長さの意味
運動器というのは、動きやカラダを支える臓器とします。
筋肉系。
骨。
観察など。
一般的には、この故障は「整形外科」というイメージです。
わたくしの、おおざっぱなイメージ。
その運動器の痛みが、長びく。
それは、つらいです。
そして、それをしばしば「慢性的な」と表現します。
2〜3日じゃなくて、数週間以上。
場合によっては、何ヶ月も。
こんなに長いあいだ、運動器が痛むのは、つらいです。
寝冷えして、オナカが数日間痛かった、というのとは別格です。
ところで、「長びく」にも、2つの長びき方があります。
ひとつは、ずっと痛みつづけること。
この場合、「火が燃えつづける」状況ですから、きついです。
そう、ずっと燃えつづける。
リウマチやガンなどがこれにあたります。
それに応じた治療が必要です。
ランナーの場合、こういうのは、あまりありません。
で、もうひとつの痛み方。
すこしよくなったかな、というところで、ぶり返す。
つまり、「波」がある。
ですから、正確には「つづく」痛みではありません。
「くり返す」痛みです。
よくなりかけて、また悪化して、で時間ばかりがすぎてゆく。
ランナーの長びく痛みは、こういう経過の方が多い。
そこで、「くり返す」痛みを考えてみます。
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なぜ長びくのか
痛みとは、そこに「血の流れ」がないイメージ。
わたくしの基本姿勢です。
「ココ」が痛いんです。
というのは、「ココ」に血の流れの障害がおこっている、ということ。
となると、「くり返す」痛みの現場模様がみえてきます。
くり返し、「血の流れ」の障害が、ひき起こされている。
カラダは、つねに更新しつづけています。
運動器だって、例外じゃありません。
マラソン大会を走ってくる。
がんばった結果として、筋組織には微小断裂がおこってくる。
そう、血流障害。
すると痛み物質の放出。
その損傷は、マラソン大会直後から、ただちに修復されてゆきます。
どんどん血流は、回復してゆく。
もどれば、もうゼンゼン痛くない。
ふつう、数日間の経過でもどるので、慢性ではない。
それなのに、なぜ長びく痛みなんてのがあるんでしょうか。
もう明白です。
「くり返す」破壊がおこっているから。
これが「長びく痛み」の正体ですね。
にわかには、合点がゆかない方も、おられるかもしれませんが。
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外力
カラダは、こわれたら、みずから治そうというしくみが発動されます。
それが、「生命力」です。
ではなぜ、くり返すハカイがおこるのでしょうか?
くり返してくるハカイの正体は、何でしょうか?
それは、「外力」ですね。
外からの力。
自分にとって、想定をこえる力が、加わってくる。
本物の、賽の河原にいったことはありますか?
賽の河原の子どもたちは、いっしょうけんめいに石を積む。
石を積みあげられたら、願いがかなうから。
さあ、積みあがってきたぞ。
するとオニがやってきて、石をバラバラにくずしてゆく。
また、最初から積みなおし。
そのくり返し。
こういう「賽の河原」現象が、運動器におきている。
なので、軽快しても、また振り出しにもどってしまう。
カラダをこわしに来るオニの正体は何でしょうか?
それが、「外力」というわけです。
といって、外からドドンとぶつかってくる外力じゃありません。
自分自身でつくる外力です。
なので「自分外力」とよんでおきます。
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無理してないよ
自分から、自身に想定以上の「外力」を与えてしまう。
その都度、なおりかけた運動器は、ふたたびこわれる。
いえ、そんな無理はしていませんよ。
そんな「自分外力」与えてないよ。
むしろ、今まで以上に、十分な自重をしているよ。
それなのに、自分のカラダがハカイされちゃうんですか。
だったら、何もできなくなっちゃうじゃないですか。
これは、運動器の特殊性にあるのではないでしょうか。
運動器というのは、文字通り、動く臓器です。
動くということは、のびたり、ちぢんだり。
開いたり、閉じたり。
まわったり、かためたり。
つまりは、ダイナミックな動きを演ずる臓器です。
この点が、肝臓とか、腎臓とかとちがいます。
皮膚のキズやヤケドは、あとが残ることがあります。
同じように、運動器も、キズあとがのこることがあります。
かたまる。
はりつく。
すると、以前と同じような動きができなくなります。
つまり、以前のような機能じゃなくなっているんです。
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新しい道へ
「10」動いていた筋肉が、ケガのあと、「7」しか動けなくなっている。
治癒後には、よくみられる現象です。
そこに、「8」の力が加われば、ふたたびこわれます。
以前よりおさえているのに、痛みがぶりかえしてくる。
それは、くり返す痛みの原理が、こうなっていたからです。
だとしたら、どうしたらよいでしょうか?
「8」以上の力がよくないのなら、「7」以下の力でくらすべきなんでしょうか。
そんな「いけず」なことじゃ、こまりますね。
やはり、以前のように動きたい、走りたい。
そのためには、力をつける、じゃない方法が思い浮かびませんか。
「10」動けていたところが、「7」しか動けなくなっている。
だったら、「7」を少しずつひろげてゆく。
「8」まで、動けるようになった。
「9」まで、動けるようになった。
そして、「10」まで動いても、大丈夫になった。
ここまできたら、以前のカラダです。
あらためて、痛むところがあったら、さわってみませんか。
動きの制限がありませんか。
やわらかさが、なくなっていませんか。
年をとるのも同じ。
やわらかさが、なくなる。
動きの制限が、うまれてくる。
そして、痛んでくる。
目指すは、「やわらかさ」です。
筋トレ、に目がゆく前に。
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