チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン2019(100キロ)、前半の部

作戦

 

ブログをはじめて、1年がたちました。
ブログが何たるか、もわからないままの、手探りスタート。
今も相変わらずですが、こんなツタないものでも目を通していただける方がいらっしゃるのをハゲみに、なんとか続けています。
最初のレース報告が、1年前のこの大会。

ですので、これから同じ大会は、できるだけ「切り口」をかえてみます。

ウルトラマラソンは、42,195キロをこえて走るフルマラソンより距離の長いレース。
ですので、より周到な準備と体力と覚悟が必要。

でしょうか?

たしかにハーフマラソンとフルマラソンを比べると、シンドさはフルマラソンの勝ちです。
俗にいう、フル後半部の格別のカラダの動きにくさ。
でも、そこまで走れるようになれば、大丈夫。

あとは、作戦次第になってゆく気がします。
あ、あわてて弁護しておきますが、時間内完走をめざすときのお話です。

1秒でもはやい記録を、と願うランナーは、多分ちがうかもしれません。

 


雪も残っていました。でも、ハダシにワラジで出走します(笑)

 


スタート会場。気温2,2℃、寒い

 


富士山に見守られて、出発。無事帰ってこよう

 

 

計画

 

ウルトラマラソンは、途中関門がもうけられています。
時間内に、関門を通過できないと、そこで収容となってしまいます。

チャレンジ富士五湖(100キロ)は、100キロを14時間以内に走るレースです。
そのうち、途中関門は6カ所

まず、100キロを14時間で走るためには、単純に計算すると「キロ8分24」以内です。

フルマラソンで換算すると、5時間54分でゴールするタイムのペースです。

少し走られればおわかりでしょうが、1キロ8分24秒というのは、相当にユルいペースです。
数キロだけなら、こんなにユルく走るのにはガマンがならず、もう少しはやく走ってしまいかねません。
だいたい、1キロ6分台くらいが、気持ちいいはやさでしょうか。

ところが、本大会の関門閉鎖時刻は、この1キロ8分24秒の均等割していません
とくに前半の3カ所まで、もっとガンバらねば、切られてしまうのです。

参考までに、わたしの計算したキロあたりのはやさと、フルマラソン換算のペース(想像しやすかと思って)をのせてみます。
関門 距離(km) 制限時間 ペース(時間/km) フル換算
17,4 2時間15分 7分48秒 5時間29分
38,7 4時間45分 7分24秒 5時間12分
56,4 7時間 7分30秒 5時間16分
72,2 9時間30分 7分54秒 5時間33分
80,6 11時間 8分11秒 5時間45分
94,8 13時間15分 8分23秒 5時間54分
 

表の見方は、第一関門までは、キロ7分48秒以内のペースですすまねばならない。
これは、フルマラソンでいうと、5時間29分でゴールするペースですよ、という意味です。

しかも第一関門はそれで通過しても、第二関門は、キロ7分24秒以内にペースを上げないとアウトになります。
これは、フルマラソンでは、5時間12分以内でゴールするペースとなります。
つまり、第一関門ギリギリのペースでいったら、第二関門は間に合わないよ、という意味です。

つまり、制限時間は14時間もあるから最初からユッタリ、は通じません。
くわえて、第2関門手前4キロは、けっこうな登りがつづきます。
平地のペース配分でのぞんでしまうと、泣きをみます。

前半は、けっこうエグい関門設定、という読みができませんとギリギリランナーは泣きをみることになるんです。
そう、ウルトラは、アタマをつかうスポーツです。

 


のぼり坂も、富士山をみていれば、ってそんな余裕はないか

 


山中湖畔に入ると、あかるい日差しが歓迎

 


第一関門所のお接待。みそ汁にオニギリ。この手作り感がうれしい

 


山中湖の後半は、ずっと富士山をひとりじめ

 

 

計画は、計画

 

くわえてウルトラの特徴は「気温差」「高度差」が大きく、「時間も長」という点で、計画が立てにくいです。

気温差は、たとえば今年は、朝のスタート地点の気温が2,2℃でした。
標高1000メートルほどの高原です、寒い
会場脇には、雪がつまれていました。
ソレが日中は20℃をこえ、かつ日差しはジリジリ照りつけます。
暑さとのタタカイ。
わたしは、かなり焼けました。

そして、のぼり下りの多さです。
キロ何分で走るという計画は、平らなコースでいえる発想です。
のぼりが続く坂道に、そんなことは無理です。
じゃあ、長い下りでばん回だ、とバンバン走った日には、あとで足がもちません。

さらに1日走っているわけですから、ノドもかわくし、オナカもすきます。
給水所では、そのための補給時間が長くなります。
オニギリやウドンをいただける所もありますので、さらに停車時間はのびます。
トイレタイムだって、必要です。
わたしは、今回は2回(小)をとりました。

ということで、計画は必要、でも計画通りにはゆかないもんね、というザックリ感も必要になります。
別の表現をすれば、臨機応変さです。

なお、わたしの走るさいの装備は、だんだんとシンプルになってきています。
ウエストポーチに、少々の品々。

 


今回の走行中の装備。これにデジカメを追加。黒い方にマイカップ、黄色い方にデジカメをさして走行。食料は給水所もあるので、塩ようかん。そしてティッシュ、小銭。

 


34キロをこえると、4キロほどのぼり基調となります

 


42キロ地点は、林の中。何の案内もありませんが

 


河口湖に入ると、満開の桜が歓迎

 

いざ出陣

 

今回、100キロの部の参加者は、2000名を超えました。
そのため、午前4時30分から15分おきに、3つのグループにわける時差スタートです。

最初のグループは10時間切りのタイムもねらうランナーも多く、スタート前のインタビューでもシリアスな意気込みが流れていました。

わたしは5時スタートの最終組の完走をねらうグループ。
なんとなく、ゆるい雰囲気がただよっています。
スタートライン先頭に立ったオネーサンらしい方へのインタビューも、アイドル番組みたいな切り口になっています。
答える方も「今までの最長はハーフマラソンです。でも100キロ完走目指してガンばりまーす」と明るい。

これを聞いて、せめて間にフルの1本でもはさんだらドーヨ、なんてツッコミはいたしません。
天真爛漫な明るさが、日本を照らしてくれるのですから。
ゼッケン番号をおおきくアナウンスされていましたので、メモっておいたら、そのオネーサン、50キロまで走られたようです。

最終組はゆっくりスタートをきれるのが利点ですが、覚悟しておくべき2つがあります。

ひとつは、制限時間近くになると、真っ暗になること。
コース最後の5キロは、街灯もない山道を走りますので、けっこう怖いものがあります。

もうひとつは、レース前半部から、のぼり坂を歩くランナーがいるということ。
せめて前半は、どんな状況でも走って進みたい。
そういうココロザシをくじく光景が展開しています。
でも、ここで自分も歩こう、と考えてしまうとゴールは遠くなります。

 


河口湖から見る富士山は、春ほのぼの

 


この坂の途中に、第3関門。荷物置き場

 

前半は、気持ちよく

 

ペース配分、といいますが、体力が温存されている前半は、気持ちのよさを感じながら走ることです。
そのため、ふだんからキロ6分台を気持ちよく走れるカラダつくりが有利になります。

はやすぎない
きつくなってきたな、と感じたら歩幅をせばめる。
力が入ってきたな、と感じたらヒザをゆるめる。
スピードは落ちるかもしれませんが、カラダは楽になります。
あ、飛脚走りだと、こうなる感じということです。

桜も3分咲きの山中湖をグルリと1周し、忍野八海にむかうコース上、ひとりの同年代のオジサンランナーに声をかけられました。
H県で大学の先生をされておられるMさんといいます。
わたしの本を読んでくださっていて、ほめていただきました。
くわえて、「良書なので学生にも勧めています」だなんて。

いやあ、場所が場所なら、コーヒーでもおごりたいくらいです。
こういう方がいらっしゃるおかげで、先月は増刷となりました。
いわゆる重版出来
ありがとう、感謝です(宣伝)。

数キロを楽しいランニング談義で並走させていただきました。
天竜川ずっとくだって走る大冒険がまっているとのこと、がんばってください。

これでもか、というくだり坂の42キロ地点を、慎重にすすみます。
満開の桜の出迎えの河口湖北面をぬけ、坂をちょっとのぼった先にある56,4キロ地点の足和田出張所へと到着。
ここは自分の荷物をおいておける、遅めの中間点です。
そして第3関門(制限時間午前12時)でもあります。
ここに11時20分に着き、35分にスタートしました。
関門閉鎖25分前。
決して余裕じゃありません。
前半をこえました。

 


足和田出張所では、マイ荷物がおけます


フジの聖水で、身を清めるランナー。暑い!

そして、場面は後半戦へとすすみます(つづく)。

 

たーさん
前半は 疲れてきても 余裕みせ

 

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