中間点
コース中間50キロ地点は、糸満市役所前広場。
コース上、もっとも大きなエイドです。
希望者は、自分の荷物もおけますが、ぼくは利用はしませんでした。
いせいのいいオヂサンに押されて、爆弾おにぎりを2個いただく。
うーん、爆発しそう。
食べものがおいしく感じられているうちは、まだ大ジョーブです。
ふう、とちょっとだけ腰をおろす。
ですが、長居は禁物です。
まだ50キロを残しています。
午前11時20分に、再出発。
さあて、いよいよ復路です。
ここまで、さんざん向い風に押しもどされてきました。
後半は、風をうけて、ヨットのように疾走だ。
うーっむ、なのにおかしい。
方向転換しても、風が向かってくるんですけど。
もう、考えまい。
前半コースが海岸沿いならば、後半コースは内陸に入ってゆきます。
そのぶん、のぼりくだりが増えてきます。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080475-1024x768.jpg)
おお、糸満市役所、そして50キロ地点の大エイドがまつ。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080476-1024x768.jpg)
となりにチャントしたおにぎりもあったけど、こっちを2種いただきました、うんめ〜。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080477-1024x768.jpg)
沖縄のエイドは、たのしい。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080479-1024x768.jpg)
さあ、進路を復路に切り替えです。
あたたかさが、ほしい
ひとは、あたたかさに触れていられれば生きてゆける。
年とともに、そう実感します。
なのに、沖縄県民、なんでこんなに冷たいもん好きなんや。
エイドが、水、スポドリ、さんぴん茶というのは合点がゆきます。
ここに熱いお茶やコーヒーを用意してね、なんていいません。
それが、エイドです。
ただ冷たい風にふかれつづけ、冷たいものをとりつづける。
すると、オナカの中まで、冷えてきてしまいます。
オナカの中をあたためたい。
たとえ、ひとのぬくもりはなくても。
手っ取り早いのが、コース上で出会う自販機です。
そこで、あたたかい飲み物をとりたい。
ところが、いくら期待しても、ならぶ商品はみなことごとく「冷たい」飲み物。
秋をすぎれば、自販機の3分の1はホットに衣替え。
こういう変更が、沖縄ではないようです。
60キロ地点をすぎたあたりで、ようやくホットがまざる自販機を発見。
う、うれしい。
ただいちばんおいしそうだった微糖コーヒーは売り切れ。
あったかいの、売れてんじゃん。
それでも、あたたかいカフェオレをゲットできました。
しんみりと生き返ります。
力が、20%ほど回復した気がします。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080480-1024x768.jpg)
真っ平らな空間、というのが意外に少ない沖縄。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080481-1024x768.jpg)
まわりの木々の茂りかたを楽しみながら、坂も楽しむ、歩きながら(笑)。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080483-1024x768.jpg)
こういうふだん味わえない光景がすてきです。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080486-1024x768.jpg)
ようやく出会えた、ホット飲料で、ホッと一息。
杖
100キロは、あきないか。
とくに、わたしのように遅いランナーは、景色もかわらずあきるでしょう。
いえ、そんなことはありません。
遅くったって、景色はすこしずつ移りゆくもんですし。
コースが内陸へ入る地点、68,2キロメートル。
ここから、のぼり坂が待ちかまえています。
そしてここには、エイドのほかに、ZAMST基地が設けられていました。
膝やカカトやいろんなサポーターをつくっているメーカーです。
ここで、そういう装具を貸し出してくれるというランナー応援隊制度。
ランナーに、さかんに宣伝しています。
なのに、わたくしには、声がかからない。
ほかのランナーには、いろんな装具がありますよなんて宣伝しているのに。
はだしワラーチの沖縄ばあばは、ランナーと認識されていないようです。
地元の散歩ばあばと思われているんでしょうか。
きちんとゼッケンだって、つけているのに。
となれば、こちらから声をかけるしかない。
「これから坂をのぼるのに、いいのはありませんか?」
「いやあ、‥」
残念ですね。
「おばあには、これが最適ですよ」
そういって、「杖」でも出してくれたら、座布団2枚あげてもよかったのに。
ZAMST、もっとがんばれ。
(すいません、アタマが混乱してますもんで)
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080488-1024x768.jpg)
通行人は、くぐるか車道利用となります。樹勢の沖縄。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080489-1024x768.jpg)
坂を楽しめるようになると、沖縄100kは魅力的になれそう。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080494-1024x768.jpg)
へこたれるな、へこたれるな。にしても、歩道もせまい。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080490-1024x768.jpg)
高くなれば、景色が楽しめますから。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080491-1024x768.jpg)
午後になって、ちょっとだけ日が射してきました。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080492-1024x768.jpg)
バスの停留所、ガジュマル、海、絵になっていて感動の構図。
最終関門
この大会には、途中に8カ所の関門と制限時間がもうけられています。
その8番目の最終関門が、91,9キロ地点。
そうそう、なんとかなんとか、ここまでやってこられました。
ここの制限時間は、スタートから12時間55分後の、午後5時55分。
もう、じゅうぶんに暗くなる時間帯。
ここを突破できれば、あとはゴールまで走らせてもらえます。
ただし14時間、午後7時をまわれば、完走メダルはもらえません。
しばらく前から、気になっていました。
間にあうだろうか。
たよりの腕時計は、走行距離や分速なども表示します。
ただ、それだけに時刻表示部分が、小さくなります。
暗くなって、わたしの視力では見づらくなっています。
もう時刻表示だけで十分。
ふつうの時計表示にかえます。
距離感は、過去4回の出走で、あらからわかっていますから。
とにかく、最終関門に飛びこめ。
はい、ようやくたどり着いたとき、腕時計は5時50分でした。
制限時間5分前、あぶない。
あせる気持ちもありますが、ここの名物「沖縄そば」をいただきます。
おいしい。
そして、あたたかな汁がオナカに染み入ります。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080496-1024x768.jpg)
のぼりつめた先に見えるトンネルの先に待つものは何か?
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080497-1024x768.jpg)
答えは、ニライカナイ橋からの絶景、もうすぐ85キロ。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080500-1024x768.jpg)
92キロの最終関門で、いそいで沖縄そばをいただきます、もう時間がない。
どうみても
とはいえ、ゆっくりくつろぐ余裕はもてません。
お礼をいうと、早々とエイドを飛びだします。
足元が暗くなったので、手持ちのライトも点灯しました。
あと8キロ。
残された時間は、1時間と5〜6分。
偶然ですが、ふだんのウイークデイの定番朝ランコースは約8キロあります。
いつもは、そこを50分くらいで一周して朝のはじまり。
あつい夏は、もうちょっとかかっています。
いまは、すでに精も根もつきています。
そんなアタマで計算してみる。
「もう無理じゃん」
どうみたって、今の状態で、いつもの朝のスピードは出せません。
ところが、べつのアタマが声を出してきます。
「いける、いける」
まだ終わっていないのに、そんな結論出してどーするのさ。
なんのために、沖縄まで来ているのさ。
「あきらめたら、そこでゲームセットだよ」
スラムダンクか。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080501-1024x768.jpg)
日が落ちて、グングンと暗くなってゆきます。
がむしゃら
仙骨をあげる。
胴体を、サラシにあずける。
そうすると、不思議とカラダが前に進むんです。
羽織ハカマ走法で気がついた身体感覚です。
休むな。
歩くな。
すすめ、すすめ。
暗くなったことと、前後にランナーがいないことをいいことに、大声で気合いをかけます。
だらだらとした坂をのぼりきって、おりたった最終エイド。
あと3キロの表示。
コースは、海岸線にでてきました、もう坂なし。
向かってくるのは、風だけです。
あと残された時間は、どれくらいか。
そんなの気にする余裕はありません。
もう腕時計は見ない。
くらやみの中、とにかく走る。
スタート時に通ったこの道。
まだ、まっ暗でした。
そして、帰路もまっ暗。
同じ道を、もしかしたら行くときよりも速く走っている。
レースや風景写真をとる時間も、おしんで進みます。
できるだけのことを、してみよう。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080502-1024x768.jpg)
ああ、ようやくゴール会場の明かりのなかへ、して時刻はどうなっているのか。
ゴール場のあかりが見えてきました。
だんだんと、会場のアナウンスも届いてきます。
ゴールラインを越えた場所には、今年も沖縄衣装の完走応援隊が待ちかまえてくれています。
そう、わたくしの仲間(苦笑)。
ここで、腕時計に目をおとしました。
ああ、あと3分ほど、時間がありそう。
フラフラと、ゴールラインを踏みます。
時間は13時間56分14秒。
ホントに、制限時間まで、あと3分でゲームセット。
さすがに、最後のダッシュ走はこたえました。
ただ、それをうわまわるうれしさが爆発。
なんで、こんなにもうれしんだろう。
ウルトラの魅力(魔力?)、底知れずです。
そしてシャトルバスで、那覇市内のホテルに帰還。
まずは、ゆったりとおフロであたたまりました。
同時に、衣類とキモノを2回にわけて洗濯。
という間に、もう外に食べに出る力もなくなり、そのままベッドでバタンとなってしまいました。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/IMG_4546-768x1024.jpeg)
制限時間3分前のゴール。そろそろ、この仲間さんに入れてもらいたいな。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2022/12/P1080520-1024x768.jpg)
さようなら沖縄、やっぱり最高です、休診しても(笑)。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2018/11/76f3e759415ad1690bfae003ac05144c-e1542443258483.jpg)
ただ前へ 前へ前へと 無我夢中
↓ よろしければ、清き1票をお願いします(1日ワンクリック有効)
![にほんブログ村 その他スポーツブログ マラソンへ](https://b.blogmura.com/sports/marathon/88_31.gif)