長引く運動器の痛み

急性の筋肉痛

 

長距離を走ったあとの、カラダの変化。
イタタタタッ。
動けば痛い、じっとしていれば何とかなる。
それは、たぶん筋肉痛です。

身の程知らずな距離を走れば、どうしても山のような筋肉痛攻撃をうけてしまいます。
程度も、ハンパないことがあります。
しゃがむのにも、ぎこちなくなる。
そして、軽快するまでに、時間がかかる。

ところが、ここに「麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)」を服用してみる。
すると、何ということでしょう。

痛みの程度は、半分以下になる。
痛みのつづく時間も、半分以下になる。

ふつう、レースは日曜日におこなわれます。
日曜日に、たとえば100キロを走って、ボロボロ。
そのため、ゴール後から服用開始。

月曜日、あれ、ぜんぜん快適。
水曜日、朝おきてすぐに服用したけど、そのあと飲み忘れ。
だって、もう気にならないんですから。
ですからこの時点で、服用中止へ。

 



 

よくならない

 

長距離走後の筋肉痛。
こういうのを、「一過性」の痛みといいます。
文字通りの、一過性。
まさに、そのときの一時的なもの。

ところが、すべてが、このようにおさまらないことがあります。
何日たっても、何週間たっても、ジクジク痛む。
あるいは、よくなったと思って走りはじめると、再び痛い。
もとの痛みに、逆もどり。

こうなってしまうと、なかなか、やっかいです。
もちろん、走りをたのしむ、という次元ではなくなってしまいます。
場合によっては、日常生活にまで、支障がでてしまうこともあります。

そんなときは、どうしたらよいでしょうか。

わたくしは、「走りの基本にまい戻ってみる」というのを考えます。
もっと一般化すると、「カラダの使い方の基本へまい戻る」です。

具体的には、「痛くならない」走り方を工夫する。
痛くならない」カラダの使い方を工夫する。
そうです、自分にあった痛くならない走り方や使い方が、あると思うからです。

たとえば、「距骨」で着地を支える、とか。
逆に、この「基本」を忘れていると、根本的な解決が遠のくとこがありそうです。
まずは、ココにもどる。

同時に、はやく痛みを消したいのは心情です。
なにか、そこにいい方法はないでしょうか。
ひとつの工夫を紹介させていただきます。
ふたたび、漢方の登場です。

 



 

さすがの組み合わせ

 

一過性ではすまない運動器の痛み。
その要因は、どこにあるんでしょうか。

もちろん、そこに繰り返して無理がかかっている、というのを考えなくてはなりません。
それじゃ、よくなりません。
わかっているはずなのに、いがいと、わかっていない。

そういうことは、しないよ。
でも、よくならないのだよ。
そういうときです。

それは、原因が、筋肉にとどまっていないとも考えられます。
だって、筋肉の再生は、なかなかスムースです。
つねにリニューアルしている。
だから、筋肉「だけ」だったら、痛いのは一過性なんですね。

すると、ほかに障害をうけている部分があるんでしょう。
そこは、どこか。

筋肉をつなぐ「」が痛んでいる(筋肉の延長ですが)。
関節」部分も痛んでいる(関節包です)。
この両者は、もともとジョーブなので、そう簡単に障害されないんですが。

ですから、この痛む部分に痛み止め成分が注入されたらどうか。
はい、楽になります。
注入したい成分は、「麻黄」です。

で、案内役というか注入役の出番です。
筋肉内に引き入れる「薏苡仁(よくいにん)
関節内に引き入れる「蒼朮(そうじゅつ)

同時に、緊張をほぐしてくれる桂皮。
こわれた血管をつくりなおしてくれる当帰。
おまけに、ランナー御用達の痛み止めの芍薬と甘草セット。

これら7種の生薬の連合軍です。
その名を「薏苡仁湯(よくいにんとう)」。
その具体例をみてみましょう。

 



 

筋肉・腱・関節連合軍

 

長引く運動器の痛み。
そこには、もしかしたら、筋肉・腱・関節の連合軍がまとまって障害されているのかもしれません。

すると、どんなことになるのでしょうか。

まずは、場所が運動器です。
ですから、じっとしていれば、痛みません。
だって、使いませんから。
で、動かそうとすると、痛い。

たとえば、ランナーで有名なのは、アシの裏の痛みです。
足底腱膜炎なんて、いわれます。

ほかに、筋肉・腱・関節連合軍というと、何を思いだすでしょうか。
ラケットの振りすぎ(テニス肘)
指の使いすぎ(バネ指)
蹴りすぎ(アキレス腱炎)

動かそう」とすると「決まった場所」が痛くなる。
そういう共通点があります。
動かさなかったら、あまり感じない。

そこは、どうなっているんでしょうか。

その一帯に血流が十分にいきわたっていない。
なので、修復がすすまない。
なので、いつまでたっても、よくならない。

だったら、その場所に集中して、痛み止めを送ろう。
そして血流の再建をすすめよう。
ゆく血管、かえる血管の再生。
うーん、じつに理にかなった発想、天才だ。

 



 

そして、いつものコンビ

 

薏苡仁湯は、筋肉・腱・関節部の痛みを止めつつ、血行を回復させる。

血行を回復させますが、まだ不十分な場合があります。
流れの行き場を失った血も、とどこおっていそうです。
なので、とどこおった流れを、もっとはやく回復させたい。
そう思ったら、はい、桂枝茯苓丸の出番です。

この両者のセット。
これを、1日2回か3回。

血行の行きにくい場所の、血行再建ですから、少々時間はかかります。
数週間。

きっと、うまくいく。
ただし、あらためて作用機序をふりかえっておきます。
局所の痛みを、やわらげる。
局所の、血流を回復して、組織の修復につなげる。

ですから、こういう過程に逆行する行為をつづけていら、なおりません。
痛みは、いつもカラダからの伝言です。
その声に耳を傾けてゆきましょう。

カラダからの手紙を、大切に。
ラブレター フロム カラダ♪

 



 

たーさん
いつまでも つづく痛みへ アプローチ

 

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