沖縄100K、至福と反省

ゴールにまつ至福

 

マラソンレースのゴールラインには、特別な神サマが宿っています。
よくここまで、走ってきたね。
おごそかに、そして、うやうやしく祝福していただけます。

沖縄100Kウルトラマラソンには、ここにカチャシーの祝福がくわわります。
色あでやかな琉球衣装に、三線のひびき。
小ちゃな子が中心となって、ランナーをあたたかくむかえてくれるのですね。

この輪にはいれる幸せ。
ゴールへのおおきなモチベーションになってくれます。

レースのゴール後の動線は、ふつう一方通行です。
しかも、おおきな大会ほど、あとがつかえるので、スムースに先に進んでね。

こじんまりとして、あたたかなこの大会は、そういった雰囲気はあまりありません。
どうぞ、ご自由に、ゴールの感激を存分に、味わってくださいね。
つい、一緒に記念撮影現場に。
そのあと、いっしょに踊りだしてしまったり。

そうそう、この大会を楽しむためには、ゴール後のおどりの体力を残しておくのがミソです。

 



ゴール会場ですか?って、いうハシャギっぷり。もう踊るしかない。

 

荷物がとどく至福

 

ゴールラインをふんで、グダグダ。
つい、足が止まって、さわいじゃっていました。

ほんとうは、あまり好ましいことではないかもしれません。
すみやかに、あずけた荷物をとりにゆくべきです。

「これ、どうぞ」
あやしいおばぁがウロウロ徘徊していると判断してくれたのでしょうか。
わたしの荷物を、わざわざ持ってきてくれました。
「ああ、ありがとお」

威勢のいい、お兄さん。
みると、知念高校野球部のユニフォームを着ています。
おお、現役野球部員。

沖縄では、高校野球は、特別なスポーツです。
駅伝では最下位をあらそう県なのに(失礼)、高校野球は別格

地元野球部が甲子園での試合中は、沖縄の道では人通りがたえるとか。
試合中に電話などかけるものなら、まとまりかけた商談があやうくなるとか。
甲子園球場では、沖縄応援団席のビール消費量が、ダントツの1位とか(ホントらしい)。
そんな子が、荷物をわざわざ運んできてくれる。

しかも、ノリが格別です。
「グンマーのオバァなんですかあ、育英じゃないですか」
「甲子園の決勝で、育英と当たりたいっす」
いきなり、グンマーの高校を名指して、テンションは最高潮。

「え、君たち、そんなすごい強豪だったの?」
「じゃあ、そのときは応援すっからね」

感動とノリで、強豪くんたちと記念写真。

あとで調べたら、来春の甲子園には、どちらも出場はないんですか?
希望、だったのか、わたしの勘違い。
でも、ガンバレ。
応援は、おしまないから。

 



次は甲子園だー、と盛り上がってくれた知念高校野球部の面々。ガンバー

 

お友達の至福

 

60キロ地点くらいでしょうか。

必ずしも走るのには荷重がきつかな、と思わせる米人カップルがコース上に立っていました。
どうやら、50キロコースにエントリーしたランナーらしい。

ギブアップなのかな。
チラとみて、そのまま、ぬいてゆきました。

すると、しばらくして女性を先頭に、爽快な走りでわたしを追いぬいてゆきます。
おお、やるじゃん。

しばらく走ると、またふたちして立ちんぼ。
なので、追いぬいてゆきます。

そしたら、またわたしを追いぬいてゆく。
何度かくり返したのち、こんどはイヤハヤ。
コース上、立ったまま、しっかりと抱擁しています。
うん、こういうチャージ法もあるんだ(写真はとってません)

わたしがシオ梅を求めて、コンビニ前でカリカリしていたとき。
その男性ランナーも入店して、棒キャンデーを買って出てゆきました。
そのとき、はじめてお互いの視線があって、ニヤリ。

以後も、おなじペースで、何度もぬいたり、ぬかれたり。
ゴール会場では、すっかり仲良しに?
一期一会ではありますが、たのしい出会いもありました。

 



コルゲンコーワレーション。いや、コンゲツレーション。ともに走っただけで生まれる仲間意識。

 

 



レース後、会場でぼうっとしていたら、子どもと散歩中のお母さんから、差し入れといっていただきました。
「梅は疲れをとれるから、どうぞ」

いきなりのお言葉に、胸がジーンときてしまいました。
冷たい紀州の梅
おいしかったです、どうもありがとう。

 

キモノの反省

 

反省点もあります。
今回は、キモノ姿で走ろうか、どうしようか。

どうしようか、の原因は、まだ少し残っている「恥ずかしさ」です。
そうです、わたしにも若干の理性はもってます。

ウルトラマラソンでは、前後にランナーが見えなくなることがあります。
たったひとりで、知らない土地を走る。
このとき、アクシデントで倒れてしまったら。

どこかの通りすがりの方が見つけても、躊躇してしまいます。
救急車を呼ぶべきなのか。
それとも、近づかない方が身のためなのか。

ま、わたしだったら、見て見ないふりになるかなあ?

いや、それはともかく。
実際に走ってみて、キモノのタケが長すぎました。
脚にからんで、走りにくい。

次は、もう少しすそ上げをしておかなくっちゃ。
次もやるんかい。
今回学んだ教訓です。
って、ウルトラなめてんのか。

 



走行中のコース上の一コマ。こんな感じの路面が多い。ここは、キレイな方です。70キロすぎ地点。

 

ワラジの反省

 

沖縄の歩道は、サンゴ礁のツブがまざっている。
真偽はわかりませんが、白くキラキラ、ツブツブの路面がおおい。

これは雨のとき、水はけには好都合です。
しかし、このツブの接着性がくずれてくると、ジャリをばらまいた路面に早変わり。

この上をワラジだと、どうしてもスリ減り方がはやい。
とくに、今回はキモノだったので、スレ方がいつもより進みました。

前半50キロで、はきかえ。
この時点で、かなり摩耗していました。
後半50キロは、路面と体力双方が、さらにワラジに負担をかけます。

さいごは、夕闇がせまるなか、何度もヒモの修繕をしながらのランとなりました。
うーん、次回のウルトラは、ゴムの「ワラーチ」にしてみようかな。
試行錯誤の道はつづきます。
一生ベンキョー。

 



ゴール後のおみ足。ワラジはボロボロ。

 



左が、前半にはいたワラジ。右が後半。修理すれば、ハーフくらいは使えます。

 

 

そして翌日は、神様の島ともいわれる、高久島に上陸。
チャリで一周してきました。

 



この道を、神さまが通ったのかなあ。

 



海に感動。この先にあるニライカナイ。

 



緊張感を欠いた島猫。

 



海をながめながらのお昼。幸せな旅になりました。

 

 

たーさん
何もかも 夢のようです 沖縄100K

 

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