そんなに多様なんですか?
ヒトの歩いたり、走ったりする姿は、多様性にとんでいます。
いきなり「歩き」と「走り」をまぜちゃうと、モノゴトが複雑化しちゃいかねませんので、まずは「歩行」に的をしぼってみます。
本当に、ヒトの歩行に多様性はあるんですか。
だって、立ち姿勢での2本足歩行ってのは、全世界共通でしょ。
しゃべるコトバのちがいはあっても、2本足で歩くことは同じじゃないですか。
かように、突っこまれますと、かえすコトバがでてきません。
おっしゃるとおり。
でも、です。
南米のジャングルの中を、ハダシで歩くヒト。
メキシコの山岳地帯を、ゾーリで歩くヒト。
東京の駅のホームを、革靴やハイヒールで闊歩するヒト。
これが同じ歩きになるか、といえば、チョットづつちがうよね、と相槌うっていただきたいのです。
今回は、そんな「ささい」なちがいに着目です。
ささいも、いがいと、奥が深そう。
4本足は、多様性が少ない
たとえば、アフリカのサバンナ地帯を歩くシマウマさんたち。
歩き方、けっこう似ています。
少なくとも、ヒトの集団、先ほどの例を抜きだせば、駅のホームを歩く人々と見比べても、均一性は抜きんでています。
よっぽどの親族でもなければ、先頭から101頭目を歩くシマ夫さんと、102頭目を歩くシマ男さんの区別は、つきません。
ほらほら、歩き方の特徴をよく見てごらんなさい。
そのくらいの目では、見分けは困難でしょう。
もしかしたらシマウマ集団には、とってもキビシイ教官がいて、歩行指導をビシバシ行なっているのでしょうか。
スズメの世界では、スズメの先生の存在は歌によって確認されていますが、シマウマ界での指導教官の存在は、いまだ未定です。
たぶん、本能的に、似ちゃうのでしょう。
多様性の理由
ヒトの歩き方と、シマウマの歩き方の多様性の差は、どこから生じているのでしょうか。
スナオに考えてみると、歩行につかう「足の数の差」かもしれません。
ヒトは、2本の足で歩きます。
シマウマは、4本です。
4本足で歩くとき、ふつう大地には、そのうちの「2本」が支えています。
次の1歩は、残りの2本との交代です。
つまり、つねに「2本」「2本」という足が、カラダを支えています。
ですから、バランスはよく保てます。
そのため、個性は生じにくい。
結果として、みんなが同じような歩き方になってしまいます。
一方、ヒトは2本足で歩きます。
歩くという動作中は、ほとんどが「1本足」で体を支えねばなりません。
ほとんど「1本」の足で、移動中のカラダを支えているわけです。
ですから、バランスは、つねに変化しつづけます。
バランスをとりつづけねば、歩くことが、かなわない。
この「バランス」のとり方の差が、歩き方の個性の差の一因と思いませんか。
歩き方の多様性の自覚法(その1)
シマウマは、どんな状況でも、2本足でしっかりカラダを支えているので、状況により歩き方の差が生じにくい。
わたしたち人間は、1本の足で動きを演じているわけですから、つねに不安定です。
それが、統一性のなさに関与している。
ですから人間は、逆に、バランスの取り方をちょっと変えるだけで、歩き方を意識的に変えることが容易にできます。
具体的には、どこに着目してみたら、よいでしょうか。
ひとつは、「着地時のアシの裏」です。
アシ裏の、どのあたりで着地していますか。
そこを意識するだけで、歩き方の特徴が集約されてきます。
カカトからガッツリ着地、は行進型、軍隊型の歩きです。
また、こうするためには、大マタが必要となります。
小ユビ山のふもとあたりから着地しようとすると、歩幅は小マタで、いわゆる着物姿のゾーリ歩きみたいになってしまいます。
これが、アシ裏着眼点法。
でも、どこのアシ裏から着地するのか、というのは、多くは歩き方の「結果」です。
こういう歩き方をすれば、ここから着地になるよね、ということ。
もうひとつの歩き方の自覚法(その2)
足は、ヒザ下でおれ曲がります。
ヒザ下で、伸ばすこともできれば、おりこむこともできます。
逆に、足でそれだけのダイナミックな動きをうみ出せるのは、ヒザ下だけです。
そこで、こんどは、ヒザ下に意識をもってゆきます。
ヒザ下を伸ばす感覚で、歩いてみます。
すると、行進型、軍隊調の歩きになります。
厚労省ご推薦のウォーキングは、この範疇におさまります。
足を大きくひらいて、ちから強く、カカト着地。
じつは、ひざ下を伸ばして歩けばいいだけです。
つぎに、ひざ下をゆるめて、ヒザが曲がる感じで歩いてみます。
前にあるひざ下が、最初から曲がった感じでの着地。
すると、ひざ下の曲がり具合で、歩き方がどうにでも変化しそうな感じにならないでしょうか。
ヒザ下を曲げれば、曲げるほど、歩幅はせまくなり、小ユビ山で着地するようになる、ということです。
ヒザ下の意識は、いがいに、歩き方の変化のスイッチです。
歩き方 を変えるスイッチ ヒザの下
↓ よろしければ、清き1票をお願いします(1日ワンクリック有効)
にほんブログ村