向きは決まっている
ひとは、おかれた状況の中で、つねに「よい方向」へ向かって生きている。
これが、生命の基本原理です。
どこに、書いてあるって?
すいません、わたくしのたわごとです。
毎度、申しわけございません。
「つね」に、よい方向を向いています。
ときどき、ではありません。
思いついたときに、でもありません。
「よい方向」です。
決して、悪い方向へは向きません。
ですので、生命の基本原理、といいます。
基本原理というだけの根拠はここにあります。
ポイントがあります。
「おかれた状況」の中で、ということです。
さまざまな、おかれた状況があります。
たとえば、病気を抱えている状況、もあります。
故障を抱えている状況、もありえます。
そのなかの、どんなときにあっても、カラダがめざしているのは「よい方向」です。
楽観的すぎないか。
人生を、甘くみすぎていないか。
ノー天気すぎるだろう。
方向が、ちがっているよ。
いろいろと、突っ込まれることは承知の上です。
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たとえば、痛い
無理をおして走っていたら、ヒザが熱をもって、痛くなってしまった。
走りたくても、走れない。
走るばかりか、歩くのさえきつい。
この腫れと痛みの、どこが「よい方向」なんですか。
たしかに、さわると熱い。
押してみただけでも、ズキーンと痛みがましてくる。
このヒザ周辺は、どうなってしまったんでしょうか。
ヒザまわりの組織の損傷が考えられます。
損傷がおこったら、カラダは、何をはじめるでしょうか。
「修復」です。
修復には、修復細胞と、修復因子の動員が必要です。
これらが、せっせと新しい組織を作りなおします。
工事中は、熱がでます。
高い温度下で、彼らは活動を活発化させられるからです。
工事中は、組織の安定化を望みます。
修復できる前に動かされちゃうと、新たな損傷が生じてしまうからです。
だから、新しくなるまで動かさないで。
その意思を、痛みという信号で、伝えてきます。
そして修復が終われば、熱も痛みもひいてゆきます。
それは、修復作業の終了、にほかなりません。
熱も痛みも、よい方向に向かうためにあらわれた現象でした。
こうになるから、生きてゆける。
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たとえば、太る
ヤバイ、体重計の目盛りが、どんどん上がる一方だ。
検診もあるのに、このままじゃ、イエローカードがまっている。
そして、これはカラダにとっても、よいことじゃないはずだ。
体重増加の、どこが「よい方向」なんですか。
現代人のたべすぎの主役は、糖質(炭水化物)です。
たべものの6割以上、ときには8割をこえているかたもいます。
ラーメンライスは、糖質✖️糖質のお手本。
とった糖質は、血液中に入り、血糖になります。
そのままでしたら、血糖値はバカ上げ。
一定以上あがると、不完全燃焼をおこして、利用もできなくなります。
これを糖尿病といいます。
ひどいと、昏睡状態から命にかかわることもあります。
なので、インスリンというホルモンがでて、血糖値を下げてくれます。
下げるって、具体的に、どうするんですか。
一部は、臨時の倉庫に入れます。
冷蔵庫に、入れる感じ。
冷蔵庫に入りきらない部分は、中性脂肪という貯蔵物質におきかえて、たくわえます。
まずは、肝臓の中、そしてオナカまわりから。
このようにしてくれるおかげで、高血糖の害から守ってくれています。
オナカぷっくりは、よい方向に向かうためにあらわれた現象でした。
こうになるから、生きてゆける。
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たとえば、血圧があがる
血圧が、毎年、あがってくるんですよ。
はかるたびに、恐怖です。
このままだと、脳卒中とか心筋梗塞になりませんか。
血圧上昇の、どこが「よい方向」なんですか。
塩分や糖分をとりすぎると、どうなるでしょうか。
血液の濃度があがってしまいます。
濃くなる、ということです。
血液は、濃度変化に敏感です。
ちょっと「濃くなる」だけで、ダメージになってしまいます。
力がでなくなる。
しまいには、意識も遠のいてゆく。
まさに、高血糖と同じしくみが展開されてしまいます。
これを改善するためには、どうしたらよいか。
血液中の水分をふやして、水でうすめるのが常套手段。
オシッコで出そう、としても限界があるんです、とくに年とともに。
うすまった血液は、ボリュームが増します。
さらに運動不足や加齢は、末梢の毛細血管の流れを悪くします。
血液が、スイスイ流れてくれない。
そうです、血液は、流れが滞ったら、即ヤバイんです。
ならば、生きるためには、どうしたらよいか。
ポンプの出力をあげて、グイグイと、血液をまわすことです。
この力が、血圧です。
血圧=(血管内のボリューム)✖️(抹消抵抗)
ああそうか、血圧って、オームの法則にのっとっているんですね。
ボリュームがふえれば、血管はパンパン、圧があがります。
太っオナカで、小さいTシャツを着るイメージ。
抹消抵抗があがるなら、力で対抗、圧があがります。
血圧上昇は、よい方向に向かうためにあらわれた現象でした。
こうになるから、生きてゆける。
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でも、です
とはいうものの、ですね。
おっしゃりたいことは、わかります。
痛みがある。
太る一方。
血圧があがりっぱなし。
こういうのは、決してうれしくはありません。
不快です。
心配です。
「よい方向」といいましたが、「ベストな方向」ではありませんから。
といって、いきなり逆噴射。
痛み、死ねし!
やせるために、絶食。
降圧のために薬漬け。
なんていうのも、どうなんでしょうか。
自分のカラダは、おかれた状況の中で、つねに「よい方向」へ向かってくれているんです。
この方向性に、間違いはありません。
だって、今日までの命をつむいでくれてきているんですから。
いま必要なこと。
なんで痛むんだろう。
なんで体重がふえ続けるんだろう。
どうして血圧があがる一方なんだろう。
こういう会話ですね、自分との。
いま、大切なんじゃないんでしょうか。
もう一歩、掘り下げると、カラダの言い分がみえてきます。
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生きてる間は よい方向へ 向いている
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