古いヤツ
古い人間には、古いものが似合う(かも)。
か、どうかわかりませんが、わたくし、旧暦人間です。
お月さまの運行とともにある毎日。
もちろ、部屋にはってあるカレンダーも、旧暦バージョンです。
旧暦に出会ってから、目の前の自然が、360度かわりました。
って、グルリと回って、同じとこだろ。
はい、自然はかわりませんでした。
それを見る目が、ガラリとかわっただけです。
もちろん、明治以前は、すべてのひとが旧暦生活です。
古典の日付けは、旧暦でみないとズレてしまいます。
赤穂浪士の討ち入りだってそうです。
元禄15年12月14日。
これは、今でいえば、1月下旬ころです。
(旧)センター試験の真っ最中のころ。
雪と縁のふかい季節です。
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今年の七夕
2021年でいうと、8月8日が、月の見えない朔月。
文字通りの、月のはじまり。
旧暦、7月1日です。
7月が、はじまりました。
旧暦では、7月8月9月が秋になっています。
秋の気配が、一歩ずつ、しのびよってきます。
どこかに、秋を感じませんか。
朝の、ちょっとしたすずしさとか。
夕の、雲の高さと夕やけとか。
わたしの場合、まず夜の底でしょうか。
いつの間にか、窓の外、コオロギの声が、にぎやかになる。
昼間のセミに、負けてません。
まだ暑い中、小さな秋をさがすのも、オツなものです。
残暑のなかの、ひとつのたのしみ。
同時に、さみしさ。
そして、旧暦7月7日。
ホンモノの七夕です。
お月さまは、約28日周期で満ち欠けをします。
15日目で、まあるくなるので満月。
7日は、ですから、その半分、半月です。
満月ほど、明るくはない。
さりとて、三日月の暗さではない。
そこが、ミソ。
今年、2021年の七夕は、新暦8月14日にあたります。
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七夕と天の川
旧暦7月7日の夜は、天の川が、南北に走っています。
そして夜に入ると、七夕の月が、真南の線上にまわってゆきます。
このとき、です。
七夕の月に照らされた夜空は、天の川と同じ明るさになります。
すると、天の川が見えなくなってしまうのですね。
すると、どうなるのでしょうか。
大きな天の川が、消えてゆく。
天の川に隔てられて、一方には、わし座のアルタイルが輝いています。
別名、彦星。
対岸で輝いているのが、こと座のベガ。
別名、織姫。
この夜だけ、隔てていた天の川が、消えてゆくのです。
ですから、この夜だけ、めでたく会いにゆける。
うーん、夜空の天体ショーです。
どなたが、発見したのでしょうか。
となれば、旧暦7月7日しかない。
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いそがしい七夕
七夕伝説の起源は、古代中国の、牽牛(けんぎゅう)と織女(しょくじょ)の星伝説です。
そして七夕は、それだけではありません。
織女は、機織りの仕事をつかさどる星です。
ですから、七夕の夜には、裁縫の上達を祈願しました。
のちには、5色の短冊に願いをかいて、短冊に飾るようにもなります。
5色は、陰陽五行説からきているようです。
それが大きくなって、「ねぶた」や「竿燈祭り」にもなってゆきます。
くわえて、お清めの日になってゆきます。
昔は、七夕の日に村人が総出で、道の清掃や溝さらいをしました。
井戸さらえも、おこなわれました。
七日盆とよばれる、精霊を迎える準備です。
この日、子どもや牛馬は、水浴びをさせられます。
すべて、先祖の霊を迎えるためのミソギです。
七夕の日は、けっこう、いそがしい。
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願いごと
七夕の翌日には、七夕飾りを川や海に流します。
ぼくも、小さいころ、した思い出があります。
七夕送り。
願いごとをかいた七夕飾りが、天の川まで伝わると願いごとがかなう、といわれています。
もちろん、七夕飾りだけじゃなく、灯籠にのせて送るところもあります。
いまは、これらは環境を乱す、ということで、御法度の時代ですけれど。
わたしは、もっぱら朝ラン派です。
自然に目が覚める。
夜に走る、ということはまずありません。
ウルトラマラソンで、制限時間との競争で夜に入ってしまって、というのはありますけど。
でも、七夕の夜だけは、夜ランもいいでしょうか。
いやいや、それより、散歩かな。
たまには、ゆっくりと夜空を見上げてみる。
天の川に、願いを送って。
本当に、天の川が消えてゆくのかな。
そして、織姫と彦星をさえぎるものがなくなるのかな。
しつこいですが、今年の七夕は、新暦8月14日(土)です。
どんな世界が、見えますか?
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秋がきて 夜空で演じる 七夕の奇跡
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