今年も、また
毎年、おなじコースを走るたのしみ。
すてきなレースなら、何度走っても、いいものです。
くわえて、今年も走れる幸せ。
年をかさねると、ここに新しいオマケが加わってきます。
昨年までとの比較です。
昨年は、どうだったかな。
前の年、その前の年のレースの様子などを、日記帳でチェック。
記録だけみれば、落ちる一方です。
そういう現実にも直面しておくことは、あんがい、大切です。
夢を、おいかけすぎない。
赤城の森のトレイルラン。
といって、赤城山があるわけではありません。
いくつもの山々が連なってつくる連峰の名ですから。
その連峰から、北に位置する小山。
標高1,000メートルの山中からスタートして、山肌にそって高度をかせぐ。
ピークをすぎたら、くだりだし、グルリと1周して、スタート地点にかえる。
お山1周組は、そこでゴール、17キロ(主催者発表)。
さらにUターンして、おなじ道をもどって帰る往復コース、34キロ。
その往復コースに参加させていただいて、今回は5回目となります。
今年は、昨年からくらべて、どんな変化がでてくるでしょうか、自分のカラダに。
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最近の風潮
午前9時半。
先頭グループの集団がスタートします。
トップを競う集団というのは、なんでこんなに元気にあふれているんでしょう。
ほんとに、全力疾走で、走りだしてゆきます。
この世界には、決して加われません。
以下、一定の集団ごとに、時差スタート。
いちおう、9時半から9時45分内に、スタートとなります。
順繰りにランナーが去ってゆくと、スタート会場にひろい空間がうまれてきます。
急に、空をまうトンボの姿が、めだってきました。
今回は、いちばん最後の方からゆこう。
余裕こいていたら、スターターも、だんだん飽きてきたのでしょうか。
「あとは、全部まとめて、出ていってください」
最終組のドンジリからスタート、となりました。
そのスピードは、まさにスロー再生。
スタートラインをこえて右手に曲がると、はやばやと、ゆるいのぼりが始まります。
そこですら、すでに歩き組がでています。
ウオーキング大会かいな。
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最初のグループのヒトたちは、走り出してゆきます。
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だんだんと、ゆるいスタート組が増えてゆきます。
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ドンじりの、さらにドンじりから、緊張感の欠けるスタート?
トレラン、改め
里山で生まれ、育ち、山と川で遊んで育ちました。
その川は、いまや両岸とも大規模護岸工事で、容易に降りられなくなっています。
川が、排水路にかわりはてた姿に。
山も、荒れはてて、道がなくなってしまった場所がいくつもあります。
でも、川が好き。
山も好き。
といいながら、山をかけのぼった記憶は、あまりありません。
かけおりるときは、とび降りるようにくだりましたが。
そして秘密基地つくり。
そうです、昔から山はゆっくりのぼるもの。
というより、ゆっくりでしか、のぼれませんでした。
「山」と「廊下」は、むやみに走るもんじゃない。
へ理屈です。
負け惜しみ、ともいいます。
で、結果として、トレラン仲間には、はいってゆけません。
どうしても、トレイル「ウオーキング」です。
開き直り。
ジタバタしません。
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はやくも、トレイルウオークの様相が展開されていますが。
場の世界へ
スタート会場には、けっこうなランナーがいました。
600人を超えていたようです。
それが、みるみる散らばってゆきます。
最後尾のスタート組は、しばらくは、最後尾同士で推移してゆきます。
というのが、山レースの感覚です。
追い抜き、追い越して、なんて光景は見られません。
わたくしは、いちおう走っています。
走っているつもりです、自分自身では。
でもウオーク組と大差ないのは、どういうことなんでしょうか。
まさしく、スローランということなんでしょうか。
それでも、高度とともに、前後の密度はうすくなってゆきます。
同時に、木立の緑が、ますます濃くなってゆきます。
このコース、おおくは山の中を走ってゆくようにできています。
つまりは、木立の中です。
ですので、おおきな峠に出る、という場面はありません。
ですから、山腹からの絶景、というのは期待できません。
あくまでも、木漏れ日の下をくぐりぬけてゆくレース。
ですから、目には、とってもやさしい。
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空気の色が、いつもとはちがってきています。
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途中、唯一のエイドは、ペットボトル飲料をいただけます。昔は、ここにスイカがあった。
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偶然とれた、幻想的な1枚、ぼくのアタマの中みたいだ。
さまざまな思わく
山をグルリとまわって、スタート地点にもどってくる。
往復組は、そこでUターンして、同じ道をもどってゆきます。
なので、ゆきとかえりの道は同じです。
とうぜん、標高差も同じです。
同じはずです。
ところが、ゆきの方が、のぼりが多くないか。
そんな気がしてなりません。
とにかく、最初の8キロくらいは、のぼり坂しか目につかない。
とはいっても、急坂はありません。
よじのぼってゆくような場面はありません。
たぶん4分の1くらいをいった地点。
長くつづく、くだり坂にはいってきました。
すると、対面に、すでに帰ってくるランナーの姿。
いやあ、迫力がちがいます。
息づかいからして、ぜんぜんちがう。
くだりのボクより、のぼりあげてくる対面ランナーの方が、何倍もはやい。
いやはや、の光景にアゼン。
トレランのたのしみは、自分のペースですすむこと。
絶景では、じゅうぶん堪能すること。
タイムは、制限時間だけを覚えておくこと。
迷子にならないようにだけは気をつけてゆくこと。
熊に会ったら死んだふり。
どうも向上心のない、マイトレラン規約。
たのしめれば、いいじゃないですか。
(つづく)
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石積みの橋をわたると、そろそろスタート地点が近いはず。
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スタート会場が見えてきました、往復コースは、ここで半分。
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さあて、Uターンして、残りの半分に挑戦だあ。
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