行動の3要素
どこかに、出かける。
何かを、やりとげる。
故障を、のりこえる。
何にしても、押さえておきたい3要素、というがあります。わたしは、それを「とっかかりの3要素」とよんでいます。
とっかかりの3要素
(1)スタート地点(2)ゴール
(3)手順、道順
今の自分のおかれた場所や状況である「スタート地点」、たどりつきたい目標点や到達地点である「ゴール」、そこにゆくための具体的な方法である「手順、道順」、の3つです。
山登りは、ひとつの典型です。
(1)登り口の確認(スタート地点)
(2)頂上の確認(ゴール)
(3)ルートの確認
受験も、同じです。
(1)今の学力の評価(スタート地点)
(2)試験にとおるレベルの確認(ゴール)
(3)そのために学ぶべきこと
ランニング上の故障やケガの対応も同様。
(1)今の状態(スタート地点)
(2)目標の設定(治癒)
(3)そのために、すること
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特に大切なこと
とっかかりの3要素は、どれも大切です。
どれかが欠けていても、うまくはゆきません。
まさに、3本の矢、3つがそろってこその力です。
ですので、この3つに優劣をつける意味はないのですが、あえてここでは、ひとつだけ特別あつかいをします。
それは「今の状態」すなわち「スタート地点」です。
なぜ「スタート地点」を特別あつかいしたいのか。
じつは、3つの要素のなかで、しばしば軽んじられているからです。
軽くみるならまだしも、これだけ忘れられていることさえあります。
ゴールや目標は、だれもがつくりやすい。
一番目立つものだからです。
道順も、ゴールが設定されれば、自然に考えます。
具体的な、とりくみだからです。
ところが、じゃあどこからスタートするんですか?となると案外無頓着。
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故障を例にとってみる
走っていて、ヒザを痛めてしまった。
何日か走ることを休んでいたら、日常生活に支障はなくなってきた。
でも、走りだしてみると、何だか違和感が。
そして、ある日、同じ痛みの再現。
やっかいな慢性的故障。
こんなとき、ゴールは「ヒザの痛みがなおること」になります。
そのための手順は、さまざまです。
筋トレにはげむ、マッサージに通う、整形外科受診、痛み止めをのむ、ヒザサポーターをまく、しばらくランから離れる。
同じ故障をかかえているランナー同士、あるいは、それを克服したランナーとの「ゴール」への希望の話、「手順、道順」についてタメになる情報話は、おおいにもり上がります。
ヒトゴトじゃ、ないからです。
で、それで解決、となれば問題はありません。
ところが、故障をかかえているランナー、まだまだ少なくありません。
少なくない、イコール、解決されないという現実があるからです。
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いがいと他人事のスタート地点
ヒザの痛みなんて専門的なこと、自分にはわからない。
だから、その道のプロにゆだねるのさ。
それで、いいでしょうか。
たしかに、それが可能な状況にあり、それで解決がつく場合もあります。
でも、しばしば解決がついてゆかないことも少なくありません。
仕方がないことと自分の中であきらめてしまっているランナーも少なくありません。
なぜでしょうか?
スタート地点が忘れられているから、とわたしは思っています。
自分の故障なのに、「自分のコト」として、「今の状況」をみようとしないまま、いくらその道のプロと称する方にゆだねても、仲々うまくはゆかないものです。
優秀な家庭教師につけば、だれでも難関学校に入学できます、というのと同じような話になります。
どこから、スタートしたいのか。
ゆめゆめ、忘れないようにしたいといましめています。
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スタート地点を語りつくす
たとえば、ヒザの故障と思ったら、具体的な「今」を可能な限りの表現であらわしてみます。
ここが、スタート地点です。
オサラの外側の上の方をおすと、特に痛いかな。
トイレから立ち上がるときに、ピキーンと瞬間的な痛みがはしることがある。
歩道をゆっくり歩くぶんには何も感じないけど、すこし急ごうとすると、小さな違和感を感じる。
ゆっくり走ってみても、いがいと痛みは感じない。
フトンのなかで、ヒザの曲げ伸ばしをしてみても、何ともない。
オサラの外側の下のほうを押してゆくと、逆に気持ちがよくなる。
痛いほうの足で片足立ちしても、大丈夫。
いい状況、よくない状況、さまざまあるかと思います。
こんな感じで、どんどん今の状況を集めてゆく。
積み重ねてゆく。
いくつの状況や表現が、だせるでしょうか。
最低10こくらいの状況はほしい。
20こなら、さらにいい。
30こ、素敵です。
ヒザを故障しちゃって、ですまそうとしない。
ドコそこの、ナントカ靭帯の損傷、なんていう解剖用語で片づけない。
自分の「今」の状況を、自分の感覚を研ぎすまして、自分のコトバで語りはじめたとき、何かが変わりはじめます。
何かに、気がついてゆける。
ここで、はじめて本当の目標や道順がみえてくる。
だって「スタート地点」が、文字通りのスタート地点なんですから。
ここをおろそかにしているということは、スタートを設定していない、ともいえるんです。
スタート地点もないまま、スタートはできません。
何事も、そうだと思いますけどね。
まずは、スタート地点にちゃんと立ってみませんか?
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出発点 ぬきに何事 はじまらぬ
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