メッセージ
「痛いところ」は、ちゃんと血が流れていない、というカラダからのメッセージだよ。
という流れで、すすめます。
ですから、表現法をかえてみます。
ケガをしていて痛い、とか
腫れていて痛い、とか
ぶつけたから痛い、とか
病気だから痛い、とか
年のせいで痛い、とか
気のせいで痛い、とか
仕方がない痛み、とか
そういう言いかたを、かえてみたら、いかがでしょうか。
そこに「血が流れていない」から、痛むんだ。
痛みの理由は、けっこうシンプルなんじゃないでしょうか。
というのが、不肖わたくしの見方です。
同時に、カラダは血流障害に、ビンカンです。
なにせ、命の根幹にかかわることですから。
いってみれば、わたしたちの呼吸が、カラダにとっては血流というイメージです。
そのため、痛みのメッセージをだすと同時に、カラダはセッセとその修復につとめます。
それが具体的な「生命力」です。
急性期の痛みは、その理屈がわかりやすいです。
マラソン大会に参加してみました。
いつもより、長い距離を走りました。
いつもより、ガンばって走りました。
その結果、筋肉組織を中心に、組織の損傷がおこります。
組織をやしなう組織間の微小血管にも、損傷がおこります。
すわ、血流障害。
痛み物質の放出です。
ですから、痛い。
これを称して「筋肉痛」。
とくに動くと痛い。
動くと、組織がグチャグチャと、また損傷をしちゃうから。
でも、ちゃんとなおってゆけば、血流も安定します。
すると痛み物質はでなくなります。
これが、筋肉痛がなおった。
ガンの痛み
ガンは、自分のカラダの一部が、暴走をはじめてしまう病気です。
まわりとの協調性は、とらない。
勝手に、ガンガンと大きくなろうと活動をつづけます。
つまり、火事場のイメージです。
ですから、熱もでる。
火事がおこると、周辺は交通ストップとなります。
カラダも、まっとうな血流がとどこおります。
そして、痛み物質が、やすみなく放出されます。
火事場のまわりは、野次馬でごったがえします。
これは、周辺の炎症のイメージ。
ですから、対応のいの一番は、強力な火消しの登場です。
強い火消し役が、ステロイド剤です。
何はなくとも、ステロイド。
でも、だからといって、それで万全ではありません。
ステロイドの援助者もほしい。
それが、一般の抗炎症剤です。
それでも、火事のいきおいを止められなかったら。
痛み物質を、脳まではこぶ幹線道の遮断です。
これが、オピオイドとよばれるものです。
ステロイドもオピオイドも、痛み止めじゃありません。
代謝の調整ホルモンと、神経遮断薬。
なので、痛みを止める以外の働きもあります。
そこに目くばせをできるひとが、使用できます。
気持ちの痛み
痛みは「心理的」なものもあるよ。
ありていにいうと、「気」のやまい。
さて、気持ちで、血流が止まるものでしょうか。
つよいストレスを考えてみます。
イライラ
ウツウツ
バクハツ寸前
こういうとき、カラダもリラックスはできていません。
逆です。
グッと、力が入っています。
とくに、横隔膜下の緊張がつよい。
力が入りつづけると、どうなるでしょうか。
筋肉は、ギュウっとしぼられます。
すると、その中の血流がとどこおります。
痛み物質の放出がはじまります。
気持ちからの痛みに、ふつうの痛みどめは効かない。
そうですね。
腫れてくる変化じゃないからです。
どうしたら、カラダはやわらかくなれるか。
カラダの緊張がほぐれるか。
そこがゆるめば、血流がもどってゆきます。
運動器の痛み
筋肉や腱。骨。
関節。
こういうものをまとめて、運動器とよんでおきます。
ランナー御用達の痛みの主流は、この運動器系に多いのではないでしょうか。
運動器の痛み。
ここだって、痛みに例外はありません。
血流がちゃんといっていない。
痛い場所があったなら、痛むところをナデナデしながら考えてみる。
なんで、ここに血流障害があるんだろう。
小さいころの、痛み対応の定番。
「痛いの、痛いの、とんでゆけ」
痛みの本体を知ったなら、こういってみます。
「痛いの、痛いの、流れてゆけ」
ちゃんと血液が流れはじめたなら、痛み物質はでなくなるんですから。
そして、いよいよ究極の探究です。
どうして、ちゃんと血液が流れないのでしょうか?
そこを考えるために、アタマがある。
筋肉の中の血液の流れ
運動器の中でも、筋肉中の血流について、考えてみます。
筋肉内は、小さな血管が、縦横無尽に走っています。
その中を、豊富な血液が流れています。
その血液がとどこおれば、「痛み物質」がだされてきます。
どういうことで、流れがとどこおるでしょうか。
いくつかの例をあげてみます。
・筋肉がギューギューにちぢまり、血管を圧迫しつづける。
・そもそも血管自体が不足している。
・血管がつまって、とどこおおっている。
・冷えて血管がちぢんでいる。
・腫れて血管の流れが渋滞している。
・むくんで、血管が圧迫されている。
・ひからびて、血管が虚脱している。
・血液自体がドロドロして、ほそい血管内をうまくすすまない。
・血液がうすすぎて、血流としての機能を保てていない(貧血)。
・外力で、血管組織の破壊がやまない。
・血管の再生をおこなう原材料(栄養)不足がはなはだしい。
こういうことが、ひとつ、あるいは複数からんで、血の流れを阻害しています。
つまり、「血流のとどこおる要因」となると単純じゃない。
むしろ、じつに複雑です。
こういったとどこおりの要因にあわせた対応をしないと、血流回復にはいたりません。
逆に、ちがった対応は、さらに血流を悪化させてしまいます。
まちがった対応をするくらいなら、見守るだけのほうがいいことも少なくありません。
カラダは、自分からなおそうという力をもっているんですから。
ロキソニンが介入可能なのは、「腫れて」いる場合のみです。
といっても、ベストやベターな介入かは、むつかしい判断です。
ロキソニンは、血流を下げるはたらきがあるからです。
(ワタクシ流の解釈)
痛みの原理はシンプルです。
血流がうまくいかなくなること、です。
でも血流を阻害する要因は、じつにさまざま。
でも、ここにわけ入してゆかないと、適切な介入にはなりません。
ミソもクソもいっしょにするな、ということです。
じゃあ、どうしたらいいでしょうか。
「血流」という目でみれば、「看方」がかわってこないでしょうか。
痛みが、みえてくる。
痛みを、みようとする。
血流をじゃまする要因に着目、ということです。
流れてこその血流。
心眼で ぜひみてみたい 血の流れ
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