アタマと、皿まわし

大道芸人入門

 

皿まわし、という芸をご存知でしょうか。

棒の上にのせた皿をクルクル回す。
すると、落ちてくるはずのお皿が、棒の上で安定しています。
クルクル、クルクル。
回転がよわまると、クネクネして落ちちゃいます。

なぜ、棒の上にのっていられるのでしょうか。

それは棒の上で、バランスがとれているからですね。
バランスがとれなければ、クルクル回しても転落です。

棒の上の皿は、バランスが命。
バランスさえとれれば、ほそい棒の上でも、ちゃんと皿はのせられます。
回せられれば、ウケます。
いちど100均で、お皿を買って、チャレンジしてみませんか。

たまには、エンターテイメント
本日は、いつもより余分に回しています。

 


 

アタマはバランス

 

大きくて、重いアタマ。
これも、首の椎体という、いうなれば棒の上にのっています。

構図的には、非常に不安定なのせ方になっている、というのがおわかりいただけるでしょうか。
なのに、アタマが回転の落ちた皿のように、コロンと落ちてくることはありません。
まるで、皿まわし。

そしてこちらこそ、落ちちゃ、こまります。
こまらないように、落ちそうになるアタマを支えようと、カラダは全身でがんばってくれています。
その結果の頭痛や、肩こり、首のこり、ほかの諸症状に悩まされることもあります。

いえ、自分のアタマは、ちゃんとのっているよ。
そう胸をはっていいたいです。

では、ちゃんとのっているのか、少々のバランスを欠いているのか、いやはや、アタマも首も悲鳴をあげているのか。
どうしたら、判断できるでしょうか。

 


 

人間皿まわし

 

そこで考えつくのが、人間皿まわし

アタマが、首の上でクルクル器用に回せるなら、アタマは首の上にバランスよくのっている証拠です。
皿回し理論といいます。
安心してください。

さあ、ためしてみましょう。
って、できません
アタマは、首の上でクルクル回せる構造にはなっていなかったんですね。

それでは、回らないまでも、せめて首の上で左右にブルンブルンと、車のワイパーのように往復させられないものでしょうか。
ゆっくりなら、何回かは、つづけられます。
でも、スピードをあげたり、数をふやそうとすると、どうでしょうか。
目が回るだけです。

耳は、とくに内耳は回転に弱い。
氷の上でクルクル回れるフィギャースケーターは、特別なひとです(変人という意味じゃありません、あしからず)。

人間は、アタマ皿まわしには、なじまない
今回まなんだ教訓です。

 


 

逆皿まわし

 

発想の転換。

アタマは、クルクルまわせない。
ならば、首のほう、つまり棒をまわしてみたらどうでしょうか。

首は、皿まわしていうところの「棒」にあたります。
ですから、「逆皿まわし」ということになります。

そして首は、椎体という骨の積みかさなった柱です。
椎体は、腰から一本の柱をつくっています。
ドー体の中心をつくる大切な芯棒です。

ということで、ドー体を左右にまわしてみます。
ゆっくり。
これなら、目をまわさずにできそうです。
アタマは、まわしません。
つまり、視線は前を向いたまま

 


上図は、下に紹介の『「片頭痛」からの卒業』から拝借

 

スムースにまわりますか?
それなら、アタマはバランスよく棒の上、いえもとい、首の上にのっているということです。

 

 

頭痛に逆皿まわし

 

ドー体を、左右にイヤイヤとふるだけなんて、単純すぎないか。
はい、単純が性に合っているもので。
と思っていたら、目的はちがうのですが「頭痛体操」としても名をはせていました。具体的には、片頭痛予防体操。
(若干、虎の威を借りています)。

頭痛診療の大家、元日本頭痛学会理事長、北里大学医学部名誉教授、現埼玉国際頭痛センター長をされている坂井文彦先生の提唱です。
わたしとちがって、えらい肩書きの並んだ先生です。

長年にわたって頭痛診療にたずさわれ、さまざまな治療をおこなってきた末にたどりついたものがコレ、というのもステキじゃありませんか。
真理はシンプルで、美しい。

最近、わかりやすい新書本も出版されています。
『「片頭痛」からの卒業』講談社現代新書です。
頭痛に関心のある方には、とても有用だと思います。
ものすごく、学問的。

アタマも、お皿も、棒の上でバランスよくのることが大事。
いえ、アタマとお皿を並べちゃって、ごめんなさい。

 
 

いい走りは、逆皿まわし

 

気持ちよく、タンタンタンと、走ってゆく。
気持ちよく、というのは、無駄な力みをへらしての、ゆったりランというくらいの意味です。
そのひとつが「飛脚走り」です(たまには宣伝)。

タンタンタン。
このとき、アタマと首の関係にも思いをめぐらせてみてください。
アレアレ。
逆皿まわしっぽくなっていませんか。

小刻みに左右するドー体、その上の首の上に、バランスよくアタマがのっている。
アゴをひくわけでも、緊張を強いるわけでもない。
自然に、のっている感覚。

気持ちよく走る秘訣のひとつに、アタマをバランスよくのせていることもあるのかもしれません。

最近は、マラソン中継を真横から見られるようになりました。
気持ちよさそうに走っているランナーのアタマと首の関係。
つぎは、そこにも着目してみてください。
アタマが、どのようにのっていますか?
自然さ、とともに、美しさを感じませんか。

ですから、走りを楽しめるランナーには、まず「頭痛持ち」はいない感じがします。
10人に1人は頭痛持ち、という頭痛大国ニッポンにあって、これは特筆すべきことじゃないでしょうか。

特筆ですが、でも、特別じゃありません。
なぜなら、気持ちよく走ること自体が、アタマのバランス調整になっているんですから。
気持ちよく走るのは、そのまま頭痛体操になっちゃっているんですから。

動の中の静。

ただし、アタマがガンガンしているときに、痛み止め目的のランニングはおすすめできません。
無理はなさらないでください。

ランニングの可能性、まだまだありそうです。

 

たーさん
気持ちよく まわしていますか 皿まわし

 


 

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