ナゼの種まき

不思議体験

 

種まきをしたことがありますか?
していますか?

種まきは、いくつになっても、本当に不思議な感覚を味あわせてくれる体験です。

タネは、吹けば飛んでいってしまうような、小ちゃなツブです。
それを、土の中にいけるだけ。

すると季節にもよりますが、数日あるいは1週間もすると小さな芽となって土をおしのけて地上に顔をだしてくるんです。

お、生まれた、とさけんでしまいたくなる瞬間です。

8月下旬に土にかえったゴマ粒ほどのダイコンのタネは、3ヶ月たった今では、50センチほどもある真っ白な大根足となり、アタマには青々とした葉を思いっきり伸ばしています。
わが家は、畑から抜きとったダイコンは、葉っぱから足の先まで、すべてをいただきます。

生で、おろして、さまざまに煮て、単独でも誰と一緒になってもで相性のいい初冬のごちそう。


 

タネないところに、芽はでない

 

一方で、ヤレヤレという芽ぶきもあります。

そう、雑草です。

まいたわけではないのに、アソコに、ココに、いやはや、いつタネがやってきたのだ、とあきれるほどの強靭な生命力です。

用意周到。
こう絶賛したくなる、たくましさ、したたかさ。

たとえば、あぜ道にたくましくはびこるオオバコ

踏まれても、踏まれても、しっかりと生きぬいて、花を咲かせ、生きてゆきます。
そのクキの丈夫さから、輪っかにして引っ張りっこして遊んだ記憶はありませんか。
オオバコ相撲。

強さの秘密は、クキの中心部に強力な繊維でシンをつくっているからなのだそうです。
そのため、踏まれようが、曲げられようが、くじけない。

そうして、他の草が住めない環境の中を、たくましく育ってゆく。

さらに花を咲かせて実をみのらせると、実はゼリー状の衣を身にまとい、雨露でねばりけをつくってゆきます。
そして踏みつける人や動物の足に、あるいはタイヤにはりつき、遠くに運ばれて勢力増大をはかってゆく。

雑草魂というコトバがありますが、ひとつひとつの雑草に、小さな物語が秘められています。

すべて、タネからはじまる物語。


 

自動販売機への挑戦

 

わたしが小学校3年生だったときの夏休みのことです。
半世紀もさかのぼる話ですみません。

わたしは、小さいころから、物つくりや工作が好きでした。

小3の夏休み、わたしは10円玉を入れると、キャラメルひとつがポンと出てくる機械を作ってみようと思いたちました。
自動販売機という魔法の箱が登場し、中に人が入っているわけではないのに、お金を投入すると、商品が出てくる不思議さに出会ったからです。

田舎の小学生に、しくみはまったくのナゾでした。
インターネットなんてもちろんありませんし、図書館という存在も知りません。
電気回路の知識も、技術も、何もありません。

あるのは「なぜ」そんなことができるのか、という疑問だけです。
そして「どうしたら」作れるのか。
手元にあるのは、菓子箱、ノリ、竹ひご、ハサミといった道具だけ。

そんななか、シーソーの原理を思いつき、10円玉がのるとその重みでシーソーが上がって止めていたキャラメルが坂を下って動き出す、という仕組みを箱の中に作ってゆきました。

1個ずつ、キャラメルをセットしないと、働かない。
10円玉じゃなくても、5円玉でも動く。ただし1円玉だと軽くて動かない。
なんとも、しょぼいナンチャッテ自動、いや、ほとんど手動販売機。
見事な失敗作品

それでも、手作り箱の上のアナから10円玉をポンとおとすと、スッとキャラメルが脇からとび出したときの感動は、今もプルプルと記憶によみがえってきます。

なぜというタネから始まった、ひと夏の体験。


 

タネまきの楽しみ

 

なぜ」「どうして」。

こんな疑問をもつことは、ココロときめきます。

それをわたしは「ナゼの種まき」とよんでいます。

ところが、この種まき、決して発芽率がいいとはいえません。

うんうん、うなっても芽が出ない。
1年たっても、2年たっても、ちっとも変わらないのもあります。
芽がでた、と思ったら枯れちゃった、なんてのも少なくありません。

それでも、タネはまかないと、芽はでないんです。

だから、タネを大事にする。

昔かたぎの農家の方は、花が咲き、実がなり、特によかったものは最後まで育ててタネをとり、宝物のようにあつかいます。

そして、決していっぺんに播かない。
うまく発芽しなかったときのため、不作でいいタネがとれなかったときのこと、を考え必ず一定のタネを残しておく。

タネからはじまる物語。


 

タネ入りカード

 

ナゼの種まき」に、袋は不要です。
小さな紙切れがあればいい。
わたしは、ハガキ大のカードが好きです。
そこに「なぜのタネ」を書きしるしておく

今の世なら、それはパソコンやスマホになっているんでしょうか。

たとえば、ランニングのタネ。

なぜ、走って痛みがでるの?
どうして、足の裏に痛みを感じるの?
痛みって、何者なの?
どうして痛みは、出るときと出ないときがあるの?
痛みの強さって、どうして分かれるの?

なぜのタネ」は、意識さえしていれば、1日にいくらでも見つけだせます。
わたしなど、わからないことばかりだから、無尽蔵にある、といっていいほどです。

タネのカード。
それを、パラパラとふり返るときが、タネまきになります。

なかなか芽の出ないタネもある。
あっと驚くような発芽もある。
何かあったら、紙の裏にでも、発芽の模様を書きしるしておきましょう。

やがて、実がなる。

種まきをするしないで、人生は変わる。

 

たーさん
タネまいて  今日も水やり  芽ぶきまつ

 


 

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