いい気持ちラン
1分間に、何歩くらいの足がでると、気持ちのいいランになるでしょうか。
つまり、至適ピッチ数。
遅すぎれば、疲れやすい。
はやすぎれば、身がもたない。
ただし、この疑問は、オオザッパすぎるかもしれません。
だって、ゆっくりランがある。
レース時のペースランがある。
坂道やっとこさ、のぼるランがある。
スピードや状況がことなれば、ピッチ数だって、かわりますから。
そして、そもそも、走っている最中に、ピッチ数は意識できません。
少なくとも、わたくしには。
ところが、科学の進歩は、そんな状況をかえてくれました。
走っている最中に、ピッチ数が腕時計にでるんですね。
脈拍数まで。
そして、走りおえれば、パソコン画面にピッチ数と脈拍数の相関関係まで示されるんです。
ここから、何かが読みとれないものか。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2021/06/4271876_m-1024x768.jpg)
ピッチ数と脈拍数
わたしは、以前から「ピッチ数」と「脈拍数」の関係に着目してきました。
どちらも、1分間の回数、としてみてゆきます。
両者は、本来は、独立性のある因子です。
ピッチ数は、かけ足の回数です。
脈拍数は、心臓が動脈におくる血流の波です。
ところが、両者を「血流」として統一化してみます。
脈拍は、心臓の血液拍出量を反映します。
つまりは、血液の流れです。
血流の反映です。
では、ピッチ数を、血流として、どうとらえるか。
下半身、とくに下肢の血液のもどりには、下肢筋肉群の収縮が関与してきます。
中心は、フクラハギからフトモモの筋肉群です。
ここが、キュッキュとしぼりあげる。
歩きや走っているときの、筋肉群の動きですけど。
筋収縮は、本来は、カラダの移動のための変化です。
でもこれは、筋肉群におおわれた静脈の「乳しぼり」効果もうんでいます。
下肢静脈は、静脈弁という、血流を一方通行に導く構造があります。
血液をためた下肢静脈が、筋肉群でしぼられます。
すると、中の血液は、心臓に向かって一方通行的にしぼりあげられます。
重力にさからって、上へ、上へとのぼってゆく。
下肢の筋肉群が、「第二の心臓」とよばれるゆえんです。
ピッチをきざむ主役は、下肢の筋肉群です。
ですから、ピッチ数は、下肢筋肉群の心拍数のようなものになります。
下肢の筋肉群が、「第二の心臓」とよばれるゆえんです。
これを、わたしは勝手に「足拍数」なんてよんでいます。
足のきざむ、脈拍数。
イコール、ピッチ数です。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2021/06/4642211_m-1024x683.jpg)
本家
本家の心臓は、全身に血液を「送り出して」います。
24時間、休みなしです。
生まれてこのかた、1日も休んでいません。
自分は、あきっぽい。
何をやっても、つづかない。
いいえ、心臓や呼吸は、休みなくつづいているんですね。
なにしろ、心臓が数秒休むだけで、意識をなくしちゃうくらいですから。
ですから、大切さからいっても、本家の心臓を抜きにしては、ありえません。
ここが、休んでしまったら、万事休すです。
至急、AEDです。
では、第二の心臓の名をつけた、下肢筋肉群はどうでしょうか。
中心は、フクラハギ筋肉群です。
もちろん、フトモモ筋肉群だって、忘れちゃこまります。
これらが、キュッとちぢむと、下肢のふくれた静脈がきゅっとしぼられる。
同時に、血液が、キュッと心臓へ向かう。
つまり、第二の心臓は、さがった血液を「送りあげる」役目をになっています。
二本足で立つ人間の生理です。
血液を全身に「送り出す」本家の心臓。
さがった血液を本家に「送りあげる」第二の心臓。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2021/06/4813120_m-1024x612.jpg)
第二の心臓
さて、足の筋肉部を、「第二の心臓」といいました。
でも、よく考えてみます。
本当に「心臓」なんて名のっていいんでしょうか。
そんな資格があるんでしょうか。
看板に偽りはありませんか?
なにしろ、どんだけのポンプ力があるのか、ということです。
まず、下肢静脈内の血液を送りあげる、といいました。
そりゃ、下肢筋群がギュッとちぢめば、たまった血液をおし出すことはできます。
ただし、下肢筋群は、そのためにあるものではありません。
本来は、カラダを支え、歩いたり走ったりするためのものです。
静脈の乳しぼり効果は、いわば、副次的なものです。
しかも、どれだけの血液を送りあげられるのでしょうか。
ふつうは、立つ姿勢で、重力にあがなう方向にもってゆかねばならないのです。
いちばん、しんどい労力です。
本家の心臓からは、重力でスーっとおちてくるのとは、逆なのです。
構造上も、本家の心臓は、ちゃんとしたポンプです。
一回の拍動で、コップ半分の血液を送り出すことができます。
下肢は、ポンプ構造じゃなくて、ストローです。
容積って、どのくらいなんでしょうか。
しかも、自律性という、おおきなちがいがあります。
本家の心臓は、自動で動いてくれています。
第二の心臓は、一歩をふみ出さねば、一拍がうまれません。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2021/06/4232726_m-1024x683.jpg)
神さまの工夫
下肢の筋群を、かんたんに「第二の心臓」なんていっちゃいました。
しかし、「心臓」を名乗るのは、容易ではなさそうです。
いくつかの不利な条件をのり越えねばなりません。
それでも、不利は承知。
ここをのり越えませんと、2本足で立っての移動は、むつかしいのです。
血流を、本家心臓だけにまかすのは、負担が大変でしょう。
そこで、神さまは、天才的な工夫を考えました。
(わたくしの妄想ですが)
アシを、筋肉でフンワリ豊かにすることです。
モモも、フクラハギも、豊富な筋肉でおおいました。
その中に、静脈を通したのです。
その結果、一歩一歩に心臓のような働きをさせることが可能になりました。
4本足なら、そんなに送りあげる必要はありません。
だから、豊かなフクラハギはいりません。
ワンコやニャンコも、あんな巨大な馬さんも。
よく比較してみてください、骨と皮。
ただし、筋肉で太くしただけなら、意味をもちません。
ギュッギュッしなくては、要をなしません。
それが、ピッチです。
だから、ピッチは大切。
そんな気がしませんか?
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ピッチ数 着目点は 第二の心臓
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