3つのテーマ
ひさびさの、ガチ・フルマラソン。
せっかくだから、テーマをもうけたい。
といって、多くあげればいい、というわけではありません。
走りながら、アタマに浮かべられる数といったら、せいぜい3つまでです。
年々、減る一方。
ということで、3つのテーマを設定。
1.歩幅を狭く
2.重力を感じる
3.慣性力を感じる
3つあげましたが、じつはひとつに集約されます。
つまり「より、力弱く」走る。
えっ?力強くのあやまりではないんですか?
いいえ、間違ってません。
もともと、力はありませんから力にはたよらない。
くわえて、減る一方のお年頃ですし。
スタート地点。しっかりとした計測をしていただけます。
力弱く
筋トレにはげんで、体力や走力の向上に結びつけよう。
それが記録アップの道。
ストライド(歩幅)は広く。
滞空時間は長く。
つまりは、力強い走りをめざせ。
よい子のランニングの目指す方向性は、だいたいこうです。
それからみると、ボクの場合、まったく「逆」を向いています。
歩幅は、意識にあがったら、半歩せばめてみよう。
重力を感じるために、力は入れない。
地面にはりつく感覚を忘れない。
蹴らない。
宙に浮かばない。
そして、前にすすむ感覚をあじわう。
膝に負担をかけない。
その集約した型が「ランニングモデル2号」になります。
力まない。
気持ちよく。
たのしく。
だって、走ることは、たのしみなんですから。
ゆるい走りなので、こういうハキモノが似合います。ゴール後の足。
ペース感覚
いい気持ちをめざすと、おのずとペース感覚が定まってきます。
とはいえ、絶対的な感覚なんて、もてません。
そこで、ウデ時計の数値も参考にしてみます。
いまのボクのいい感じ、というとフルは4時間前後でしょうか。
毎年、落ちる一方ではありますけど。
すると10キロ55分くらいとなります。
まあ、アバウトな感覚です。
これ以上の、こまかな計算はしません。
しても、その通りにゆけるわけありませんから。
ザックリ、した感覚。
とにかく、欲張らない。
ここに気をつけて、スタスタ。
走っていると、30分後に、30キロランのグループのランナーが加わってきました。
さらに30分後、ハーフの部のランナーの参入。
そして、10キロの部のランナーも、コース上に入ってきたようです。
先頭は、速い速い。
ひとときの、はなやいだ河川敷コース。
やがて、そういうランナーは走り終えて、コースから消えてゆきます。
昼になり、午後に入り、野球場やサッカー上のひとも、減ってゆきます。
走る前後に、ほとんどランナーも見えなくなってゆきます。
とにかく、マイペースでゆこう。
マイペースにならざるを得ません。ランナー少ない。
午後の風が呼んだもの
河川敷コースなので、川風を感じます。
その風が、少しずつ、まわりはじめる。
背丈よりも高く生い茂ったセイタカアワダチソウやススキの群落。
それが、風になびいて、揺れてきます。
午後に入って、あきらかに風向きが変わってきました。
そして、ときおり力強さも加わってくる。
風は強く
波は高く
闇は深く
星も見えない
んん?
突然、アタマの中に流れてきたメロディー。
中島みゆきの『二隻の舟』じゃないですか。
ボクは音楽を聴きながら走る習慣はありません。
自然の音で、十分ですから。
鳥の声、風の音、水音。
なのに、なぜ、突然に。
そうか、今日はまったく初めてのコース。
しかも、レースではよくある沿道からの声援もありません。
前後に走るランナーとの距離も、バラバラ。
ほとんど、ひとり走。
そんな中で、風を感じて、ふいに出てきたのでしょうか。
むかし、やくざれていたころは『時代』。
そしていま『二隻の舟』。
しかし、いまココでなぜ中島みゆきだったのか。
物思いにふけりながらの、ランでした。
いい日、いい走り
ずっと太陽といっしょ。
少し暑いくらい。
少しずつ、ペースが落ちはじめてきていることは、わかります。
後半戦。
でも、それですら気持ちいい。
あとでみたGPS時計の結果は、こう記録されていました。
10キロ 54分48秒
20キロ 1時間49分38秒
30キロ 2時間44分38秒
40キロ 3時間44分48秒
ほとんど時計は見ていないのに、できすぎペースです。
後半の失速さえも、できすぎ。
40キロ手前、最後の給水所でのやりとり。
「いいよ、サブホーいけるよ」
「ありがとう、最終回にきました」
お世話になったオジサン、元気つけられました。
先が見えてきて、ついニヤニヤ。
路上で走りながら、ひとりでニヤニヤ、絶対にあやしい。
だが待てよ、スパートが効かない。
おおおお。
けっこうドキドキのゴール。
3時間59分06秒(グロス)
たまには、こういうできすぎのレースがあってもいいでしょう。
川風を避けた陽だまりでシートをひろげて、腰をおろします。
レースの振り返り。
着替え。
ぼんやりと、レースの余韻にひたる幸せのひととき。
お陽さまが少しずつ西にかたむいてゆきます。
揺れるススキの穂の先に、とうとうと流れる荒川。
まぶしく輝く、川向こうのビル群。
堀切橋からながめる夕陽ではありません。
でも堀切橋下からながめる夕陽もすてきでした。
いい場所、いいレース。
素敵な思い出がつくれました。
風をよけた陽だまりの中で、ゆったりと着替え。
だんだんと傾き始めた日差しが、荒川に反射してきました。
乗り換え駅の上野では、西郷さんに挨拶も。
めずらしや 思惑どおりの レースかな
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