津南ウルトラマラソン2021、走りはリズムだ

カンカン照り

 

ウルトラマラソン、といったら、暖かい季節が定番です。
フルマラソンの旬が、冬というのと対照的です。
フルマラソンは、スケートとならぶ「冬季」オリンピック種目ですから。

なぜ、ウルトラマラソンは、暖かい季節なのか。
わたくしのようなものが、紛れこむからです。

はやく走れない。
しばしば止まる(とくにエイド)。
というのに、コスチュームは、マラソンランナーを気取って、薄着。

冬だったら、はやばやとこごえ死んでしまいます。
山中で、凍死です。

にしても、きょうのお日様は、やけに気前がよいです。
よすぎです。
雲ひとつない。
みさかいなく、強力太陽光線が、シュワッチと振りそそぎます。

ランコースは、おおきな周回コースです。
なので、太陽光線に、360度まんべんなくあぶられます。

でも、なぜかウシロからばかり、責めたてられている気分。
太陽がウシロに立つときに限って、光線の強さがきわだってきます。

 

 



第3エイド手前から、おおきな雪囲いトンネルが見えてきます。

 



トンネルに向かってのぼる。

 



トンネルに、突っ込む。ここは涼しい。

 

かぶり水

 

あつくなったら、冷やせばよい。
サカナは、あぶったイカでいい。

あつい季節のウルトラマラソンでは、かぶり水コーナーが名物です。
おおきなバケツ。
放りこまれたヒシャク。

冷たい水をアタマからかぶったときの爽快さ。
文字通りの、年寄りの冷や水
うーん、生き返る。

ところが、本大会では、かぶり水コーナーは見当たりませんでした。
それを残念がる方も、おりました。

でも、待ってください。
走っているところは、名水の里、津南です。
夏でも、冷たくて、おいしい水がコンコンと湧き出る里です。
この水が、かのコシヒカリも育ててくれているんですね。

走るコースは、山あいの自然の中です。
耳をすますと、至るところで、水の音を耳にすることができます。
水の流れに、かこまれています。

実にたやすく、名水を手にすることができます。
ヒシャクはありませんが、そのまま手にとれます。
手ですくって、顔をあらって、アタマにかければ、気分一心。

 

 



ドヒャーと、目がさめるような冷や水。

 



消毒液より、よっぽど安全、安心です。

 

第1エイドって、何者ですか?

 

スタート・ゴール地点に併設されている第1エイド
わたくしの知るかぎり、マラソンコース上の最大規模エイドです。
はい、ハーフマラソンやフルマラソンも含めての比較です。

これを、「エイド」とよんでいいんでしょうか。
たぶん、あってません。
こんどから、「フードコート」って、呼びませんか。

次から、次へと、提供される名物、おいしいもの。
主食。
お菓子。
果物。
かき氷。
何でもありです。
しかも、メニューが、時間とともに回ってゆくのですから。

イオンのフードコートとのちがいは、これらがすべて「無料」だってことです。

しかも、奥には、テーブル席がたくさん用意されています。
何とも、誘惑感満載です。

といって、各種メニューをとりそろえて、ドッカリ腰をおろしてしまった最後かも。
もう、立ちあがるのが無理になりそう。
ここは、コース最大の難所、津南のローレライです。

そう感じたわけではありませんが、わたしは意外に簡素にスルー。
正直いっちゃうと、メニューが多すぎると、目がクラクラしちゃうんです。
田舎モンの、悲しい性。
いまだに、スタバには、入れません。

 

 



うれしさと、誘惑には負けないぞ、という感情で入ります。

 



メニューの数は、多すぎて、数えられませんでした。

 



この左手奥には、さあさ座れと、たくさんのテーブル席が用意されています。

 

坂をのぼる

 

坂をのぼる、といっても、車も通れる道です。
スキー場の急斜面ではありません。
それでも、いつ終わるのか、とつづく坂道はこたえます。

のぼりが多い。
このことは、わかっていました。
わかっているけど、実感がともなっていなかっただけです。

のぼりを、どう制するか。
フツーのウルトラマラソンだったら、作戦の必要もないでしょう。
きつくなったら、歩く
わたくしの体力に、ほかの選択肢はありません。

それでも、なんとかしのげてきました。
富士五湖も、岩手銀河も、沖縄100Kも。

でも、ここでは歩き通したら、アウトです。
完全に、時間オーバーになるでしょう。

といって、かけのぼりつづける体力も根性もありません。
どうしたらよいだろうか。
はい、1ヶ月考えてきました。

結論。
歩くスピードで、かけつづける、です。

ユックリでいい。
でも、歩かない。
リズムは、あくまで走る。

はたからは、歩いているように見えるでしょう。
でも、走っているんでっせ。
見てくれではありません。
自分の内なるリズムの問題です。

 



坂があるからこそ、味わえる絶景というのもあります。

 



高いところを走るのは、気分がいいものですが。

 

舞いおりたのは、神かズッコケか

 

特に、第4エイドからスタート地点までの約4キロほどつづくのぼり坂
ここは、通行量は少ないのですが、一般道です。
なので、景色がイチバン普通で、目の保養要素のない区間です。

いや、緑にかこまれているじゃないか。
山菜でもさがす気でゆけないものか。
いたるところ、「山菜とり禁止」の立て札がたっています。

コースを6周ということは、ここも6回のぼるんです。
負けるものか。

と、このとき突然、アタマの中にリズムが流れてきたのです。
ああ、これは前日、こちらに向かう車中でラジオから流れてきた曲じゃないか。
そして僕は途方に暮れる
レパートリーがないものですから、このリズムがアタマの中でリピートされます。

リズムは、決してゆったり走りに合わない、というわけじゃありません。
むしろ、のぼりにピッタリ。

でも、歌詞がなあ、題名がなあ。
マンマじゃねえか。

もう少し、明るい農村風の歌はないか。
もう少し、坂道を鼓舞する歌はないか。

ふりしぼって出てきたのが『365歩のマーチ
いかん、マーチにのったら歩いてしまう。

ひごろランニングテンポの曲を集めておかなかったツケがこんなところに。

でも、歩かないぞ。
途方に暮れないぞ。
走りのリズムだけは、死守しよう。

こんなけなげな姿を「自分で自分をほめてあげたい」っていうんでしょうか。
いえ、単なる自虐です。

どんな状況にあっても、1歩をふみ出せば1歩すすむ。
それだけは、たしかなことです。
(つづく)

 



坂道に入るランナーをはげましてくれるヒマワリさんたち。

 



3周したら、50キロ。ヘロヘロを通り越しています。

 

たーさん
坂道は 明るい曲で のぼりたし

 

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