沖縄100kウルトラマラソン2022、なんくるないさー

中間点

 

コース中間50キロ地点は、糸満市役所前広場。
コース上、もっとも大きなエイドです。
希望者は、自分の荷物もおけますが、ぼくは利用はしませんでした。

いせいのいいオヂサンに押されて、爆弾おにぎりを2個いただく。
うーん、爆発しそう。
食べものがおいしく感じられているうちは、まだ大ジョーブです。

ふう、とちょっとだけ腰をおろす。
ですが、長居は禁物です。
まだ50キロを残しています。
午前11時20分に、再出発。

さあて、いよいよ復路です。
ここまで、さんざん向い風に押しもどされてきました。
後半は、風をうけて、ヨットのように疾走だ。

うーっむ、なのにおかしい。
方向転換しても、風が向かってくるんですけど。
もう、考えまい。

前半コースが海岸沿いならば、後半コースは内陸に入ってゆきます。
そのぶん、のぼりくだりが増えてきます。

 



おお、糸満市役所、そして50キロ地点の大エイドがまつ。

 



となりにチャントしたおにぎりもあったけど、こっちを2種いただきました、うんめ〜。

 



沖縄のエイドは、たのしい。

 



さあ、進路を復路に切り替えです。

 

あたたかさが、ほしい

 

ひとは、あたたかさに触れていられれば生きてゆける。
年とともに、そう実感します。

なのに、沖縄県民、なんでこんなに冷たいもん好きなんや。
エイドが、水、スポドリ、さんぴん茶というのは合点がゆきます。
ここに熱いお茶やコーヒーを用意してね、なんていいません。
それが、エイドです。

ただ冷たい風にふかれつづけ、冷たいものをとりつづける。
すると、オナカの中まで、冷えてきてしまいます。
オナカの中をあたためたい。
たとえ、ひとのぬくもりはなくても。

手っ取り早いのが、コース上で出会う自販機です。
そこで、あたたかい飲み物をとりたい。

ところが、いくら期待しても、ならぶ商品はみなことごとく「冷たい」飲み物。
秋をすぎれば、自販機の3分の1はホットに衣替え。
こういう変更が、沖縄ではないようです。

60キロ地点をすぎたあたりで、ようやくホットがまざる自販機を発見。
う、うれしい。
ただいちばんおいしそうだった微糖コーヒーは売り切れ。
あったかいの、売れてんじゃん。

それでも、あたたかいカフェオレをゲットできました。
しんみりと生き返ります。
力が、20%ほど回復した気がします。

 



真っ平らな空間、というのが意外に少ない沖縄。

 



まわりの木々の茂りかたを楽しみながら、坂も楽しむ、歩きながら(笑)。

 



こういうふだん味わえない光景がすてきです。

 



ようやく出会えた、ホット飲料で、ホッと一息。

 

 

100キロは、あきないか。
とくに、わたしのように遅いランナーは、景色もかわらずあきるでしょう。

いえ、そんなことはありません。
遅くったって、景色はすこしずつ移りゆくもんですし。

コースが内陸へ入る地点、68,2キロメートル。
ここから、のぼり坂が待ちかまえています。
そしてここには、エイドのほかに、ZAMST基地が設けられていました。

膝やカカトやいろんなサポーターをつくっているメーカーです。
ここで、そういう装具を貸し出してくれるというランナー応援隊制度。
ランナーに、さかんに宣伝しています。

なのに、わたくしには、声がかからない。
ほかのランナーには、いろんな装具がありますよなんて宣伝しているのに。

はだしワラーチの沖縄ばあばは、ランナーと認識されていないようです。
地元の散歩ばあばと思われているんでしょうか。
きちんとゼッケンだって、つけているのに。

となれば、こちらから声をかけるしかない。
「これから坂をのぼるのに、いいのはありませんか?」
「いやあ、‥」

残念ですね。
「おばあには、これが最適ですよ」
そういって、「」でも出してくれたら、座布団2枚あげてもよかったのに。
ZAMST、もっとがんばれ。
(すいません、アタマが混乱してますもんで)

 



通行人は、くぐるか車道利用となります。樹勢の沖縄。

 



坂を楽しめるようになると、沖縄100kは魅力的になれそう。

 



へこたれるな、へこたれるな。にしても、歩道もせまい。

 



高くなれば、景色が楽しめますから。

 



午後になって、ちょっとだけ日が射してきました。

 



バスの停留所、ガジュマル、海、絵になっていて感動の構図。

 

最終関門

 

この大会には、途中に8カ所の関門制限時間がもうけられています。
その8番目の最終関門が、91,9キロ地点。
そうそう、なんとかなんとか、ここまでやってこられました。
ここの制限時間は、スタートから12時間55分後の、午後5時55分。
もう、じゅうぶんに暗くなる時間帯。

ここを突破できれば、あとはゴールまで走らせてもらえます。
ただし14時間、午後7時をまわれば、完走メダルはもらえません。

しばらく前から、気になっていました。
間にあうだろうか。

たよりの腕時計は、走行距離や分速なども表示します。
ただ、それだけに時刻表示部分が、小さくなります。
暗くなって、わたしの視力では見づらくなっています。

もう時刻表示だけで十分。
ふつうの時計表示にかえます。
距離感は、過去4回の出走で、あらからわかっていますから。

とにかく、最終関門に飛びこめ。
はい、ようやくたどり着いたとき、腕時計は5時50分でした。
制限時間5分前、あぶない。

あせる気持ちもありますが、ここの名物「沖縄そば」をいただきます。
おいしい。
そして、あたたかな汁がオナカに染み入ります。

 



のぼりつめた先に見えるトンネルの先に待つものは何か?

 



答えは、ニライカナイ橋からの絶景、もうすぐ85キロ。

 



92キロの最終関門で、いそいで沖縄そばをいただきます、もう時間がない。

 

どうみても

 

とはいえ、ゆっくりくつろぐ余裕はもてません。
お礼をいうと、早々とエイドを飛びだします。
足元が暗くなったので、手持ちのライトも点灯しました。

あと8キロ。
残された時間は、1時間と5〜6分。

偶然ですが、ふだんのウイークデイの定番朝ランコースは約8キロあります。
いつもは、そこを50分くらいで一周して朝のはじまり。
あつい夏は、もうちょっとかかっています。

いまは、すでに精も根もつきています。
そんなアタマで計算してみる。
もう無理じゃん

どうみたって、今の状態で、いつもの朝のスピードは出せません。
ところが、べつのアタマが声を出してきます。
いける、いける

まだ終わっていないのに、そんな結論出してどーするのさ。
なんのために、沖縄まで来ているのさ。
「あきらめたら、そこでゲームセットだよ」
スラムダンクか。

 



日が落ちて、グングンと暗くなってゆきます。

 

がむしゃら

 

仙骨をあげる。
胴体を、サラシにあずける。
そうすると、不思議とカラダが前に進むんです。
羽織ハカマ走法で気がついた身体感覚です。

休むな。
歩くな。
すすめ、すすめ。
暗くなったことと、前後にランナーがいないことをいいことに、大声で気合いをかけます。

だらだらとした坂をのぼりきって、おりたった最終エイド。
あと3キロの表示。
コースは、海岸線にでてきました、もう坂なし。
向かってくるのは、風だけです。

あと残された時間は、どれくらいか。
そんなの気にする余裕はありません。
もう腕時計は見ない。
くらやみの中、とにかく走る。

スタート時に通ったこの道。
まだ、まっ暗でした。
そして、帰路もまっ暗。

同じ道を、もしかしたら行くときよりも速く走っている。
レースや風景写真をとる時間も、おしんで進みます。
できるだけのことを、してみよう。

 



ああ、ようやくゴール会場の明かりのなかへ、して時刻はどうなっているのか。

 

ゴール場のあかりが見えてきました。
だんだんと、会場のアナウンスも届いてきます。
ゴールラインを越えた場所には、今年も沖縄衣装の完走応援隊が待ちかまえてくれています。
そう、わたくしの仲間(苦笑)。

ここで、腕時計に目をおとしました。
ああ、あと3分ほど、時間がありそう。
フラフラと、ゴールラインを踏みます。

時間は13時間56分14秒。
ホントに、制限時間まで、あと3分でゲームセット。

さすがに、最後のダッシュ走はこたえました。
ただ、それをうわまわるうれしさが爆発。
なんで、こんなにもうれしんだろう。
ウルトラの魅力(魔力?)、底知れずです。

そしてシャトルバスで、那覇市内のホテルに帰還。
まずは、ゆったりとおフロであたたまりました。
同時に、衣類とキモノを2回にわけて洗濯。
という間に、もう外に食べに出る力もなくなり、そのままベッドでバタンとなってしまいました。

 



制限時間3分前のゴール。そろそろ、この仲間さんに入れてもらいたいな。

 



さようなら沖縄、やっぱり最高です、休診しても(笑)。

 

たーさん
ただ前へ 前へ前へと 無我夢中

 

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