上信国境ダムtoダム ハイランドラン、別天地へ

いこい

 

だいぶ、のぼりあげてきたなあ。
ひとりで、感傷にふけります。

急峻な山肌にはさまれて、上信国境がちかづいてきました。
そこにいきなり視界に入る、なにやら場違いな広場のような空間。
しかも、その中心部には、マイクロバスの集団。
5台か、6台か。
レース中のフラフラ頭脳で、正確な数は忘れちゃいました。

なんで、こんな山中に。
バスの墓場ですか?
すると、その周辺に人かげが。

あとでわかったのですが、帰りはココからスタート地点まで輸送していただける基地でした。
その方々にもはげまされて、さらにすすみます。

すると、ふたたび、くずれた山肌を確保するための緊急処置場面へ。
ベニア板の足もとが、不安感をかきたてます。
そして、その先には、やすらぎのエイドテントが。

おまんじゅう、アイスまんじゅう、そして飲みもの。
じつに辺鄙な場所でのご接待に、身にしみるおいしさです。

すぐ先には、絶壁のような山肌。
でも大丈夫です、ちゃんとトンネルがみえます。

 



こういうところを走らせていただいて、感謝です。

 



オマンジュウ2種、ひとり1個ずつどうぞと。もう、こんなに来ませんよ。

 



なんと、白いオマンジュウの中からは、冷たいアイスの出現に感動、雪見大福みたいな食感。

 

まっくらやみ

 

電気は、だいじょうぶですか?」
トンネル入り口で、スタッフの方に確認されました。

トンネルの入り口に歩みよると「御巣鷹山トンネル」とほられています。
あの、御巣鷹山をつらぬくトンネルですね。

工事車両専門トンネル。
一般通行不可
きょうは、レースのための特別開放です。

長さ約2キロ。
特筆すべきは、中には、灯りはひとつもないこと。
そして「ずっとのぼりだよ」といわれました。

うしろ組なので、前にランナーが見えません。
ですので、トンネルに入ると、先はまっくら
わが人生と同じじゃないか。

ひとり、トボトボと、のぼりはじめます。
のぼりなので、もう走れません。

路面が、やけに輝いているようだけど。
ろう」でもぬったような、キラキラ感。
よく見ると、全面が、ほどよく濡れていたためでした。
ヒンヤリ感と、ムンムン感の同居。
のぼるにつれて、湿気がはなはだしく、濃いモヤが囲みます。

ふっと振りかえると、下方から、ランナーのライトがゆれています。
うわあ、幻想的。

こんなところを、あるいてのぼる。
貴重な体験をさせてもらっています。

 



でーんと、2キロのトンネルが待ち構えていました。

 



あの御巣鷹山の下をとおるトンネルのようです。

 



真っ暗闇なんですが、ふと後ろを振りかえったら、後続のライトで感激。

 



そして、ついに出口がみえてきました、出口のないトンネルはない?

 

別天地のしあわせ

 

トンネルをぬけると、透明にかがやく初秋の陽射し。
湿気のこもったトンネル内にいたため、とりわけ空気が軽く感じます。
今宵の16夜を演出してくれそうなススキの群落。
世界が、一変してしていました。

やがて、なだらかな傾斜がつくる大きなダムがみえてきました。
たぶん、あれが南相木ダム
ダム広場には、たくさんの人がくつろいでいます。
もう、お祭り場みたいです。

わあ、ダムだ、ゴールだ、いがいにはやいぞ。
すると、スタッフの方が「アッチ、アッチ」の指示。

ダム湖を1周してこないと、ゴールにならないんだそうです。
「どのくらい、あるんですか?」
「5キロです」

南相木ダムをかこう道は、舗装こそされていませんが、ほぼ平面
あとは、一歩一歩、すすむだけです。
路面は、すっかりかわいています。

結局、コースはすべて車のとおれる道でした。
なので、「ヒル」との出会いは、ありませんでした。

上信国境は、ヒルの生息が確認されています。
天敵のいないヒルが、野生動物に寄生して、広がっているようです。
ヒルは、じつにやっかい。

いつの間にか張りついて、血をすっています。
止血剤を出しながら血を吸うので、なかなか出血がとまりません。
手で払おうとすると、歯がのこって、さらに止血困難

ヒルの研究から、抗凝固剤が開発されたようですが、人類の立役者とはいいにくい。
山道で、けっして出会いたくないムシです。
これこそが、今回のレースでもっとも危惧していた材料です。

ということで、念のために、ヒルセットをもってきました。
ヒル防止スプレーは、走る前に念をいれて吹きかけておきました。
ヒル落としには、ヒルの嫌うエタノールスプレー
バンドエイド。
用意万端でしたが、活躍の場がなかった、というのはよかったことです。

 



一般通行ままならぬの、御巣鷹山トンネルの信州側出口、そう、ここから長野県。

 



ふだんは、これが閉まっているようです。

 



急に、カラッとした信州天気のなかに放りこまれました、本日は十六夜。

 



そしてついに、南相木ダム、なにやら、よじ登れそうな雰囲気(たぶん、おこられます)。

 



もうすでにゴール解放感のランナーたち、ここに加わるために、あとダム1周だとか。

 



リュックの中に持参しておいた「ヤマビル」セットは、今回は出番なし、やれやれ安堵。

 

極楽

 

光に反射する湖面をのぞみながら、ゆっくりと1周。
そして、念願のゴール

タイムは、3時間28分29秒。
その場で発行の完走証には、順位もでていました。
総合順位 0位。
男女別順位 0位。
60代順位 0位。
順位がカウントされてません。
わたしゃ、モグリだったのかな。

ダム広場にはテントがならび、オバちゃんたちの元気な声。
南相木村オバちゃん部隊、ランナーよりはしゃいでいます。
おソバ、手作りドーナッツ、ツケもの、もろこしすべて無料
「イチゴもあったけど、なくなっちゃって残念ねえ」
「おいしいって、いっぱい食べちゃうひともいたから」
できれば、あとのランナーにも残しておいてくれる心遣いが欲しいです。

のどかな雰囲気に、つい長居をしてしまいました。
すてきな大会です。
そして南相木ダムからの眺望も見もの。
なにしろ、標高が一番高いところにあるダムらしいです。

 



標高日本一らしいダム湖の水はすんでいます。

 



ダムを囲むトンネルの上に、蜂の巣がありましたが、ハチはもういなそう。

 



思ったよりひろいダム湖です、さすが1周5キロって、皇居と同じかい。

 



奥へ奥へとむかいます、唯一の非舗装区間。

 



ようやく、向こう岸のランナーが見えてきました。

 



そして、Uターン、先にダムが見えてきました。

 



コース上で出会ったこの「骨」は、足の骨のようだけど、人間のとは違うよな。

 



つい、こういうのを作っちゃうヒトがいるんですね、意味不明。

 



ダムの上にでてきました、突き当たりがゴールです。

 



ダムの下をのぞきこむと、何やら公園みたいな雰囲気。

 



ご近所徘徊中のオッサン、でしかありませんね。

 



今回は、簡易タビ、そしてすてきな完走メダル。

 



ランナーの密度が少なくなってきています。

 



おお、相木ソバということで、おいしゅうございました。

 



手作りという「ミセスドーナッツ」の提供。

 



真っ黄色なのは、カボチャんだよ、と南相木村婦人部のオバちゃんの力説、おいしい。

 

帰路のヒヤヒヤ

 

ゴールしたので、さあ解散
ってなってしまったら、万事休すです。
交通機関、ありません。

マイクロバスで、スタート地点まで、送っていただける算段のようです。
とはいえ、傷ついたコース。
そのまま、ストレートにマイクロバスは通れません。
かといって、脇道もなし。

ということで、まずは御巣鷹山トンネル入り口まで輸送。
トンネル内は、徒歩(走っても可)。
その先から、広場までの1キロも徒歩。
そういうアナウンスがされていました、トホトホ。

よし、歩くぞ。
覚悟を決めて、バスに乗りこみます。

ところが、バスはスルスルとトンネル内にすべりこむ。
さらに、とんでも応急処置の山肌に突入
いやいや、両脇との差が、数センチくらいしかないのに。
くわえて、下はベニヤでしょ。
とんだ肝試しを経験できました。

そのあとは、上野村側のバスにバトンタッチ
上野村バスの運転手さん、待ち時間にいろいろ会話。
日航ジャンボ機墜落事故時のはなしを、リアルに再現。
やはり、上野村です。

スタート地点の駐車場で、自分の車にのりかえ帰路。
この日は、久しぶりの好天。
ということで、家についてから2時間ほど野良仕事
秋の準備と、草との格闘。
ツルベがが落ちる前に、やることはイロイロあります。
(ひごろの手抜きのツケがたまっているだけです)

 



車幅ギリギリの崩落現場を、果敢につっこんでくださる運転手さん。

 

たーさん
あたたかさ にふれた山旅 国境の旅

 

↓ よろしければ、清き1票をお願いします(1日ワンクリック有効)
にほんブログ村 その他スポーツブログ マラソンへ