タートルマラソン国際大会 2018 年10月21日(ハーフ)
朝から雲ひとつありません。
曇天、雨天つづきの10月を帳消しにしたような快晴。
ときおりふく北風が冷たさを感じさせましたが、太陽がのぼるにつれて心地よさに変わってゆきました。
絶好のランニング日和じゃありませんか。
東京足立区、北千住駅から歩いてすぐの広大な荒川河川敷が今日の会場です。
日本タートル協会が主催のこの大会は、「バリアフリー」をかかげています。
病気や障害をおもちの方、ふだん外に出る機会のなくなってしまった方、どんな方も今日は思いきり外に出ようぜ、という大会です。
といっても、特別な区別はしません。
バリアフリーの方も、一般選手と同じナンバーカードをつけます。
同じコースを走ります。
出場する以上は、同じ土俵で楽しもう。
そのために、協力し合っていこう。
ですので、「伴走」ランナーが、どこよりも多い大会です。
にぎわっています。
レースにかける思いはひとつ。
スタート前。河川敷につどうたくさんのランナーたち。
今日は、救護ボランティア参加
不肖、このわたくしも、微力ながら大会の力になれたら。
力はありませんが、この日は、少しばかり力が入ります。
黄色の目立つビブスをつけて、「何かあったら声をかけてね」体制での救護ボランティアランナーとして参加です。
そう、レースは普通に走らせていただきます。
記録も、とっていただけます。
なので、足モトだけは、いつもと同じのハダシにワラジです。
でも、ひとたび何かに遭遇したら、レースは中断して救護にかかわります。
わたし自身、いちばん救護場面が多くなっている大会です。
これまで、4名のランナーを救急車にバトンタッチするまでの救護に関わらせていただきました。
現場対応や救護車収容は、また別にいろいろありました。
たくさんの熱中症のタイプを実際に経験したのもここです。
不穏で、あばれては転倒を繰りかえすランナー。
完全に白眼になっていて、全身痙攣をおこしているランナー。
話せるのに、状況がまったく把握できない高度健忘状態におちいってしまっているランナー。
ほかにも、捻挫や脳梗塞など、実に多彩。
ハーフマラソンといえども、何でも起こりうるんです。
いろんな目的のランナーが参加されますから。
今回から、ウェーブスタート
ハーフマラソン部門は、今回から2つにわかれてのウェーブスタートが導入されました。
コースは単純です。
荒川河川敷にもうけられた道を、上流方面にのぼってゆき、折りかえしてくるもの。
すべてが河川沿いですが、まわりの景色は多彩で、飽きさせることはありません。
ウェーブスタートの効果は、スタート地点から実感できました。
都市の大型大会ですので、これまでは、必ずしもスムースなランナーの流れにはなっていませんでした。
とくにレース前半は、大げさにいうと、折りかえし地点まではランナーの流れにのって走る、といっていい大集団となっていました。
ところが、今回は最初から前後の空間があいています。
渋滞で、途中、足が止まる場面もありません。
理論的には、スイスイ走れます。
理論的、といったのは、肉体的にスイスイ、となると話が別になるからです。
肉体的にもスイスイゆくためには、実力が必要です。
給水所も、例外ではありません。
ゆったり感でランナーが流れてゆきます。
ですので、このレースでは、すべての給水所でマイカップに水を注いでいただき、紙コップはひとつも使用しませんでした。
折りかえしてからが多彩
折りかえすと、こんどは川の流れに沿うようになります。
気分的に、ドンブラコと楽になります。
太陽がまぶしく、久しぶりにかわいてきた空気がおいしい。
呼吸が、とっても楽です。
はるか前方に、スカイツリーが見えてきました。
折りかえしも半分をすぎると、ハーフ部門のあとにスタートとなった、他のコースのランナーの方々がまじってきます。
車イスを自分でこぐランナー。
電動車イスをブイブイあやつるランナー。
親や伴走者におされて、気持ちよさそうに風を受けてゆくちびっ子ランナー。
ツエをついて、カラダのバランスに気づかい、一歩一歩すすむウォークランナー。
みんなが、いっしょのコースを、共通の目的地をめざしてすすみます。
いろんな「輪」が生まれています。
チラと目配せしたり、ほほえみあったり、ときにハイタッチをかわしたり、声を掛け合ったり、陽射しもあったかでしたが、それ以上にジンワリとくるアタタカさが生まれてきます。
走るって、なんて素敵なこと。
電動だって、立派な足です。
このランナーの目には、どんな光景が見えているのでしょうか。
このレースに出る決心をするまで、どんな葛藤があったかは、うかがい知ることはできません。
でも、この子が大きくなって「くらしやすい」といえる世にするのは、われわれジジイ世代の義務です。
そういう方向に向いていないのが、心にひっかかっています。
静かな流れ、にぎやかな広場
レース自体は天候にもめぐまれ、わたし自身も、腰をおろしている3名のランナーに話しかけたり、つらそうな2名のランナーとしばらく並走するくらいで、大過なくゴールに向かうことができました。1時間55分。
ゴール会場の広い芝生の上では、いい香りと、笑い声がこだましていました。
この大会の特徴は、順位にこだわらないこと。
なにしろ「タートルマラソンは、記録や順位を競うことを目的としない健康マラソンです」とはっきりうたっているくらいです。
ですので、上位入賞者表彰とかは、一切ありません。
名誉あることは、走りつづけられること。
ですので、40回目出場のランナーは、表彰されていました(今回で47回目の大会)。
だからといって、手ヌキでいい大会ではありません。
走る以上は、思いきり力を出しきる。
今日のベストをねらう。
そのタイムは、きちんと計測していただけます。
いろんな境遇の方を受け入れ、いっしょに走れるマラソン大会をつくる。
いうは易しですが、これだけの規模の大会を運営する主催者の方々の苦労は、並大抵ではありません。
あらためて、頭のさがる思いです。
地区と一体となっている、ということは、レース日は正午より千住地区の銭湯がいっせいオープンして「汗を流していってね」サービスを展開していただいていることからも伺いしることができます。
さすが、足立区。
足立区といえば、足立区が舞台の「足立区デッドライン」というご当地マンガもあります(コミックライドという電子コミック内)。
わたしのイメージ画を描いた獅華丸さんの作です(宣伝)。
心あたたまる、すばらしい大会。
いつまでも盛況であり続けられることを祈っています。
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