チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン2019(100キロ)、後半の部

気分一新

 

56キロ地点の足和田出張所広場には、自分の荷物をおいておけます。
わたしは、ここもシンプルに。


中間点のドロップバック内容。予備のワラジ、水でぬらしたタオル、ドラ焼き、ゼリー、塩ようかん。
濡れたタオルで、顔や手をふくと、実にサッパリするんです

一応、予備のワラジも用意しておきましたが、今のところ問題なし。
はきかえる必要はありません。
でも、念のため、新しいワラジを腰にまきつけて再出発。

ここは第3関門
出発は、関門閉鎖時間の25分前です。
ギリギリではありませんが、余裕をもって、なんていえません。


英気をやしなう中間地点

 

実質的な、後半戦のスタート。
さあ走るぞ、と息巻きたいところですが、そのココロザシも瞬殺でくずれさります。
いきなりの、のぼり坂
しかも、けっこうな急勾配

河口湖から西湖への道は、走るものにとって、やさしくはありません。
気持ちとはうらはらのトボトボ歩き。
途中にみえるのは、霊園。
そしてトンネル。

もくもくと、一歩一歩のぼるだけです。
そして、ついに西湖湖畔へ。

 

異次元空間

 

湖畔にでる、ということは、道が平らになってゆくことです。
さあ、走りはじめよう。
でも、ここらあたりで、力つきてゆきます。


うれしかったアンパンマンの、私設エイド。

 

疲れはピーク。
あつい日差し。
意外に単調な光景。
前後にポツリ、ポツリとしか見えない人かげ。

どうみても走りつづけられるシュチュエーションではありません。
ですが、ココロで「歩かないぞ」と念じていると、カラダは走りはじめます。

ただ、その走り方に、力強さはまったくありません。
ヒザも、あがりません。
幽霊がヒタヒタと忍びよるような、必要最小限の動きになっています。
西湖北岸からはじまる、じつに不思議な感覚。

日頃のクンレン?
そんなもの、一切がご破算にされてしまうようなカラダの使い方です。
でも走れている。
自分でも、まだよくわからない、不思議な体感です。
決して、悪いもんじゃありません。

 


不思議体験をする西湖からのぞむ富士

 

切りかわる景色と状況

 

西湖をぬけると、コース幅もせばまり、景色の変化があわただしくなります。
のぼり坂で、フッと足に違和感が生じました。

右足のワラジのハナオが、急にゆるみだしたのです。
ワラジの耐久性は、わたしの同じで、決してよくはありません。
ただし多くは底がすり切れるまで履けるのですが、そうなる前に、突然に空中分解ならぬ編み方がバラけてしまうことがあります。
それが、おきました。

何度か立ち止まり、しゃがみこんではヒモをしばりなおす工夫を加えますが、だんだんとバラけ具合がすすみます。
切れてきたわけではないので、直しながら進むことは可能です。
でも、あとフル1本分の距離がある。

よし、次の給水所ではきかえよう。
63キロ地点の野鳥の森公園のエイドに到着しました。
ここは、鳴沢村の方々の、大バックアップエイドです。
名物、吉田うどんがいただけます。
走っている最中なので、しょっぱいツユまで、何もかもがおいしい。
それだけじゃなく、オモテナシの数々にいやされます。

オナカを満たしたあと、新しいワラジに足をとおします。
すぐ横の樹海の景色も、ワクワクうれしい。

 


力がモリモリ、吉田うどん。シンプルなのに、うまい。

 


新しいワラジにはきかえ


おりてつづけてゆく赤池大橋。 はやくもUターンするランナーと顔を合わせます

 

あと5キロは、今年も敗北

 

長い弧をえがいて下る赤池大橋をすすむと出会える精進湖をグルリと周回すると、向かう方向がゴール方面になってゆきます。

しばらく続くのぼりを、ゆっくりですが一歩一歩かけあがります。

えっ、それで走ってるつもり?
そうです、気分は走っています。
スピードは出ていなくても、アキラメナイ。


止まらない、歩かない。一歩一歩前へ

 

午後もまわって、黒い雲もでてきました。
雨にはなりませんが、風が冷たくなってきました。

かえりの西湖南岸は、なぜがスピードが回復してきます。
ふたたび河口湖に入り、90キロ手前のキューピーちゃんエイド。
ウメボシの入ったおかゆがおいしい。
残念ながら、ことしはキューピーちゃんには出会えませんでした(休憩中といわれました)。

 


ふたたび西湖に入ると、スピードが回復します、80キロすぎ

 


富士を目指して、街なかの勾配をすすむ。ま、歩き入りますけどね。

 

そしていよいよ95キロ河口湖ステラシアター
あたたかい飲み物がいやされます。
そしてコース上へ。
あと5キロ。

と決心してロードに出てまつものは、3キロののぼり坂です。
はじめチョロチョロ、中パッパ。
のぼるにつれ、傾斜が強まります。


今回もやぶれた、最後の坂道。歩き。

 

たかが3キロ。
うちの方にも、3キロつづく坂道があって、一気に駆けのぼり、Uターンして飛び降りる、は何度もしています。

それと同じだ。
でも、足があがらない。
駆け出しても、足がついてこない。
というべきか、気持ちがついてゆけないのか。

ああ、今年も、歩きでのぼり(泣)。

 

そしてゴール

 

それでも、最後の最後は、2キロのくだり坂を用意してくれています。
走りのスピードが、ちょっとだけあがる。
少しずつ、ふえる灯り。
何より、ポツリポツリふえてくる沿道の声援。

ああ、人の声って、こんなに暖かいんだ。
声援に応えることで生じる力。

いまは、お金さえだせば、世界中のどこにでもゆける時代です。
でも、ここは、走ることでしかたどることのできない道。
走ることでしか、踏むことのできないゴールライン。

テープを切り、かけていただく完走メダル。
肩にかけてもらうバスタオル。
おつかれさま」というねぎらいのコトバ。

今年も、たくさんのあたたかさに触れた旅でした。

タイム:12時間57分00秒
2024名出走 1428名完走 完走率70,6%


あと一歩、あと一歩

 


ああ、走ってでしか、たどりつけない特別な場所。夕暮れ。

 


足に感謝

 

たーさん
ありがとう こうべを垂れる ゴールかな

 

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