うるおいが欲しい
曲がりカドの先にあるおハダの宿命は、乾燥です。
乾燥しているか、否か。
かわいたおハダは、おハダ機能全般に影響をおよぼします。
そして、カイカイ。
たとえば、湿疹という、ジクジク、カイカイになったおハダがあります。
これを強力におちつかせるものとして、ステロイド軟膏があります。
ステロイド剤って、こんなにも効くのか。
たしかに、ステロイドの炎症をおさえる力は、強力です。
しっかりと、おさえます。
おさえるけど、しかし、おさえるダケです。
おさえただけでは、キレイにはありません。
どうしたら、キレイに治るのか。
もちろんです、皮ふがうるおいをとりもどしたときです。
ということで、ステロイド軟膏を見直してみます。
すると、ステロイド成分って、わずかなことがわかります。
主成分は、うるおい剤です。
うるおいなくして、いいおハダなし。
主役を見失ってしまうと、迷子になってしまいます。
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うるおい第一でいいのか?
それでは、おハダは、うるおってさえいればいいのか?
こういう質問には、困ってしまいます。
人間に、絶対なもの、なんてありませんものね。
すべては、相対的なもの。
もっと、柔軟な発想でゆきたいです。
そもそも、疲れませんか?
という前振りをしておいて、やはり「うるおい」が基本と考えます。
うるおっていれば、おだやか。
うるおっていれば、何かが起こっても、回復がはやい。
それは、皮フも、ココロも同じです。
全身アトピー性皮ふ炎という、たいへんな状態の方がおられます。
そんな患者さんでも、ハナの頭だけは、キレイです。
ハナの頭だけは、「うるおい」が残される場所なんですね。
人間も、ワンコの仲間、という意味なんでしょうか。
ああ、ネコだって、ハナの頭はうるおっています。
ですから、全身ハナの頭状態をめざす。
全身のうるおいを、とりもどす工夫をしましょう、ということです。
ここを欠いては、なかなか次のステップはふめません。
つまり、うるおいの回復なしに、おハダの回復なし。
どんなに強力な薬を使っても、です。
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あきらめない
皮ふのカサカサ、乾燥。
これは、見た目だけでも、ある程度はわかります。
ご当人にしてみれば、あたたまってポリポリしたくなる。
ランナーは、勝負時には、薄着になりがちです。
そんなとき、露出したおハダがカサカサ。
ちょっと、気になりませんか。
なにより、刺激で、カイカイ。
よし、そのためには、おハダのツヤを取り戻せ。
おハダを観察してみると、脂分が足りていない。
ならば、足りなくなった脂分をぬりこんでみよう。
ということで、脂分の入ったぬり薬が、いろいろとあります。
ツバキの油。
馬の脂だってある。
これと相性があって、お肌がモチモチ、なら万々歳。
何事も、相性なんです。
絶対にコレでなくちゃ、というものはありません。
でも、相性のよくない方もおられます。
ベトベトするし。
なかなか、馴染めない。
ここで、あきらめないでください。
次の手を考える。
世の中は、つねに、こういう風に回してゆきたいものです。
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水分に着目
年とともに、カラダの中の水分量は、減ってゆきました。
赤ちゃんの水分は、体重の7割。
成人の水分は、体重の6割。
そして年をとると水分は、体重の5割。
これは、水分をとる量が減ってゆく結果なのでしょうか。
いいえ、ちがいます。
1番のちがいは、水分を保つ力の差。
つまり、保水力の差と考えられています。
かつての日本は、保水力に富んだ国でした。
紅葉樹が多く、地面は、堆積してゆく落ち葉でおおわれていました。
こういう山々が、雨水を受け止める。
緑のダム、と表現されることもあります。
そのため、日照りがつづいても、川は枯れない。
大雨があっても、水を吸収してくれる。
そんな木々が切り倒され、どこまでも入る開発の波。
雨がふれば、一気に流れ落ちるだけの流れ。
もちろん、保水力は低下する一方です。
濁流のあとは、カラカラ。
国土も、人間のハダみたいです。
国土も年をとったようです。
話が、ズレてしまいました。
20歳のおハダの保水力を、100とします。
すると70歳の保水力は、30を割りだす、という報告もあります。
カラカラじゃん。
この1番の原因は、皮ふ表面からの蒸発と考えられています。
保水力の低下。
日本の山と同じ状況です。
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保水
ならば、皮ふの保水を目指したらどうでしょうか。
皮ふ表面からの水分の蒸発を防ぐ工夫です。
なかなか、理になかった発想です。
そのひとつが、皮フの表面のフタをする、という方法です。
先ほどの、脂の成分を塗る、ということなど。
これもありです。
しかし、どうしてもベタベタ感は、いなめません。
そして、あまり生理的ではありません。
もともと、皮ふは油でコーティングされているわけではありませんから。
水分をはじく程度には、なっていますが。
それは、おハダの原点、赤ちゃんのハダをを見ればわかります。
脂ぎってはいません。
なのに、モチモチ、うるおい全開です。
そうか、ひとのおハダは、水分を「とどめておく」工夫があるのか。
して、その「とどめる」しくみはどうなっているのか。
そういう、研究が進んだようです。
(つづく)。
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