赤城の森トレイル2022、静寂後半戦

たのしみが、ギャフン

 

Uターン地点に近づくにつれ、たくさんの折りかえしランナーと出会うようになります。
意気揚々と、帰路にはいったランナーたち。
一方、まだ半分に満たないわたくし。
自分の順位というものが、いやでもはっきりしてきます。

ま、それはそれで。
そのだいたいのランナーと、ひと声、かけ合います。
尾瀬の木道みたいな光景。

いろんな走りを見られるのも、たのしいです。
なによりそれは、表情にあらわれてきます。
必死な顔と、響きわたるような呼吸音。
これは、もう、わたくしには真似のできない走り方。

なんで、自分はいつも、ニヤニヤしてしまうんだろう。
このあたりが、レースには向かない性格なんでしょう。

ゴール地点まで、やってきました。
ここを通過すれば、あと半分です。
進路が逆になり、のぼり道に切りかわります。

もはや、走ってすすむ気力なし。
しばらくは、歩く
といって、ただ歩くだけじゃ、能がありません。
単なる苦行です。

せっかく歩くんだから、せめてピクニック気分を。
そう、おいしいものモグモグしながら、のぼるよ。

リュックの中をさがして、ハッとします。
あれ、食べものが入っていない。
そうか、お菓子は、車の助手席に置いたままじゃん。

リュックに入れるのを忘れているなんて。
いやはや、旅のたのしみが半減です。

本日のコース、沿道にコンビニどころか自販機ひとつありません。
そもそも、だからお金も持ってないし。

 



ここは、お菓子モグモグですすみたかったなあ。

 

後半戦の展望

折りかえすと、ぐっとランナーの数がへります。
片道コースのランナーがいなくなる、のも一因。
ドンジリに属していることが、最大要因。

ひと気がひいたコースになると気がつく「クマさん注意」の看板。
注意ったって、何を注意すりゃいいんですか。

とはいえ、まったくの単独行ではありません。
そういう中で目に入ってくるランナーを見ると、ホッとした気分になります。
お互い、後塵を杯する非実力者同志(失礼)。
なんとなく、親近感がわいてきます。

近づいたり、離れたり。
抜いたり、抜かされたり。
だんだん、顔を覚えてきちゃいます。

といって、ライバルか。
そういう感情には、なれません。
敗走兵同士、というところまでは、ゆきませんが。

そういう中で、おもしろい傾向があります。
女性ランナーの場合は、最後は、グイとわたしを追いぬいてゆきます。
ついてゆけません。
根性の差でしょうか。

男性ランナーの場合は、お互いがジリ貧になりつつ、いやあ、と照れながらの並走。
だいたい、こんなものです。

 



前をみても、ひとり。

 



うしろを振り返っても、ひとり。

 



たぶんこの山をグルリと周回しているので、やはり一度はテッペンに立つべきかも。

 

至福ラン

 

折りかえしも、後半になってくると、くだりが目だってきます。
こんなに、のぼってきていたんだ。
不思議な感覚に入ってしまうほど、くだりがつづきます。

路面は、前日の雨をすって、とても柔らかくなっています。
足に、とってもやさしい。
ときおり、遠くの谷をこえた風の音が、ひゅーっと届いてきます。

すでに、落葉をはじめているものもあります。
もう少しすると、この道も、葉っぱでおおわれてゆくでしょう。
からっ風が、ふきぬけるようになるでしょう。
山の季節の切りかわりは、あっという間です。

こんな空間。
このレース中で、いちばん好きな時間帯です。
走るって、気持ちがいい。

走りのすべてがそろっているような瞬間。
これが、このレースの醍醐味かも。

 



静けさの中を、足音がすすんでゆきます。

 

デジャブ

 

緑色にそまったロードが、急に色彩を輝きはじめる。
太陽光線に反射する山肌。

ああ、そうだった、ここ、ここ。
急に山からぬけ出た、とおもわせる広い空間が目の前にあらわれてきます。

場面の切り替え。
そう、あとは山道は林道になり、直線路をくだってゆくばかりとなります。
車も走れるジャリ道となり、大小の砕石がならぶ光景。

あとはもう、重力の勢いにのって、くだるだけです。
その先に、ゴールがまっています。

ここにきて、急に、力がわいてきました。
ここにきてかい。
もうちょっと前に、マジメに走り出せなかったんかいな。

それができれば、記録は少しはのびるのですが。
そして、いつもいつもの、感動のゴール。

3時間53分49秒。
制限時間は、5時間だからね、まだ余裕。
そして、いつも比較相手は、自分です。
昨年の記録を調べてみると、3時間55分11秒。
ほとんど変わらず、という結果でした。

ねらってたわけでは、ありません。

 



急に前方が、明るい空間の予感。

 



あとは、林道をザザッとくだってゆくだけ。

 



ゴール会場は、もう静寂が半分。

 



最後は、昭和村名物、朝採れのレタスがプレゼントされます。

 

いやし

 

トレラン会場には、3つのお店のほかに、2つのいやしのテントが店を開いていました。
670人規模のレースだったにもかかわらず、豪勢です。

ひとつは、アロママッサージのお店。
東京、東京、山中湖から、3名のスタッフさんが出向されているとのこと。

もうひとつが、テーピングサービスのお店。
ここは、スタート前には、行列ができていました。

そういえば、トレランランナーって、テーピング愛好者が多いような気がします。
膝のまわりにクルリとまいたり。
太モモや、フクラハギにシュッと貼ったり。

あれを巻くと、どういう感じになるんでしょうか。
大リーグボール養成ギプスみたいな効果があるのかな。
まったく、的外れな発想かな。

あまりに遅いわたくしには、どちらも、なかなか敷居が高い感じです。
そういうランナー用のブースもあったらうれしい。
トレラン・カーブスみたいな。

午後の日差しもまわってきて、のどかな雰囲気のゴール会場。
ことしも、たのしめました。

 



さすがに、ここに寝る勇気はもてませんでした。

 



スタート前は、テーピングコーナーは大盛況。

 



本日のハキモノは、子供からプレゼントしてもらった「足袋型トレランシューズ」、レース前編。

 



レース終了時、大事にはきましたが、少々、よごれはついてしまいました。

 

たーさん
静けさの 中でまったり 思索ラン

 

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