均一、不均一
カラダの中は、基本的な組成は、すべて「均一」です。
いわゆる、「浸透圧」という、キホン中のキホン成分が、です。
カラダすべてが、ひとしい液で満たされている。
もちろん、活動によって、この均衡さはつねに変化しています。
活動のさかんな部署。
まったりしている部署。
それぞれ、代謝がことなるからです。
さる旅館があったとします。
松の部屋は、8人組の、お部屋宴会つきでのお泊まり。
梅の部屋は、ひとり静かな方のお泊まり。
翌朝の部屋のミダレ方は、同じにはなっていません。
それでも、旅立ったあとは、キチンとおそうじが入ります。
すると、同じようにサッパリとなります。
こういう感じでしょうね。
つねに均一さをめざしている。
カラダは、そう働いています。
なのに、なぜ家や押し入れの中はそうならないのか。
性格は、均一さを求めていないのか。
単なる、ズボラ?
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熱中症騒動
マラソン中の、3大内科系アクシデント。
大コムラガエリ。
熱中症。
急性胃腸障害(オエオエ、腹痛)。
こんな分類や統計、聞いたことありません。
すいません、わたくしの勝手な思いこみです。
よく出会う事件、ということです。
その中の熱中症を考えてみます。
はい、いつもの道草です、すいません。
熱中症は、マラソン大会では、めずらしくない病態です。
いえ、マラソンだけではありません。
屋外での活動一般だって、よくおこります。
場合によっては、しめきった部屋の中でもみられる。
しめきった車なんて、とくに危険。
夏ばかりでなく、その他の季節でも。
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熱中症のおしえ
熱中症については、コムラガエリより、研究がすすんでいます。
専門家も、とりくまれている方が多い。
なぜなら、頻度が高いから。
救急車でお越しになる方も少なくはありません。
なぜなら、命にもかかわるからです。
重くなれば、命をおとします。
ということで、勉強する機会も多い。
夏が近づけば、いろんなかたちで特集も組まれます。
病態の分類だとか、重症度の分類なども整備されています。
わたくしには、覚えきれない。
ということで、ウンチクは数知れず。
いや、ちゃんとした治療法です。
ですが、それらは省かせていただきます。
わたくしの技量をこえています。
熱中症の特質をひとつだけあげます。
カラダの脱水。
脳ミソのムクミ。
この相反する、2つの病態です。
そう、さきほどの「均一」の原則に反した状態です。
カラダの、メッチャな不均一。
これこそが、熱中症を特徴づける病態。
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相反
カラダが脱水状態になる。
ま、だいたい熱中症になる条件のひとつが、水分不足ですから。
ここまでは、ついてゆける。
なのになぜ、脳ミソだけは、反対にむくむのか。
いえることは、脳ミソだけは、特殊な血管構造をもっている、ということです。
脳ミソの血管だけは、特殊なバリアがはられている。
血管を通しての出入りが、ひじょうに制限されています。
江戸時代の「入り鉄砲に出女」みたい。
むやみなものは、いっさい血管壁を通過させない。
そういう、最後の砦みたいなつくりになっているんですね。
関所やぶりは、打首獄門。
繊細な脳ミソを守るための神サマがつくったしくみです。
繊細な脳ミソに例外はありません、わたくしのようなものにも。
でも、フリーに出入りできるものはないかな。
そういって、人類はむかしから考えてきました。
本当に考えたかは、わかりませんが。
その結果、フリーとまではゆきませんが、ある程度通過しやすいブツを発見してゆきます。
それが「アルコール」と「麻薬」です。
麻薬は、何をもって麻薬というのか。
それは、脳ミソを通過できる物質、というところからです。
人類は、こういうものを見つけ、大切にしてきました。
なぜなら、脳を通過できるブツをとると、気分が変われると知ったからです。
逆にいえば、ほかは簡単には通さない。
通りゃんせ。
それが、脳ミソを守るということです。
人間は、脳ミソを守るしくみが、格段に進化・複雑化しているんですね。
さて、なにやらカラダが脱水気味になってきたぞ。
このままゆくと、脳ミソも干上がってしまいかねない。
こりゃ、脳ミソを守らねば、大変なことになるぞ。
干上がる前に、脳ミソに水分をストックせよ。
というシクミがあるんでしょう。
カラダが干上がりはじめると、脳ミソはムクミだす。
水分を、ためようと働きはじめる。
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とりもつ縁
かたや脱水。
かたやムクミ。
ひとつのカラダの中で、相反する別々の状態が進行中。
これって、よくはありません。
カラダは「均一」の大原則を、やぶっていくわけですから。
ですから、重い熱中症は、手強いんです。
不均一さの増強って、なかなかやっかいです。
脱水だから、点滴を入れて、なおせばいいじゃん。
そうすると、脳ミソのムクミはすすんじゃいます。
脳ミソ優先で、脳ミソのムクミをまず補正しよう。
そのために、濃い点滴だ。
するとカラダの脱水が、ますます進行です。
両者のバランスを、どのように調整してゆこうか。
そして、高度の熱中症では、ときに筋肉のケイレンもみられます。
ああ、コムラガエリじゃないのか。
マラソン中のコムラガエリは、だいたい深部体温があがっています。
熱中症もひそんでいる。
ということは、カラダの各部の「不均一」状態もある。
脳ミソのむくみもはじまっている。
ということは、熱中症対策に準じる手立ても必要。
しかも、カラダに関しては、より複雑な事件がおきています。
典型的には、カラダ脱水状態でしょう。
熱中症なら、ふつうコレです。
逆に、お水とりすぎで、ブクブクになっているときもある。
こういう熱中症は、なかなかみられません。
簡単に、わりきれない。
マラソン中のコムラガエリ、いがいに奥が深い。
(つづく)
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脱水に ムクミの混在 根は深し
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