武尊スカイレース2023、夏の先取り

夏だ、山だ

 

夏は、がよんでるぜ。
そういうわけではありません。

ひきつづきの多用で、ことしの岩手銀河100kは、泣く泣くパス。
日程をあらためてみて、ここなら出られそう。
そうして、1年をあけて、HOTAKA SUKAIRECE(武尊スカイレース)に参加させていただくことにしました。

HOTAKAは、漢字にすると「武尊」です。
ちょいと、読みにくい。
ですから、ローマ字にしたんでしょうか。

地元グンマーで味わえる「お山」のスカイレース。
距離は約28キロ、累積標高は1,600メートルほどとか。

このレースをのぞむにあたり、2つの目標をかかげました。

ひとつは「一歩」を大切にしよう。
基本にたちかえる、ですね。
とくに山道ですから、ガシガシ無摂生にゆかない。

ハキモノは、タビ式シューズにしました。
クツ底は、ゴム1枚のやわらかな素材です。
十分に、大地の感触を感じられます。

もうひとつの目標は、「完走」をめざす。
柴又100kでは、あえなく関門アウト。
このまま、関門アウトがつづいちゃうと、気持ちも沈んじゃいます。

スタート地点に立つことに意義がある、じゃさみしい。
やはり、ゴールをめざしたい。
そういう意味でも、特別なレースです。

といいつつも、トレランは、ボクにとっては「遠足」気分がぬけない。
だって、ほとんどの区間、走れませんからね。
ランニングじゃない、ってーの。

 



スタート前のにぎわいと、盛況さ。

 

第一のおたのしみ

 

梅雨に入って、雨がつづいていました。
ところが、前日からお天道様は上機嫌。

尾瀬の入り口、片品でのレースです。
いくら平地が暑くなっても、ここは別天地だろう。
いえ、すでに朝から暑くなっています。
ちなみに、この日、近くの前橋では35℃を超える猛暑日だったとか。

このレースを、3つの場面、3つのおたのしみと整理してみました。
第一のおたのしみは、最初のピーク制覇
グーンとのぼって、天空の武尊牧場内をグルリと回っておりてくるコース。

あぶないところはありません。
そして、何よりトレイルのガシガシ登坂もたのしめます。
そう、これをたのしめるか、いなか。
トレランの好き嫌いの、適性判定リトマス試験紙コース。

今回は、完走をめざしたいレースです。
なので、出発時は、せめて集団のまん中あたりでゆきたい。
と、思っていましたが、みなさん元気すぎです。
結局、しんがりグループからの幕開けとなりました。

しばらくは車道をのぼってゆくウォーミングアップ区間。
そしてスキー場ゲレンデにぶつかると、そこをのぼり始めます。
緑の中を、一歩一歩大切に。
とうぜん、ゆったり歩きペースです。

のぼりつめたら、武尊牧場の一角をしめるキャンプ場広場です。
キャンプ場、といっても、範囲がつかめない広大さ。
高原をのんびりすごす別世界の方たちがくつろいでいます。

最初のピークをおさえて、くだって、通過です。

 



なんだかんだで、やはり出遅れ気味かな。

 



なんでみんな、そんなに速いんですか?

 



さあさあ、山のぼりのウオーミングアップのはじまり。

 



ともあれ、一歩一歩、のぼってゆくだけ。

 



いつのまにやら、置いてきぼり気分。

 



キャンプ場のなかを、ゆるゆるジョグ。

 



ううっ、ここは田植え会場か、というような場面も出現。

 

第二のおたのしみ

 

くだりきったら、しばらくは静かな山の中へ。
ここは、ピークとピークをつなぐ「つなぎ」のようなあつかいです。
なので、おもてに出てきません。

でも、この区間こそが、このレースの最大の醍醐味じゃないか。
わたくし個人の、中高年の主張です。

木々のつくるみどりの光線のなかを、すこしずつあがってゆきます。
しんがりグループも、いよいよ本領発揮。
いえ、たんにバラけるだけです。

前後に、ひとかげがいなくなっています。
とくに、前方に、まるでひとの気配がない。
まるで、トップを走っている気分です。
トップとのちがいは、走っていないで、歩いていることです。

静寂。
そこかしこから流れでる水の音。
この一帯は、十二沢とよばれているようです。

ああ、うっとり。
なんて感傷にひたってばかりもいられません。
徐々に傾斜がきつさを増してきました。

ズズズズズ。
足もとが安定せず、すべりすべり、あがってゆきます。
一歩分あがって、半歩ぶんずりさがる。
バランスを失えば、転げおちてしまう傾斜面。

特別に危険な箇所2つには、スタッフの方が見守ってくれています。
ほうほうの体でのぼりあがると、スタッフさんからのはげまし。
「もう林道へでられるよ」

そうか、そうか。
と思った次の瞬間、ふたたびけわしい斜面の登場。
疲れが、ドっ。

 



静寂の山の道は、思索には絶好の場です。

 



豊富な水量に、あたり一面がミストに包まれたような空間。

 



冷たい水で、気分をサッパリとリフレッシュ。

 



ゆく手をさえぎる複雑な木の造形。

 



だんだんと、けわしくなります。この先、しばらくは写真を撮る余裕なし。

 

エイドの救世主

 

ようやく山の中の迷走から脱出。
あかるさが、もどってきました。

そこでエイド
ここのエイドは、食べものがちゃんと豊富です。
そうじゃない大会を多く経験するようになっていて、もうそれだけで感動です。

そのなかで、オレンジ
疲れたカラダに、オレンジがグングン染み込んでゆきます。
何より、喉ごしのおいしさよ。
なんだか、力がわいてきます。

「ああ、おいしい」
「じゃんじゃん食べてください、まだまだありますよ」
何と、包丁を入れていないオレンジが、まだどっさり。
ナミダがでそうです。

「あまっちゃいますね」
「そうですね」
「なんたって、あと10人も来ませんから」

ただし、この日はブヨの襲撃には悩まされました。
「動いていれば、大丈夫なんですがね」
スタッフの方には、そうなぐさめられました。

ですが、走っている最中にも、刺されました。
いまも痛痒い。
そうか、自分じゃ走っているつもりだったけど。
ブヨからすれば、止まっていると判断されたんだな。
このやろー。

 



オレンジが、こんなにも体に染み込んでくるのかと感じた幸せな瞬間。

 



バナナさんにも、助けられました。

 

第三のおたのしみ

 

いよいよ、最後の高みへのチャレンジです。
ここをのぼりきれば、あとはゴールを目指す。

一歩一歩だよ。
あえぎ、あえぎで、なんとか上まで。
振り返ってみれば、最高の絶景

ムフフフフ。
遠足、いえトレランのひそかな、私的なたのしみ。
最大のミッション。

1番の絶景地で、「お弁当」にする。
遠足の鉄則ですね。
いや、トレランですけど。

コースからちょっとはずれて、ドッカと腰をおろします。
本日のメインディッシュは、「梅おにぎり」。
まあ、コンビニの調達品ですけど。

視線を、遠くの稜線にうつします。
遠くに、走っているランナーの姿もみえます。

モグモグ。
おいしい。

本当は、お湯をわかしてコーヒータイム。
そういう希望もありますが、ドンジリのひとりとして、そこまでの余裕はありません。

オナカが満たされたら、さあ下山です。
食後の昼寝は、いたしません。

 



さあさあ、最後ののぼりです。腹をくくって。

 



本日のメインイベント、絶景お昼の時間です。

 



あとは、くだってゆくだけ。

 

目的達成

 

急斜面をおりきると、車道に入ってゆきます。
最初は、ガチの砕石道
ウス底足袋には、こたえます。
道をはずれて、草むらの中をゆく。

くだりきったらゴール。
のはずですが、今回はゴール場所が変更されています。
日帰り温泉施設「花咲の湯」まで。
ちょいと、長くなります。
そのぶん、制限時間が30分延長です。

集落まででて、スタッフの方が道案内。
「もうちょっとだよ」
「どのくらいですか?」
「あと2キロくらいだよ」
「え?ちょっとじゃないじゃん」
「もうひと登りもあるからね、がんばって」

それでも、走りつづければゴールに近づきます。
いよいよゴール会場。
そうか、レッドカーペットでのゴール。
トップランナーには、絵になる光景です。

ボクのような、汚れ靴のヨレヨレランナーには、にかわしくない。
神社じゃないけど、脇をするする。

前後にだれもいなかったので、ひとりで独占したような錯覚。
そして、無事でした。
タイムは、6時間01分56秒。
(制限時間は、7時間30分)。

一歩一歩を大切にしました。
うれしかったです。

 



さいごに出会った花咲の出水。

 



ゴールの前に、ここでお顔もザンブラ、清めてみます、冷たーい。

 



レッドカーペットの先に待つ、ゴールなんですが、気恥ずかしさ満杯です。

 



ああ無事にゴールをこえました、よかったです。

 

たーさん
トレランの 醍醐味絶景下の 弁当

 

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