いわて銀河100kmチャレンジマラソン2019、後半戦

ウソだ、ウソだ

60キロ地点にもうけられたレストステーション
午前11時15分に着くと、20分ほど休んで、さあ再出発。

あとは、フルマラソン1本だ。
時間は、6時間半も残っている。
基本、くだり坂だ。
ムフフフフ。

で、できすぎている
人間、何がこわいかって、有頂天ほどこわいものはありません。
まんじゅう、なんて比じゃない。

コースMAPによれば、あとはゴールに向かって、ほぼ直線状のゆるやかなくだりコース、のはずでした。
はず、です。
もう、最高地点も通りすごしている、はずでした。

ところが、帰路コースに足をふみ入れて、いや、ちがう。
絶対にちがうだろ。
最初は、疑心暗鬼、ここだけ例外なのかもしれない。
やがて確信、絶対おかしい。

コースは、どうみても山道に入ってゆきます。
クネクネとした、のぼり、くだりの連続になってゆきます。
しかも、進むほど勾配がきつくなってくる。
これは、疲れてあらわれた幻覚じゃない。

キ、キツイ。
どこがくだり基調だ。
そびえてくるのは、のぼりの連続。

ああん、コースMAPのいけずう。

 



レストステーションにいるときは、まだ幸せでした

 



この標識は、何のためにあるの?

 

とにかく、歩く

 

のぼって、くだって、またのぼって。
少し長いのぼりは、歩きになります。

ふう、歩いているときは前後のランナーとおしゃべりしやすいですが、キツイ坂道では声もでません。
しかも、キツイ区間に限って、人家もなければ、エイドもない。
いわて銀河は、8キロほどエイドが空く区間が、2か所あります。
孤独感も、味わえます。

ですから、走行時は、水を入れられるコップをもっています。
途中で、水を飲む。
ところが朝からカンカン照りの中を走ってきたので、それだけでは足りない。
ノドの渇きは、癒されない。
というか、ノドの渇きより、カラダが求めてきます。
お水、欲しい。

という絶妙のタイミングで、ここで絶対オアシス欲しくなるな、と推し量ったような地点で、待っていてくださる私設エイドの方々。
神です。

そして頂の一軒家
のき先にイスをだして、一家総出の応援をしてくださっています。
奥をみると、庭が、外水道が。
「あのお。水をもらっていいですか」
「ああ、ここの水は冷たくっておいしいよ」
「ああ、生き返りました」
「どっから、来たの?」
会話がはじまります。
ほんとに、おいしゅうございました。

旅は道づれ
ひとりじゃ、走りきれません。



モクモクと、走る、いえ、歩く

 



山道に、こんな立派な施設エイド開設。ありがたくって、涙がでます

 

ウルトラと旅

 

ウルトラマラソンを、競技として、とりくむランナーがいらしゃいます。
というか、多くのランナーは、そうでしょうか。

わたしにとって、ウルトラマラソンは「」です。
「100キロ先のゴールまで、14時間以内に行く旅」です。

制限時間を、どのように使おうか。
そこに、走りつづける、という制約はありません。
どのように使うか、は自由です。
じっさい、のぼり道は、けっこう歩きます。

エイドでは、つい、おしゃべりしてしまうこともあります。

ウルトラマラソンは、地方の開催が多い。
地方は、若いもんが減り、高齢化がすすんでいます。
いきおい、エイドのボランティアさんも、例外にあらず。

人生の大先輩から、おいしい水をいただき、お菓子をいただき、あまつさえ、はげまされる。
そして、足元を見られて笑われる。
ハハァ。
つい、こちらも、返したくなります。
「この辺、牧草地が多いですねえ、牛を飼ってるんですか?」
楽しまにゃ、ソンです。
すてきな出会い。

 



それでも、高いところにきたゴホービの遠景

 



遠景には、癒されます。ずいぶん来たなあ

 

ウルトラとヘンタイ

 

走るのが好き、ということ自体、お友だちをなくす一因です。
朝はやく走りたいから、夕方からのお付き合いは遠慮したい。

それでも、走る人の輪、という少数野党は存在します。
そのわずかな少数集団の中にあって、ウルトラが好き、というと、さらにお友だちをなくします。
ふつうのランナーからは、ヘンタイあつかいです。

ですので、ウルトラマラソン会場にゆくと、こんなにもヘンタイさんがいる、とテンションがあがります。
そんなヘンタイレース中、さらなるヘンタイさんに出会います。

初のハダシウルトラ参戦というへンタイさんに出会いました。
前半、ガッツリ走っています。
30キロすぎあたりでしょうか、歩きだす姿に再会です。
「どうです?」
「もう、ヤバイかもしれません」
その後どうされたか、心配しています。

学ランに一本歯ゲタのチョーヘンタイさんにも出会いました。
わたしと、ほぼ同じペース。
何度も、おしゃべりかわしました。

「ふつうのゲタじゃないんです。
軽くて、走る工夫をこらしたゲタ界のベイパーフライでっせ」

うんうん、何とかと紙一重。
ゲタヘンタイさん(仮にminoさんとしておきます)、わたしとほぼ同じにギリギリゴール。
いやあ、おたがい、おめでとう。
なんでゲタなんですか、と問うのはヤボです。

ヘンタイさんの観察、おもしろいです。
って、オマエにそれを言う資格があるのか、っていうツッコミはご遠慮願います。

 



こういうヘンタイさんには、ニコニコしちゃいます

 

関門の計算、いいんですか?

 

第4関門(87,4km)の閉鎖時間は、16時10分。
それ以降に着いたランナーは、ここで収容でレース終了です。
あと13キロを1時間50分も残して、オシマイですか。

第5関門(92,1km)の閉鎖時間は、16時50分。
あと8キロを1時間10分も残して、オシマイですか。

わたしは第5関門を、制限時間10分前の、ギリ通過
でも92キロをこえると、激坂もなくなり、コースはくだって平坦化します。
ここまで坂に苦しめられましたが、晴れて平地走行です。
もう、ふつうに走れるんです。

競技は、午後6時、14時間にわたったレースに幕がおろされます。
レース終了間際は、最後の力をふりしぼったランナーが続々とかけぬける、のがこれまでのいわて銀河でした。
なにしろ、午後6時を1秒でもこえたら、完走メダルはいただけません。
この潔癖さが、魅力でもあります。

あれあれ、ギリギリ組のわたしの前後、みごとにスカスカです。
前のランナーとは、50メートル以上の差がひらいています。
そして、ついに孤高のゴール。

しかし、まだ6時まで、レースはつづきます。
いよいよ、制限時間まで、あと5分。
閉門のカウントダウンも始まり、ゴール会場のアナウンサーも、周囲の観客も、熱気が最高潮に達してきます。

ところが、です。
コース上は、ガラーン。
だれもいません。
さあ、あと4分、3分。
だれも来ません。
そのまま、むなしくレース終了。

さみしすぎませんでしたか。

ちなみに、わたしのタイムは、13時間37分27秒。
ふらふら走ったためか、GPS時計も調子をくずして、99,2kmで終わっています、もしかしてサービス?
100キロの部、出走者数 883名、 完走者数 654名。
完走率は、74,1%でした。

 



ゴール会場終盤、ランナーの姿がマバラすぎます

 



うれしい、ゴール。いわて銀河5回目完走

 



さて、会場でゆっくり、と思ったら設営もオシマイになりますって

 

たーさん
やっぱりな スナオにゃ終わらぬ ウルトラ路

 

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