北オホーツク100kmマラソン2019、前半戦は前哨戦

まずココロが動く

 

20年以上ごぶさたしているもの

北海道上陸
千葉のネズミさんがお出迎えする遊園地

さあ、ここで意を決して、北オホーツク100kmマラソンに初挑戦だ。
人生の先は読めない。
迷うことはない、走るのは今。
いざ、北海道へ。

場所は、どこにある?
浜頓別町
最北端の地、稚内から海岸線沿いに90kmか。
そうか、冬は流氷ですか。

そして、「夏は清涼な気候で、ランナーをお迎え」とある。
うーん、魅力的じゃありませんか。

ところが小さな町らしく、宿泊施設は限られています。
すでに、どこも一杯。
受付は、前日のみ。
無理です、仕事もありますし。

ダメもとで問いあわせをさせていただくと、受付当日朝も特例でしていただけると。
そう言われたら、やるっきゃない。
まずは、前日に稚内までゆき、当日朝の強行軍で現地に突入。
ただただ北海道は広かった。
北海道の面積は、東北6県と四国4県を合わせたものに匹敵するらしい。

はーるばる来たぜ、浜頓別。

 



会場の多目的アリーナ。中央の建物が荷物置き場。

 

なんてのどかな会場

 

朝の光がうっすらと挿しこみだした町に、はじめて降りたちます。
午前4時少し前。
そのときの第一印象。

さむっ。

空気のヒンヤリ感
後押しするように、頰をビューんと横風が飛んでゆきます。
そーそ。
この涼しさですよ、夏の北海道に求めているものは。

レースの主会場、スタート・ゴール地点の多目的アリーナには、ひとが集まり始めています。
駐車場には、キャンピングカーも目立ちます。
ああ、北海道だなあ。

 



アリーナ内には、小学生たちの熱いメーセージが壁をかざっていました。

 

 



アリーナ内で出会った、謎の物体? 浜頓別だから、「ハマトン」か、と思っていましたが、あとで調べたら「スワットン」という名だそうです。ブタ? ヒゲおやじ? どうやら、町の鳥の「コハクチョウ」らしい???? 実にシュール。

 

受付をすませ、準備をととのえると、スタートの午前5時が近づいてきました。
ランナーたちの面々。
それにしても、こじんまり。
今回の100キロコースの出走者は、392名とのこと。
マラソンレースというより、大人の運動会といった雰囲気がただよっています。
午前10時に出走の50キロコースの169名とあわせて、合計561名のランナー。
これを、700名をこすボランティアで運営って、どんだけゼイタクな大会なんでしょうか。

さあ、ゆったりした雰囲気のなか、レースがスタートしました。

 



スタート会場に、緊張感はありません。

 



足もとは、やっぱ、ワラジでしょ。

 

はてしない大空と、広い大地の先に

 

道幅がひろい。
ずっと走りながら、感じたこと。

走りはじめてすぐに、おおきな湖があらわれてきました。
道北最大といわれるクッチャロ湖です。
湖水は、昨日までの雨でにごっているようですが、旅情感は満杯。
夏季シーズンに入り、テントをはったキャンパーも多い。
そんな方たちからの声援もいただきながら、平坦な道をすすみます。

 



1キロほどで、クチャロ湖に入ってきました。

 

この大会のコースの特徴は、「8の字」まわりです。
最初に、北に向かって、グルリと反時計回りに一周します。
50キロを回ると、スタート地点に到着。
ここに、レース中の荷物を置いておけます。

後半は、南に向かって、こんどは時計回りに内陸に入ってゆきます。
ホントに、そのまま「8」の字を書く流れです。
コース設定として、とても合理的に考えられています。

気持ちのいいペースで、気持ちよく走る。
ウルトラ前半戦のいいところです。
しかも、20年以上ぶりの北海道の光景。
できすぎ、なのが、こわい。

 

クネクネ心に、真実一路

 

人家が、まったく見えなくなってきました。
牧場でしょうか、草原でしょうか。
ときどき、草をはむ牛が出迎えてくれます。

 



たくさんの牛さんに、声援をいただきました。

 

それすらいなくなったころ、どうやらベニヤ原生花園に入ったようです。
天然の広大な花園とのことです。
視界に、デコボコがない。
海のように、平らな地平線。

ほどなくして、エサヌカ直線道路が出現。
ここから先、8キロは、とにかく真っすぐなんだそうです。
曲線なし、高低差なし、ただただ一直線につづく道路。
どこまで続くのか、先は見わたせません。
クネクネと性格も人生も曲がりきった我が身も、洗われるようです。
神社の参道ですか。

 



8キロメートル、ただただ真っすぐな道。先が見えない、わが人生のよう。

 

そして、ときおり吹き抜けてゆく、強い横風。
陸から海へむかっているのかな。
このときばかりは、草もいっせいに身をまかせてゆきます。

いつまでも走っていたくなる、そんな魅力のつまったコースです。
いっそ、100キロ先まで、まっすぐにならないか。

そんな道も、やがて右に折れると、小さな灌木が目につきはじめます。
植生が、微妙に変化しはじめます。
うすい赤い花。
たぶん、ハマナス
おお、知床旅情にでてくる、ハマナスの咲くころ。

 



左手に、オホーツク海がひろがってきました。

 



コース脇をいろどる、たぶんハマナス。

 

ブンブンブン

 

左手に、たおやかな大海があらわれてきました。
オホーツク海です。
冬には、流氷がドンブラコ、と到達するのでしょうか。
シ、シアワセすぎる。

コースはやがて折れ曲り、前半8の字の半分をまわってゆきます。
内陸にコースをとりはじめると、木立もあらわれはじめます。

エイドに、黄色いスプレー缶がおいてあります。
う、うん、虫よけスプレーね。
透明なのは、ハッカ水のようです。

そうです、コース上では「アブが出る」ことがある、という注意書きがあったことを思い出します。
ぼくも、念のため、虫よけスプレーを持ってきています。

でも、今日は必要なかったのかな。

いやいや、ダテの用意ではなかったのですね。
木立の出現とともに、アブの集団攻撃がはじまってきました。
ブンブンブン。
敵機襲来。
こ、ここは、203高地か。

しかも太陽が昇るにつけ、気温もガンガンにあがってきています。

 



このあたりから、ブンブンブン、アブ攻撃が始まりました。

 



原野を切り開いていった道路を、ひたすら進む。

 

走れば、オナカも主張します

 

襟裳の春は、何もないない、といいながら、観光客はたくさんいます。
ところで、今回のコース。
いわゆる、お店、コンビニ、自販機、ぜんぜん見当たりません。
何もない、を選んでいるんでしょうか。

そんな中、たよりになるのがエイドです。
飛び交うアブにかこまれながら、エイドの方々が待っていてくださいます。
ありがたい。
頭が下がります。

ところで、アブについてうかがってみました。
「こんなにアブがいるんですか」
「いえ、今年は早いですね、数も多い」
「うーん」

そんな状況でご接待していただいて申しわけございませんが、ぼくのオナカにたまるものがない。
いわゆる、お米関係。
いえ、まったくのこちらの不注意なだけです。
受付が当日朝でもあり、エイド情報もないままの参加でした。
これなら、オニギリを持参すべきでした。

パンは、ありました。
しかし、食べなれてなく、オナカにたまった気もしません。
袋に入っているのは、大福ですか。
うーん、食思がわきません、甘そう。

出発前にオニギリ1個をいただきましたが、以後、それに匹敵するものがありません。
走行中の携帯食料は、小さな塩ヨーカンだけ。
さすがに、空腹感がムクムクしてきました。

せめて中間点。
あの大きな多目的アリーナまでゆけば、空腹感は満たされる。
そう思いつつ、50キロ6時間2分で通過。
ようし、ここでコンディションを整えて、後半戦に突入だ。

まずは、食料。
しかし、皮算用は通じませんでした。
(つづく)



中間点、アリーナにもどってきました。予想以上の暑さになってます。

 

 

たーさん
スケールも 発想もちがう 北海道なり

 

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