非日常
マラソン大会の旬。
そういう秋冬が、めぐってきました。
全国各地で、マラソン大会がはじまっています。
よかったです。
ところで「マラソン大会」には、なれていますか?
なれている、というのは、どういう意味ですか。
それは、「日常の延長上にあるかどうか」という意味です。
たとえば、10キロを走る。
これって、フツーのひとにとって、日常にはない行為です。
ひとによっては、変態行為とまで、口にすることがあります。
そういう方にとっては、「非日常」です。
ましてや、ハーフマラソン。
高校の行事とか、特別なことがない限り、人生にはありえない行為です。
いわんやフルマラソン。
どんな世界のはなしですか、というのが世間一般の常識です。
ということを、自覚していましたか。
つまり、マラソンは、ふつうありえない出来事です。
アリエナイ世界に、わたしたちは常識で入ってゆけるのか。
常識が、通用するのか。
そこに問題や矛盾は、生じないのか。
そういうことを、考えてみました。
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日常と、非日常
通常の、カラダの反応。
これらをまとめた学問体系のひとつが「生理学」です。
ふつう、カラダはこんなふうにして生きているんですよ、という世界。
たとえば、おマンジュウを、ひとつたべる。
おマンジュウは、胃の中で、くだけてゆきます。
十二指腸で、さらに消化がすすみます。
そして、空腸回腸で、エイヨー分が吸収されてゆく。
のこりは、結腸でだんだんと姿をかえてゆく。
さいごは、ウンチとなって、カラダから出てくる。
こういう観察が、生理学です。
すなわち、日常の学問。
それでは、いたんだおマンジュウをたべたら、どうなるでしょう。
たとえば、病原性大腸菌が入りこんだおマンジュウをたべる。
まずニオイで、あるいは口の中で、異変を察知してはきだす。
胃にまで入っちゃたら、オエオエと吐きだす。
オナカは、キュキュと痛んで、危険性をうったえます。
小腸・結腸まで侵入されたなら、すばやく下痢でおい出そうとする。
全身は、戦いのため、熱をあげて免疫クンの奮起をきたす。
こういう世界は、病理学です。
これは、いうなれば非日常の学問。
日常にはみられない、特別な状態。
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こむらがえり
筋肉の、自分勝手なツレと痛み。
これを「こむらがえり」といっていますね。
典型的な発生場所は、足のフクラハギのツレです。
といって、必ずしもフクラハギとは限りません。
太モモのウラだって、けっこうおこります。
腹筋におこる、というのもあり。
このコムラガエリ。
じつは、なぜ起こるのか、決定版の答えはありません。
原因や誘因が、ひとつではないのも、むつかしくさせています。
なかなか、複合的で、複雑な顔をもっています。
くわえて、ふつう、死ぬ病気ではありません。
ピーク時、痛みでノタうちまわっても、やがては自然にいえる。
こういう病気は、専門家も、目をむけたがりません。
コムラガエリの研究をしたって、たぶん、エラくはなれない。
製薬会社も、もうかるというほどの需要なし。
現実的には、決して発生数としては、少ない病気ではありません。
ですが、竹を割ったようにスパッとくる治療法は、まだありません。
たぶん。
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漢方があるじゃないか
コムラガエリには、いい治療法がない。
そういうと、そんあことはない、という反発があります。
「芍薬甘草湯」があるじゃないか、ということです。
そうです、カンポーの世界のはなし。
芍薬は、立てば芍薬の根っこ。
これは、筋肉のツレをやわらげる作用があるといいます。
甘草は、甘い草。
これには、水分をひきよせる働きがあります。
そして味をととのえる。
ただし、個々の作用は弱い。
なのに、2つがタッグをくむと、急に強力になってゆきます。
ケイちゃんとミーちゃんが組んで、ピンクレディになったような。
(比喩が適切かどうか、自信ありませんが)
甘草の方にこそ、筋肉の弛緩作用あるよ。
そういう見方もありますが。
いずれにしましても、コムラガエリには、芍薬甘草湯を一服。
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コムラガエリの松竹梅
ふつうの生活をしているおバアちゃん。
最近、寝ると明け方に、フクラハギがツッて、眼がさめる。
こういうときは、寝るまえに、芍薬甘草湯を一服。
「すっかり、ツレがおこらなくなりました」と。
病理学的には、カラダ変化は、松竹梅の一番安いランク。
オヤジさんの、趣味のゴルフ大会。
午前中ラウンドして、お昼に、かるくビール1本。
午後のラウンド中に、急にフクラハギがつって、歩けなくなる。
いそいで芍薬甘草湯をかむように口の中でモグモグ。
やがて、すっとツレはひいてゆきました。
このくらいになっても、病理学的には、松竹梅のまだ軽いランクでしょう。
さて、もりあがったマラソン大会。
道路の上で、全身のツレと痛みで声をあげて倒れているランナーがいます。
どこが痛いって、全身がつって、身のおきどころなし。
ここまでくると、さすがに松竹梅の最上ランクに入ってゆきます。
さあさあと、芍薬甘草湯の1包や2包じゃ何もかわりません。
こうならないためには、どうしておけばよいでしょうか。
ここまできちゃったら、どうするのが良いでしょうか。
現実におこっているアクシデントです。
救急車をよべばいい、ではすませたくない。
(つづく)
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一発で コムラガエリが なおらぬものか
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