上信国境ダムtoダム ハイランドラン2022、ゆくよ

ツインズ

 

長いんです、名称が。
正式名称「上信国境ダムtoダム ハイランドラン」です。

主催者のもくろみは、どこにあるんでしょうか。
ちゃんとした姿を伝えるためですか。

たしかに、上州と信州の国境をこえた2つのダムの間を走ります。
標高が高いから、ハイランドです。
それとも、単に、ランニング界の寿限無を目ざしているんですか。

できれば、ひと息でいいきれる名称を希望します。
たとえば、「ツインズダムラン」とか。

そうすると、いろんな意見が出るかもしれません。
2つのダム路をつなぐだけなら、どこだってできるよ。

ところが、わたくしは意味もなく「ツインズ」とはいいません。
ゴール地点の長野県南相木村の「南相木ダム」。
スタート地点の群馬県上野村の「上野ダム」。

名前のつけ方は、なんとも直球すぎますけど。
じつは、この両ダムは、地下を水路で結ばれているんです。

信濃川水系南相木川にもうけられた南相木ダムは「上池」。
利根川水系神流川にもうけられた上野ダムは「下池」。
両者には、653メートルの落差(標高差)があります。
ここに、巨大な地下水路をつくる。
そして上池から下池へと、水を流す。

水路のほぼ中間点の地下500メートルに水力発電所ができています。
すでに稼働していますが、すべてが完全に稼働をはじめると最大出力282万kwという日本最大級の水力発電施設になるのだとか。

ですから、単に距離が近い関係、じゃないんですね。
そんな素敵な関係の間を走るんです。

 



上野村の上野ダム、おっきいです。

 



ダムの上は、悠々な広さと長さで、ダッシュの練習もできそうです。

 



水をたくわえていますが、4日前の大雨で、にごっていました。

 



下を見ると、クラクラしますが、虹もかかってきれいです。

 

第一回大会

 

初回です。
ここに、大会の意気込みや趣旨があらわれてきます。

まずは開会のセレモニー。
ごあいさつは、地元上野村の村長さん。
つづきまして、ゴール地点の南相木村の村長さん。
両村あげてのバックアップと知ります。

そうしているうちに午前10時。
スタートの時間となってきました。
秒読みからはじまり、いざスタート、の号砲がでない。
どうやら空砲のようでした、さすが第一回。
うーん、と思っていたら、やおらバーン。
ランナーの列が動きはじめました。

わたくしは、相変わらずの最後尾です。
とはいえ、総勢は180名ほどといいますから、こじんまりとした集団です。
すぐにスタートラインを超えました。
ここから、約23キロの道のり。
累積標高1,057m。

 



 

 



さあさあ、いよいよ出発をまつ状況となりました。

 



いよいよスタート、晴天です。

まずはライトから

 

ランナーの多くは、スタート前から、ライトを装着しています。
スタートして、最初に出迎えるのが、トンネル連合だからです。

通行量は決して多くはないトンネル
なので、照明設備はあったり、なかったり。
あっても、申し訳程度の灯りです。
発電所のお膝元であっても、質素です。

ということで、ライトは必須と書かれていました。
そもそも、歩く人を想定されているのでしょうか。
長いトンネル、短いトンネルと、4本をくぐり抜けました。

すると、渓流沿いに出てゆきます。
水流は、4日前の豪雨をのこして、にごっています。

そうです、レース4日前に、モーレツな雨にみまわれたそうです。
そのため、コースの一部も崩落。
緊急突貫工事のおかげで、とりあえずの通行は確保していただいたそうです。

主催者側の、涙ぐましい努力のあとを、走らせていただいています。
うれしいです。
この熱意に応える走りをみせよう。

というココロザシとは裏腹に、ペースはあがりません。
コースのほとんどが、のぼりですから。

 

 



いきなりのトンネルに突入、というところから始まります、待ってくれえ。

 



このトンネルは、明るいトンネル、ほかに暗いトンネルも。

 



トンネルを出ると、次のトンネルへ、というのが4つ続きます。

 



さあ、山道のはじまり、まだ緑が濃いです。

 

一歩一歩

 

きりたった道を、右に左にまわりながら、のぼり続けます。
両側の斜面の角度が、きわだっています。
なので、大小の岩が、道路上にもゴロゴロ落ちています。
すごいところに、道をつくったものです。

しかも、そんなコース上に、3カ所もエイドを設けていただいています。
最初のエイドは、4,5キロ地点。
ペットボトルの水だけですが、その気持ちがうれしいです。
しかも、地元上野村の水じゃありませんか。

この先、道がふたつわかれます。
まっすぐに進むと「御巣鷹の尾根」へと書かれています。

レースは、そこに入らず、右に折れてのぼりはじめます。
つづら折れの道の連続。

やがて、北面に視界がひらけてきました。
見下ろすと、遠くに、スタート地点の上野ダムの姿が。
クネクネと、ここまできたのだな。

のぼりは苦しいけれど、ときどき高度をたしかめる。
その変化は、充実感も、たのしめます。

 

 



なにやら意味深な「中止の滝」の案内図、これは見にゆかねば。

 



中止の滝、レースは中止しません。

 



コース上のエイド。

 



提供されるのは、地元の上野村の源流水でした、沢水でもよかね?

 



そうか、ここから、あの現場へと続くのですね。

 



こんなところに、立派な道をつくられて。

 



ただただ、緑の中をゆく爽快感。

 

ツメあと

 

左に切りたった斜面と、水量の多い沢の音。
右におおきくカーブする道路。
そこが、パカっと割れていました。

道の半分が、完全に崩落しています。
ガードレールだけが、宙に浮いて、つながっています。

ここ、ヤバいよね。
4日前の大雨のツメあとのようです。

残された部分だけで、とりあえずの通行路の確保。
そのための突貫工事。
そう聞いています。
にしても、足もとが、スッパリと切りとられています。

わたくし、高所恐怖症
とくに切りたった斜面というシュツエーションに弱い。
なのに、つい、のぞきこんでしまう怖いもの見たさ。

ここ、ホントに大丈夫なの?
下からの支えを失って、ズリっと落ちないか。

恐る恐る通過して、再スタート。
のぼり道を、歩いたり、歩いたり。

ときおりあえらわれるくだりは、その挽回に、一気にかけおりる。
というような体力もなく、ゆるりとくだる。
少しずつ、前にすすみます。
(つづく)

 



こりゃあ、大規模な崩落現場ですよ。

 



こわい、だけど見たい、でもこわい。

 



下へ崩れるだけじゃなく、上から攻撃されるところも。

 



上州と信州を境する山なみが、だんだんと近づいてきました。

 

たーさん
御巣鷹の 山に向かいて 走りだす

 

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