いわて銀河100kmチャレンジマラソン2019、前半戦

新装開店

 

漆黒の空間。
見あげれば、満天の星空。

関東地方が梅雨に入って3日目、ここ岩手の空に雨の気配はありません。
ああ、銀河だ。
岩手といえば、宮沢賢治。
賢治といえば、銀河鉄道の夜
アカ抜けない連想ですが、この深い闇は、宇宙に想いをはせてしまう力をもっています。

その中にあって、大地から宇宙に光をはなつ一点があります。
その光を目ざして、次々に、ひとが吸いこまれてゆきます。

北上総合運動場陸上競技場
本日のウルトラマラソン会場、そしてスタート・ゴール地点。

2年ぶりの大会開催です。
これまでは、北上を出ると、北へ北へと向かい、なめとこ街道の峠をのり超えて、雫石までむかう一直線コースでした。

ところが、途中の山道の大規模崩落により、昨年度の大会は中止。
今年になっても、コースは開通できず、大会開催が危惧されていました。

それを大会開催者のご尽力により、新コースをつくっていただいての本日。
今回は、南へ時計回りにぐるっと周回する新コース100キロ
みなが、同様に初のコースです。

 



陸上競技場内は、準備するランナーの熱気ムンムン

 



今回も、ワラジにたくします

 

夜明け前、夜明け後

 

東の空が刻々と茜色にそまり、みるみる光をあつめる午前4時
スタートの号砲が響きました。

それにしても、寒い
地元に方にうかがうと、先日までは30℃超えの暑い日だったのに、とのこと。

まずはトラックを1周すると、広大な運動公園内へと出てゆきます。
そこで太陽が顔を出してきました。
神々しいご来光

さあ、これから南に進路をとり、金ケ崎町、奥州市へと向かいます。
向かいます。
進みます。

ところが、あまり進んだ感がありません。
景色が、単調なためなのか。

島崎藤村の『夜明け前』の冒頭表現をお借りすると、
コース前半部は、「岩手路は、すべて畑の中である」
コース後半部は、「岩手路は、すべて山の中である。一筋の街道は、この深い森林地帯を貫いていた」
(個人的感想)。

 



明るくなった東の空をながめつつ、いよいよスタート

 



すぐに、まぶしい日差しにつつまれてゆきます。ばらけるのも早い

 

見通し良好

 

見通しがいい、といっても、コースの見通のことです。
ワタクシの走りの見通しは、それこそ、先が読めません。

コースが平坦
岩手の内陸って、こんなに平らだったの?
まっすぐに伸びるコース。
どーんと、先を走るランナーまで、よく視界に入ってきます。

初コースということで、1番の関心は、コースの高低差です。
距離は100キロと決まっているので、気になりません。

大会名簿にのっていたコースMAPを参照。
それによると、35キロ地点からのぼり始めて、55キロ地点でほぼ最高地点
あとは、多少のデコボコはあっても、くだってゴール。

朝日を受けながら、平地を楽なペースで走りぬけます。
エイドでは、ほぼ立ち止まって、オシャベリを楽しみます。

35キロ地点エイドでの、オバちゃんの最後のコトバ。
「さあ、これから山のぼりよ、ウフフフフ
たしかに「フ」が4つもつながって、オバちゃん、うれしそう。

 



岩手のおいしい銀シャリとお水でたいた、シャリ玉。うまい!

 

コースMAP通りだ。
これから、20キロつづくのぼりの始まりだ。
気を引きしめて、一歩一歩、標高をかせごう。

でも、ちょっとちがう。
しばらくゆくと、のぼりが消えます。
消えるどころか、くだり始めます。

そのあとは、ほぼ平ら、集落も現れてきます。
ええっ?
ここが最大の難所か?

思わず笑みがこぼれます。
ムフフフフ
いかん、さっきのオバちゃんの笑いが伝染している。

しかし、内心思いました。
ラッキー、新コース、超ゆるい

 



坂道だって、緑の中

 



長くはつづかないのぼり坂、ムフフフフ

 



キホン、たいら、たいた、たいら。そしていい天気

 

暑い日差し

 

コースが西向きになってきたようです。
日差しが、正面から、左手に強くなってきました。
朝は寒かったのに、一転、夏の陽気です。
暑い。

エイドでは、大バケツに水が満たされ、ヒシャクが投げこまれています。
頭からどうぞ、のかぶり水コーナー

今回は、どこも水道から水をひいている様子。
とにかく、冷たい。
血気盛んなランナーは、そんなこと気にもせず、頭から冷水をザブー。
おーし、と気合を入れてゆきます。

わたしのような年寄りに、そんなマネはできません。
手をヒシャクの水で洗い、残りで、口周りをそそぐ。
神社のお参りか。
迫力が、ありません。



水をかけるジイちゃんたち、うれしそう。お墓まいりみたい

 

はるか前方に、残雪をいただく山脈が近づいてきました。
屏風のように、立ちはだかっています。
なんて名前なんだろう。

畑のわきで応援してくださっていた農家風の4人にうかがってみました。
「あの雪の残っている山は、なんですか?」
「ありゃあ、奥羽山脈だ」
「じゃあ、そこを超えると山形ですか?」
「いやあ、アギダだあ」

いろいろと教えてもらいながら、先へと進みます。



あとは、奥羽山脈にむかって走るのみ

 

皮算用で、レストステーション

 

ウルトラマラソンでは、途中に自分の荷物をおいておける場所が提供されます。
今回の新コースでは、それが60キロ地点に設けられました。

これは、心理的にもありがたいことです。
エイドの中で、唯一、腰を下ろしてホッとするレストステーション
わたしは、水でぬらしたタオルを入れておきます。
顔やウデ、日に焼けたところをふいてサッパリ。

そして、後半戦へと突入してゆきます。
このとき、あとは、もうフルマラソン1本だ、というのは気合の入り方がちがいます。
ちょうどの中間点50キロだと、まだ50キロある、という心理的圧迫感。
けっこう、ちがいます。

そんなレストステーションを目指します。
すると、奥羽山脈の手前に、おおきなダムがみえてきました。
いや、本当におおきい。
後で調べたら、肝沢ダムといって、北上水系の中でも特別におおきいらしい。
堤高が132メートルだといいます。

しかも壁面が一面のコンクリート造りではありません。
石を積み上げた文様。
ちょっと異様な雰囲気。



肝沢ダムが間近になり、レストステーションもすぐ

 

そのダムの高さが際だってきたころ、はなやかな応援隊に遭遇。
写真とっていいですか?
「え、写真とってくれるの?やだあ、また有名になっちゃう」
残念です、このブログにのせるだけですから、世間に広まることはありません(泣)。



おちゃめな美女軍団。さあ中間点だ

 

さあ、レストステーションのある広場に到着。
思った以上に、余裕じゃないか。
もしかして、岩手銀河、初の12時間台がだせるかもしれない。
ムフフフフ
(後半戦につづく)

 

たーさん
新コース 銀河マラソン 組みやすし

 

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