西洋薬の特徴
西洋薬の基本は、薬理学です。
わたくしの苦手な「ガクモン」。
そのスジの専門家が、理屈にのっとって、体系をつくりあげています。
その中心に、代謝経路があります。
ねらうのは、その中のピンポイント。
代謝の「ココ」に、斬りこんでやろう。
入り方は、だいたいが「代謝の通せんぼ」です。
代謝の流れを、止める、さえぎる。
それが、名まえにも、あらわれています。
ナントカ阻害剤。
ナントカブロッカー。
西洋薬の、おおかた7割以上が、このタイプです。
自然にたとえれば、ダム建築。
流れを、せき止める。
日本人さん、好きですね、ダムが。
ただ、人体にとっては、どうなんでしょうか。
脳の流れが止まると、脳梗塞。
心臓の流れが止まれば、心筋梗塞。
日本以外では、「ダム」は「ムダ」という思想が広まっています。
自然も、人体も。
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漢方薬、ワカリマセン
漢方薬を、薬理学にのせようとすると、途方にくれるそうです。
一例をあげれば、芍薬甘草湯。
ランナーにとって、こむらがえりの妙薬として有名です。
芍薬と、甘草という、2つの生薬をまぜただけのもの。
なのに、この中に、3千をこえる成分が抽出されるんです。
その中の、どれが効くのだろう。
アレか、コレか。
たくさんあれば、相互作用だって、無視できない。
どーなってんの?
それでは、漢方のしきたりに従ってみようか。
五行説ってのがあったな。
陰陽とか、寒熱なんてのもあったな。
脈で、何十ものちがいを、読み取るんでしたっけ。
ますます、わけわかんなくなります。
少なくとも、わたくしにとっては。
そういうときは、どうしたらよいでしょうか。
はい、勝手に解釈してゆく。
こまった性格です。
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「状態」という発想
ムカシのひとは、どういう感性で、漢方を使ったのでしょうか。
あるいは、つくっていったのでしょうか。
だいたい、理屈というのは、あとからついてくるものです。
理屈が先走るのを、ヘ理屈といいます。
ヘ理屈が先行すると、無理が生じます。
無理が重なると、故障しちゃいます。
あ、ランニングの場合には。
漢方の素朴な発想。
それは、「状態」でみてゆく、ということなんじゃなかったでしょうか。
ある状態から、つぎの状態へ移ってゆく、ことが生命現象の本質です。
生まれて、成長して、老いて、死んでゆくという状態の移ろい。
疲れのたまった状態から、疲れのぬけた状態への変化。
口に入れたご飯が、消化吸収され、うんちという状態へ。
傷口が、ふさいで、もとの皮膚へという変化。
この状態の変化にかかわろう、という発想じゃなかったんでしょうか、漢方は。
状態の変化を、後押しして、はやめる漢方。
どどこおった状態を、ほぐして流れをつくってゆく漢方。
早すぎる状態変化を、ゆっくりさせようとする漢方。
すべて、「A状態」から「B状態」という流れで、おってゆけます。
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ギューとなった筋ちゃん
ギックリ腰は、腰のこむらがえり。
ギュッとちぢんでしまった腰の筋群が、ゆるめなくなる。
結果、痛い、動けない。
(わたくし説、ほかの要因もありえますが)
こうなったら、何を求めますか?
筋ちゃんが「ギュー」の状態から、「フワッ」の状態になって欲しい。
そのとき、天才があらわる。
芍薬と、甘草をまぜたものをとると、そうなるよ。
同時に、「かわいた」状態に、「うるおい」状態になってゆくよ。
こむらがえりは、足の筋ちゃんが、ギュー。
尿管結石は、尿管の筋ちゃんが、ギュー。
しゃっくりも、横隔膜の筋ちゃんがギュー。
おなかの差し込みだって、筋ちゃんがギュー。
けっこう、ギューって、あるんですね。
はやく、ゆるめてあげよう。
芍薬甘草湯のお仲間のひとりが、葛根湯。
だって、葛根湯には、芍薬と甘草が入っていますし。
そこに、さらに温めてゆるめる働きをもつ、葛根(クズ)がある。
ただし、おもしろいことに、上半身の筋ちゃん限定で「フワッ」とさせます。
肩や首筋のギュー。
アタマのギュー。
目の奥のギュー。
あ、眼精疲労って、目ん玉の疲労じゃありません。
目ん玉を動かす筋ちゃんギューの疲れ感です。
そして、首からつながっている腰のギュー。
葛根湯は、カゼのときより、こっちの方が本領を発揮するみたいです。
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いまは、エキスで簡単
漢方を、長時間ことこと煎じて、煮だす。
こういう風流をたのしむ。
人生、余裕がほしいものです。
でも現実は、そんな余裕はありません。
こだわらなければ、エキス剤があります。
これでも、十分いける。
熱い白湯を、湯呑みにそそぎます。
そこに、エキス剤を投入。
そして、スプンで、まぜまぜ。
プーンと、いい香りがただよってきます。
その香りを吸いながら、フーフーと口にふくみます。
ここで、しばらく口の中でなじませるように味わうのがコツ。
あわてて、飲みこまない。
なぜなら、その方が、吸収がはやいし、確実だからです。
ところが、この香りがあわない。
味が受け入れられない。
そういう方は、たぶん、効果は期待できないかも。
効くかたは、好きになりますから。
もちろん、白湯でといた漢方に、味付けをしても問題ありません。
苦味を感じるなら、苦味でうすめるとか。
たとえば、コーヒーをまぜる。
苦味を、甘味でかくそう、という作戦はむつかしいようです。
マラソン途中のこむらがえり。
しばしば芍薬甘草湯が登場しますが、だいたいは、お湯でマッタリ、と飲めません。
なにしろ、マラソンコース脇が多いものですから。
この差が、効果の出方に、影響しているかもしれません。
気持ちを落ち着かせて、熱いのを味わう。
その直後からの、カラダの変化を、味わってみてください。
今回のわたくしの一服、お見事、座ぶとん10枚でした。
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状態を スルリとかえて 漢方よ
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