ホネまで痛い

ホネのおれる仕事

 

むかしから、チョー大変な仕事を「ホネのおれる」仕事と表現してきました。
ホネは、人体にとっては、もっともジョーブなもの。
(歯は、ここではいれません)
そこがおれる。
いや、実際にはおれていなくても、おれるくらい大変。
こういう仕事をされる方、尊敬します。

ひるがえって、ランニングでは、どうでしょうか。
短距離の、モーレツダッシュ。
あるいは、長い山道をエンエンと走りつづける。

仕事ではありませんが、負荷の大きさにかけては、ひけをとりません。
実際に、ホネへの負担は、いかばかりか。
ですから、これも「ホネのおれる」仕事といってもいいでしょうか。
なにしろ、ホントにホネがおれちゃうランナーさんもいますから。
マジメな方ほど。

わたくしの経験。
この4月にチャレンジ富士五湖(100キロ)、6月に岩手銀河(100キロ)を走りました。
走った直後から、麻杏薏甘湯を服用。
じつに劇的に筋肉痛が、消退しました。

そして現れたのが、別の、右下腿違和感。
あきらかに、右足の脛骨表面の圧痛感。
右の脛骨も、疲れているんだ。
そう認識しました。
ホネまでつかれる走り。

ただこれを、仕事と表現してよいものかどうか。
仕事というより、スポーツでしょうか。
あるいは、運動。
あるいは、酔狂(わたしの場合は、コレ)。

 



 

ホネは、別格

 

運動器のなかで、ホネだけは別格です。
目的からして、ちがっています。

筋肉や関節は、動くことが使命です。
動かなくなってしまったら、これは一大事です。

一方で、ホネは動きません。
動くことでなく、支えることが目的ですから。

ですから、硬さが、何よりです。
人生の、最後のあとの火葬。
残されるのは、ホネと灰です。

ホネでホネをたたくと、コツコツというかわいた音がします。
ですから、ホネのことを、コツ(骨)ともいいます。
うーん、これはウソです。

そのかたいホネが実際におれる。
それを「骨折」といいます。

すると、尋常ではない痛みがおこります。
なにしろ、カラダの支えが、くずれたのです。
カラダが、目一杯の「痛み」の声をあげるのも、うなづけます。

 



 

別格だから、特別あつかい

 

いくら硬いといっても、ホネだって、痛みます。
おおきな痛みの声をあげることも、あります。
その声を、どのように聞いたらいいでしょうか。

まず考えたいのは、ホネのどこが痛いといっているかということです。
ホネの痛みのセンサー。
それがあるのは、ホネの表面。
すなわち、骨膜です。
ミカンや桃でいえば、の部分。

ですから、骨膜への刺激がへれば、ホネの痛みは軽くなります。
そのためにおこなわれているのが、「整復・固定・安静」です。

おれたホネを、いい位置にセットする。
そして、ゆがみが生じないように工夫する。
そして、静かにする。
すると、骨膜への刺激が減ってゆきます。
理にかなった対処法です。

なんなら、ホネの中に「痛み」をおさえる成分を注入できないものか。
あわせて、障害部分の血流を回復させたい。
そうすれば、ずいぶんとラクになるだろう。
回復も、はやまるだろう。
そういう薬は、ないものか。
ありました。

治打撲一方」といいます。
よみ方は、「ぢだぼくいっぽう」です。
さいしょが、「じ」でなく「ぢ」です。
このあたりに、ふるさをかもし出しています。

ホネのうっ血を去らせ、血流をめぐらせ、あわせて熱をさまさせる生薬7つの連合軍です。

 



 

命がけの開発

 

さすが、中国ン千年の歴史。
ではありません。

ときは戦国時代、日本のはなしです。
我こそは、と命がけで戦いをつづけた時代。

ズバッと切られて絶命なら、それで一巻のおわりです。
ズキッ、ズバッ、バキッ、ボキッ。
切られても、さいわいヨロイが命だけは、身を守ってくれた。
でもにまで達するような深いケガ。

この痛みを、なんとかできないか。
このケガを、はやくなおせないか。

武将といえども、生身の人間です。
考えることは、わたしたちと同じでしょう。

そういう時代の要請のなかで開発され、精度をあげていったのが、この治打撲一方です。
つまりは、国産品です。
そのため、「戦国武将の秘薬」ともいわれていました。

服用のコツがあります。
ふつうの痛み止めとの併用は、しないほうが効きます。
なぜなら、ふつうの痛み止めは、血流をさまたげるからです。
せっかくの治癒機転を、ジャマをする。

お年よりの脊椎圧迫骨折
これと、八味地黄丸のペアは、強力です。
年をとったら、毎日が戦国時代。
おフロ場は、戦場。

 



 

骨まで愛して

 

カラダの支持のカナメである、ホネ。
ジョーブさが売りものです。

そんなホネが傷ついて、痛む。
これは、相当な外力が加わったということです。
そこまでしないと、ホネは痛みませんから。

いま痛んでいるのは、筋肉までなのか。
ホネまで、疲労していないか。
ホネが、音をあげていないか。

筋肉痛は、ありふれた現象です。
そのため、再生力も、活発です。
一方で、骨疲労骨痛は、特殊な状況です。
よっぽど負荷がかからないと、みられませんから。

わかいヒトがガンバる姿は、たのもしいです。
うらやましい、とも。
でも、とり返しのつかない痛み方をしてしまっては、大変です。

ホネは、クンレンして、きたえあげられるものではありません。
重量のかかる地球上で活動していれば、十分です。

ホネまで、酷使しない。
ホネには、無理をさせない。
ホネを、大切に。
ホネに、愛を。

 



 

たーさん
ひとの世は いくつになっても 戦国時代

 

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