくだれば、あったような気がしたんですが。
気がつくと、ランナーの密度が、ずいぶんと開けてきています。
コースの道幅が、ずいぶんと広く感じられるようになりました。
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いきおいよくUターン。人生もそう切り替えられるでしょうか。
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Uターンしたら、すぐにのぼり。人生模様だなあ。
本日のテーマ
ふりかえってみれば、昨年は、ハーフマラソン大会は走っていなかったかも。
ことごとくが、中止です。
久しぶりのハーフです。
課題を用意しておきました。
ひとつは、1キロを何分くらいで走れるものか。
そんなもの、日常のランで、ためしてみればいいじゃん。
そうです、いつでもできます。
でも、ひとりで走る田舎道だと、どうもスピードがだせません。
気持ちの入り方が、ぜんぜんちがう。
そして、これをフルマラソンで考えちゃ、いけません。
終わりまで、身がもたなくなってしまいます。
ただでさえ、もたなくなっているのに。
なので、ハーフマラソン中で、お調子にのったときのスピードが参考になるんです。
1キロごとのラップの、最高速度。
1流選手は、キロ3分を切る、といいます。
そういう姿を、目の前で、まだ見たことはありません。
あとで腕時計記録を見直したら、キロ4分51秒が最高でした。
ふーん。
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第二のテーマ
レースの走行中、走っている感覚が、遠のくことがあります。
ただ、前にすすんでいるだけ。
カラダを動かしている感覚が、消えてゆく。
呼吸をしている感覚も、消えてゆく。
周囲の空気に溶けこんで、ただ移動してゆくだけ。
なんとも気持ちのいい時間です。
アタマも、カラッポになっている。
ま、もともとカラッポですが、ちがう意味でのカラッポ感。
いわば、夢想状態。
そういう感覚に、どのようにしたら入ってゆけるだろうか。
これは、レース中の思いっきり走行中のなかでこそ、試行できることです。
歩幅のとりかた。
アシの動かし方。
ウデの振り方。
そして、これらが意識から消えてゆく瞬間。
この夢想の中に入ってゆきたい。
どうすれば、入れるかな。
これは、スピードよりも、気持ちよさ優先ということでも、あります。
ガンバリ走法ひとすじでは、苦しさが強まりますから。
よい子の発想じゃない、かもしれません。
べつに、よい子を目指してはいません。
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15キロ地点。ランナー密度は解放され、もう自由に走れます。
いきなり、春ランマン
ハイテクハーフ御用達の風が、ぜんぜん立ってきません。
日差しも、まったくさえぎるものがない晴天です。
一気に、春の陽気襲来、といった感じです。
ここしばらくは、極寒の中にいましたから、なおさらな感慨。
まだ、寒中ですけど。
同時に、これから草むしりシーズンが始まるのか。
ふたたび、草とのタタカイがまちかまえています。
ちょっと、複雑な心境。
それでも、走っているいまは、天然の日光浴。
暑くもなく、寒さもない。
ああ、シアワセ、と思いたいけど、だんだんとシンドさが顔をもたげてきました。
スピード、ちょっと落ちてきているな。
実感として、わかります。
カラダの重さを感じるようになってきました。
それでも、あと少し。
頑張れば、なんとか頑張れ通せるのが、ハーフの魅力です。
最後の3キロは、疲れました。
ヨロヨロ。
ゴールは、はなやかなお出迎えの設定でした。
シアワセなゴール。
1時間47分26秒(ネットタイム)。
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最後の頑張りどころ。
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そして、ゴール会場へなだれこむ。
ルンルン空間
ゴールラインをこえたら、なんとメダルが待ちかまえていました。
しかも、ずっしりと重い金メダルです。
順位に関係なし。
しかも、みんな同じ色です。
こういうのは、競争とちがって、いいですね。
ハーフマラソンでメダルって、大げさじゃないですか。
ま、いろんな意見はあるでしょうね。
そのかわり、いつものシャツはありませんでした。
走り終えて、草むらにシートを広げて、どっこいしょ。
いつもはシートが吹き飛ばされそうになることも多いのに、きょうは無風。
あーー、と横になって、天井の青空を見上げてしまいます。
吸い込まれそうな広い空間。
寒い思いをまったくせずに、着替えられました。
ゆっくりと、会場をあとにしました。
ふり返ってみると、会場全体がキラキラと輝いています。
大きなエネルギーのかたまり。
さて、ハイテクハーフマラソン。
どんなハイテクで、挑戦できたでしょうか。
ハキモノは、ワラジというローテクでした。
走行中、携帯食は、とりませんでした。
給水所の、水分のみ。
うーん、その点では、世界の進化に、とり残されるばかりです。
とり残されて、どこにゆく?
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きょうは、太陽の下が気持ちいい。
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帰るランナーの長い列。
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ありがとう、ハイテクハーフマラソン会場。
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「本当に住みやすい街大賞」受賞のまち、赤羽。
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